血がつながっているため、子供に遺伝的な疾患が出る可能性がある
恋愛の始まりは、一緒にいたい、同じ考え方で共感する、などと相手のことを思う気持ちが勝ってしまいます。
そして、手を繋いだり抱き合ったりと肉体的な欲求が勝ってくるのです。
この段階でも、その時のふたりの愛情のみが燃え上っていて、将来のことについてはあまり考えを巡らせていないようです。
しかし、燃え上るような一時の情熱が治まってくると、結婚ということや将来の生活、子供のことと未来志向になって行きます。
その時に問題となることは、子孫に障害を持つ子供が産まれてきやすいという現実です。
歴史的に考えると、いとこ婚のような近親婚は昔は多かったようです。
地位や財産がある一族としては、財産の分散を防ぐために一族間での近親婚を勧めていたようです。
海外の有名な例では、スペイン・ハプスブルク朝では、近親婚を繰り返したために、虚弱な子供ばかりが誕生することになってしまい、17世紀末に王朝が断絶することになったそうです。
血が濃いと、子供に遺伝的な疾患が現れるようです。
障害の確率
イギリスに住むパキスタン人は、約55%がいとこ同士の結婚をしているようです。
いとこ同士の両親、祖父母、さらにはその祖先もいとこ婚である場合は、遺伝子障害が発生する率が高く、一般住民の約13倍もの高率だそうです。
バーミンガムでは、これらのいとこ婚の子供の10人のうち1人は幼児期に遺伝病で死亡しているのです。
このように、いとこ婚では障害児が生まれる確率は約10%なのです。
兄妹、父娘間の近親相姦では、44%の確率で奇形児が生まれるようです。
竹内久美子氏の著書「万世一系のひみつ」の中に引用されているデータでは、兄妹、父娘間の近親相姦でうまれた子供161人を調査したところ、そのうちの71人(44%)に先天的な
異常が見つかったそうです。
この調査では、精神的な障害は除いているので、実際はもっと酷い状態であったと推測されます。
ちなみに、近親でない結婚で生まれた時の障害者は約1%程度とのことです。
これらは、本来わたしたちが持っている遺伝病の劣性遺伝子によるもので、近親婚ではこの劣勢遺伝子が発現し易くなるのです。
近親婚は種の絶滅を導くことにもなるので、動物でさえ近親相姦を避ける本能が働くようです。
人間の場合は本来なら早くから法律で禁止しておくべきであったのですが、昔は戦略的に近親婚を勧めていたこともあって、難しかったようです。
高等なほ乳動物ほど近親婚は障害を持つ子供が生まれやすいのです。
いとこ同士は4親等で法律上は問題はありませんが、遠い将来にも障害を引き起こす危険もあり、あまり勧められる結婚ではないようです。
上手くいかなくなった時に別れづらい
いとこ同士の結婚であれば、親戚同士の付き合いも多くなるので、日頃から顔見知りも多いので人付き合いが比較的楽であるというメリットはあります。
ただし、よく知っている間柄だからこそ、何か問題が起こると情報は親戚中に筒抜けになる時があるのです。
良いことも悪いことも、たちまち噂になってしまいます。
そんな事は二人にとってはどうでもよいことなのですが、もしもふたりの間にすきま風が吹いて上手く行かなかった時には、両親のこともあるので別れづらくなりそうです。
赤の他人であれば、問題が起こって離婚してもその場限りということができても、親戚同士であれば、後々までしこりが残りそうです。
上手く行かなかったら、どちらかが我慢することになります。
離婚したら親族分裂の恐れがある
いとこ同士の結婚と言うと、何かふたりの強い情熱が起こした奇跡とでもいうような感じがするのです。
その当時には、両親や親戚の人達からも、一言や二言は意見が出たはずです。
「なぜ、いとこ同士で結婚することになったの?」とか「冷静になって考えたらどうか?」などと、大半はもっと別の相手を探したらどうかという忠告のようなものばかりのはずです。
親戚が少なければ良いのですが、親戚が多いと結婚式に招待する人も親戚だらけで、新鮮さにかけてしまいます。
昔なじみの友人には、あまり喜んでもらえなさそうなので、招待状も出さずにがまんすることにもなります。
そんな中で、燃え上った愛は消すことができなかったようです。
その後、結婚生活が初まって見ると、その熱意もだんだんと薄れていくと、つまらないことでも喧嘩が増えることがあります。