筆者は、中国を中心とした貿易の仕事に、長い間携わっていました。
中国語は英語同様、、Yes、No、、Why Becauseがはっきりしています。
商談においては、通訳の方が、訳しやすいように、はっきりした言い回しを心がけました。
日本人は日本語の特性そのままに、情緒的な表現をする人が非常に多いのです。
初期のころは、通訳に困る表現がやたら多かったものです。
具体的な仕事は、総合スーパーなどで販売する衣料品を、中国の縫製工場に発注して、日本へ輸入するという内容です。
スーパーのバイヤーたちは、「気持ち、丈を短くしてくれ。」「色をもう少し、白くして欲しい。」というような、通訳できないことを言う人が非常に多かったものです。
日本人同士では、それで済ませていたからです。
また、言った、言わない、の係争となることもまれではありませんでした。
曖昧な表現は、あらゆる意味で、危険極まりないものなのです。
説明が余計に分かりにくくなる
説明したことによって、かえってわかりにくくなったなどと言われた人もおられるかも知れません。
これは残念ながら、最悪の評価といってよいでしょう。
一体何をやっていたのか、わかりません。
系統立てて話ができなかった、スキルが不十分だった、相手の興味を外してばかりいた、相手を混乱させてしまった、などさまざまな原因が考えられます。
何が説明をわかりにくくしたのか、しっかり原因を分析しておかなければなりません。
8.相手の目を見て話す
説明にあたっては、相手の目を見据えて話すようにします。
視線をさけているようでは、話し手のこれに賭ける情熱を、伝えることができません。
話にならないとはこのことでしょう。
自信なさげな様子が、相手の印象に残ってしまうだけになってしまいます。
これではとても説得力など得られません。
恥ずかし気に目をそらすシーンというのは、外国では恋愛の駆け引きでもないかぎり、ほとんど見当たりません。
説明するシーンでは、しっかりこちらを見て「どうだ!」という感じでまくしたててきます。
気遣いは大切ですが、情熱はそれ以上に大切なものです。
違う方向を見ると聞き手は集中できない
聞き手は、常に話し手の本気度を値踏みしながら聞いています。
それが感じられないようなら、あっという間に興味を失ってしまいます。
ここでもう勝負ありです。
例えば説明する人の顔があらぬ方向を向いていたとすれば、その話す内容に真実味を感じるでしょうか。
心を通わることはできず、気持ちが盛り上がることはありません。
現実のことことではなく、夢物語のように聞こえてしまうのかも知れません。
これでは童話の朗読を聞いているのと同じです。
9.相手の考えを知る
有効な説明をするために、相手の考えを知りましょう。
そのためには、質問させるように仕向けるのが一番です。
こちらから質問を繰り返すのは、リスクを伴います。
自分を利用しようとしているのでは?またはこの説明者は、実は何も分かっていないのでは?などさまざまな疑念を抱かせることになるからです。
相手の考えを知ることによって、相手が思わず質問したくなる、魅力的な表現を磨いていきましょう。