よく仕事を二つ掛け持ちしている人などに対して使われているのが、この「二足のわらじを履く」という言葉ですが、実はこれ、あまり良い意味では使用しない言葉だって知っていますか?
別に二足のわらじを履くこと自体が悪いことなわけではありません。
今の世の中、副業をしている人はたくさんいますし、複数の会社から給料をもらうのは悪いことではありませんよね。
では、なぜこの「二足のわらじを履く」という言葉は良くない意味を持つのでしょうか。
これからは二足わらじが当たり前?!
実は、良い意味での「二足のわらじ」はこれからの世の中では当たり前になってきます。
仕事も本職だけでなく、副業もして収入経路を2つにすることは一般的になりつつありますし、高齢者も年金をもらいつつ月5万くらいをプチ稼ぎして生活を維持するのが当たり前になるでしょう。
二足のわらじは次第に良い意味でだけ使われるようになり、それをするのが当然であるかのような世の中になるのです。
二足わらじとは?
二足のわらじとは、単に二つの職業という意味ではありません。
本来、人が簡単には両立出来ないような仕事や職業、役職を一人でやっていることを言うのです。
意味
もともと、「二足のわらじを履く」という言葉はあまり良い意味では使われません。
英語にも「二足のわらじを履く」という言葉に似た言葉がありますが、それは「Amancannotsrvetwomasters」と言って、二人の主君に仕えることは出来ないという意味なんです。
つまり、「二足のわらじを履く」とは、すごいことだと褒められるようなものではなく、そんなことをするなんて、どっちつかずなヤツだなぁとけなされるような意味になってしまうのです。
語源
語源は江戸時代までさかのぼります。
江戸時代には、賭博打ちという非合法な職業の人と、それを捕まえる岡っ引きという警察官みたいな役割の人がいたわけですが、二足のわらじを履くとは、それを兼任することを言いました。
どうやって兼任するんだよ~と思ってしまいますが、昔はいたんですね~。
自分も賭博行為をしていながら、表向きには警察官のように賭博を取り締まるような仕事もしていたというわけです。
現代で言えば、警察官でありながらやくざに情報を提供しているとか、芸能関係の仕事をしながらドラックのディーラーもしているとか…。
どれもこれも犯罪行為ですが、このようにありえない二つの職業を兼任しており、それが一般的に非難されるような状況であることを「二足のわらじを履く」と言うのが本来の使い方になります。
使い方
昔は非難されるようなニュアンスを持つ「二足のわらじ」という言葉でしたが、現代はちょっと変わってきています。
普通に「仕事と育児の二足のわらじも大変ですね」なんていうふうに使ったりする人もいるように、決して悪い意味で使われるだけではなくなってきています。
それでも、どちらかというと否定的な意味で使われることが多いのは変わっていません。
「そんな二足のわらじを履くようなやり方で出来るほど、簡単な仕事ではない」なんていうように使います。
つまり、その後に「よくないからやめなさい」という文章がつながってくるような言い回しで使うわけです。
類義語・対義語
先ほども書いたように、最近は決して悪い意味だけではなくなってきています。
掛け持ちする、兼務する、一人二役で、というように、良くも悪くもない意味で、ただ二つの役割を兼ねている状況を表現する言葉になっているようです。
他にも、両刀使いである、兼ね備える、かけ持ちするなんていう意味と似ています。
二足のわらじを履くのがよくないという理由6個
本来、二足のわらじとは、意外性のある組み合わせを持つ二つのものに対する言葉です。
しかし、人気YouTuber兼大学生とか、アイドル兼高校生とか。
最近はよくある組み合わせですし、決して悪い組み合わせではないですよね。
また、「二足のわらじでやってるなんて、すごいね~」なんて尊敬される場面もよく見られるくらい良い意味で使われている場面もあります。
ただ、「二足のわらじ」は、本来悪い意味で使われているんでしたよね。
例えば仕事で二足のわらじ状態になっている場合を考えてみましょう。