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謹啓とはどういう意味?正しい用法と...(続き3)

そのため、「敬具」の結語を用いる際には、頭語は必ず「拝啓」になっていることをよく確認しましょう。

「前略」と「謹啓」って何が違う?

「謹啓」が、つつしんで申し上げるという意味の挨拶であることはすでにご紹介しました。

「謹啓」と同じように頭語として用いられることの多い言葉に「前略」というものがあります。

「前略」とは略式のことで、「文章の前の部分を省略すること」という意味があります。

誰かに宛てた手紙の場合、最初によく時候について触れることがありますよね。

例えば「最近は暑くなってきましたね」や「寒さも厳しいですが・・」など、その時季について一言触れる部分が文の初めにはあります。

「前略」ではこうした時季の挨拶を省き、最初から本題に入る際によく用いられている頭語です。

親しい間柄の相手や急ぎの際などにはよくこの「前略」という頭語が用いられています。

また、「前略」が頭語である場合、結語は「草々」や「不一」「不尽」などが多く使われています。

「前略」は失礼にあたることもある


「前略」とは、要するに文章の初めの挨拶部分を略すということです。

本来ならば人に送る手紙やメールは丁寧な内容であるべきでしょう。

それをこちらの都合で略し、いきなり本題に入りますので、気心の知れた相手や「前略」が許される相手でもなければ、早々に使える頭語ではないでしょう。

とくにビジネス文書の場合、例えば上司から部下へ宛てたメールで「前略」と書かれていれば、そこまで違和感は覚えないでしょう。

しかしもし、部下から上司へ宛てたメールや、取引先の会社へ宛てたメールや手紙でこのような頭語を使ってしまうと、相手には失礼な印象になってしまうことがあります。

「前略」は「前の挨拶を省略する」ということですので、場合によっては相手が「自分は相手から挨拶を省略してもいい存在だと思われているのか!」と心外に思うかもしれません。

ビジネスでは相手にきちんと敬意を払って、良い関係を築く必要があります。

「前略」という頭語一つで、下手をすれば相手との関係が悪くなってしまうこともありますので、十分に注意が必要です。

ビジネス関係の相手であれば、それがどんな相手であっても、敬意を払い「前略」ではなく「謹啓」と頭語を用いるようにしましょう。

「謹啓」の使い方・例文


「謹啓」は、実際にはそこまで難しく使い方に悩む必要はありません。

丁寧な挨拶の仕方で、頭語と結語を最適な組み合わせにしておけば、それだけで正確に「謹啓」を用いることが出来るでしょう。

「謹啓」はビジネス上、自分がしっかりと敬意を払いたい相手に対して使います。

例えば上司や会社の取引先、目上の人などが対象になりますが、自分が敬意を払いたいと感じれば、相手が年下であっても「謹啓」の言い方を用いることはあります。

しかし、年下に使うことはあっても、目下の人に使いことはまずないでしょう。

もし目下の人に対して使ってしまうと上下関係のバランスが崩れてしまいかねませんし、何より「謹啓」を使われた相手の方がこちらに対して大変気を遣ってしまうことでしょう。

相手のためにも、何でもかんでも不必要に丁寧過ぎるやり方は避けた方が良いでしょう。

では、どのように用いると理想的な使い方になるのでしょうか?

以下に例文をご紹介していきます。

見積もり依頼文書

見積もり依頼文書は、ビジネス上相手に送る機会の多い文書です。

商品やサービスに関する価格を知りたい時に、販売者もしくは提供者に対してその価格の算出を依頼します。

見積もり依頼文書は、基本的には次のような内容で送ることが多いです。

「平素は格別のご高配を賜り厚く御礼を申し上げます。下記の商品につき、以下の条件でお見積りをお願い致します。」この挨拶の内容の後で、見積もりの詳細について記載します。

見積もり依頼文書は挨拶もシンプルなものが多く、また目的が見積もり依頼ですので、「拝啓」や「時候の挨拶」は基本的には不要とされています。

しかし、より丁寧に見積もり依頼文書を送りたいという場合には、例の挨拶をもう少し具体的なものにして内容にボリュームをもたせ、さらに頭語と結語に「謹啓」「謹言」と付け足します。

こうすることで単なる見積もり依頼文書がより丁寧な印象になりますので、相手に与える印象も柔らかくなることでしょう。

お詫び文章

「お詫び文章」とは、お客様や取引先相手とのトラブルの際に、文面で謝罪をする手紙のことをいいます。