お客が料金を支払う代わりに、店や会社はさまざまなサービスや技術を提供します。
しかし、店や会社はたくさんありますので、できるだけお客に自分のところを利用してもらうために、お客に対しては丁寧な接客態度で接します。
言葉使いもきちんと教育されているところでは敬語を崩すことはありません。
そのため、店や会社側はお客に対して「ありがとうございます」「申し訳ございません」といった低姿勢で接客するというのが、少なくとも日本の店や会社のスタイルでしょう。
お客によってはそれでうっかりと自分の方が店や会社よりも偉い立場なのだと勘違いしてしまう人もいますが、そうした人に対しても、丁寧な口調や態度で接することで、その後の付き合いに繋げていくことが出来ているのです。
メールでも電話でも使える
「お手数おかけします」という言葉は、直接口にするのが一番ですが、メールや電話でももちろん使うことが出来ます。
また、言葉によってはメールや電話にすると軽く受け取られてしまうことがありますが、「お手数おかけします」に関しては皆が当たり前のようにメールや電話でも用いていますので、わざわざ「直接顔を見て言え!」という人や会社はあまりないでしょう。
もちろん迷惑をかけてしまい、その上での謝罪の場合には直接言った方が良いですが、そうしたイレギュラーな出来事がない限りは、メールや電話で使うことは何の問題もありません。
「お手数おかけします」の例文
「お手数おかけします」の意味や、どんな相手に使うのかについてご紹介してきました。
ここからは、この言葉をどのような場面で使うことがあるのかを、例文を用いてご紹介していきます。
以下に挙げる例文以外にも、もちろん日常生活やビジネスなどのあらゆる場面で使われていますが、あくまでもその一部をご紹介します。
大変お手数おかけしますが、明日までに郵送をお願いいたします。
例えば会社で何かのトラブルがあり、急いでそれに対応することになった時、原因となるものが今すぐに手元になかった場合に、それを自分の会社へと送ってもらう必要ができたとします。
その際に、さまざまな事情から期限も迫っていたら、大慌てで対応しなければならず、このような言い方をすることがあります。
「お手数」の前に「大変」と付けることで、相手に対して本当に申し訳ないという気持ちを表しています。
また、「お願いいたします」はその上で相手に対して重ねてお願いをするという意味合いがあります。
言葉を聞くだけでも、相手が急いでいるということがよく伝わってくる言い回しです。
お手数おかけしましたが、お陰様で完成いたしました。
例えば自分の会社で何か大きなプロジェクトを完成させた際に、それに携わってくれた取引先の会社や上司などに対してこの言葉を用いることがあります。
これには、「あなたにご協力いただいたお蔭様で、仕事を完成させることが出来ました」という感謝の気持ちが強く込められています。
まさに、申し訳ないという謝罪の気持ちに勝る感謝の気持ちでしょう。
そのため、そう言われた相手にとっても、嫌な気持ちにはならないでしょう。
使う時の注意
「お手数おかけします」という言葉を使う際には、いくつかの注意点があります。
その注意を怠り間違った使い方をしてしまうと、周りから「あの人は正しく言葉が使えない」と誤解されたり、時には相手に対して失礼な言動になってしまったりすることがあります。
そうなってしまうと相手の誤解を解くのに大変ですので、予め間違いや失敗のないように、言葉の使い方に気をつけるようにしましょう。
注意すべき点を以下にまとめましたので、ご参考下さい。
基本的に目上の人に使う
「お手数おかけします」という言葉は、基本的に目上の人に使います。
学生の頃に敬語の一つとして覚えることもあり、また社会人になってからは必然的に多用する言葉ですので、目上の人に対しては自然とこの言い方が身につくことがあります。
しかし、基本的な使い方を知らないと、目下の人に対しても同じように用いてしまうことがあります。
もちろん丁寧な言い回しは好感を抱かれやすいですが、明らかに目下の相手に対して「お手数おかけします」と言うと、相手が余計に恐縮してしまったり、または慇懃無礼に捉えてしまったりすることもないとは言い切れません。
そのため、基本は目上の人に用いるようにしましょう。
場合によっては目下の人に使っても良い
基本は目上の人に使う言葉ですが、時と場合によっては目下の人に使うこともあります。
それは例えば、相手に大きな迷惑をかけてしまったり、とても助けてもらったりした場合に、それに対する謝罪や感謝の気持ちをしっかりと伝えるために、「お手数おかけしました」と言葉を用いることがあります。
「お手数かけさせます」は間違い
時々、「お手数かけさせます」と言う言葉使いをする人がいますが、これは間違いです。