そんなもの、と低評価するようなことに対して「誰得?」とツッコミを入れる時にも使うのです。
ここから「誰得」が生まれる
もともと、掲示板などに誰も必要としないような無意味な情報が書き込まれたときに、それに対してツッコミを入れる時に使われるのが「誰得」なのです。
そんなもの、誰が利用するんだ!とか何の役に立つんだよ!などと反論するのです。
このように、意味があるのか、誰が得するのか分からない時に「誰得」と書き込みますが、それ以外にも得しないことが分かっていてもついやってしまって、自嘲ぎみに自分で書き込むこともあります。
音楽好きな友人が、高性能のステレオセットを注文したのですが、さらにスピーカーについては高低音領域の音がしっかりと再生できる機器を付属にセットしたのです。
ボリュームを上げても音の質は変わらないような性能だと自慢していたのです。
しかし、現物が届いて自室に設置したのですが、そのアパートでは大きな音を出すと苦情が出てきて、結局は小さな音だけで聴くことになったのです。
彼はネットで「高性能のスピーカーを搭載したが、誰得仕様になりました」とガッカリしていたようです。
そのスピーカーの性能を活かしきれない環境だったのです。
自嘲気味に「誰得?」となりました。
本当は自分が得するはずだったのに、投資が無駄になって心が折れたのです。
「誰得?」と尋ねる以前に、「俺得」でなかったと告白しているのです。
このような使い方もあるようです。
セットで使うこともできる
もともとは、誰も必要としないような無意味な情報に対して、ツッコミを入れる時に使われていたのです。
ニコニコ動画でも、意味不明な動画や無駄に高品質な動画などが掲載されたときに、そんなの必要ないだろうと「誰得」とツッコむのです。
しかし、そんなものにも興味を持っている人は、さっそく「俺得」(俺はけっこうすきだよ)と返すのです。
つまり、「誰得」にたいして「俺得」となって、これらはセットで使われることが多いのです。
「誰得」という疑問の前に、「何得」(こんなことして何の得があるんだ)というスラングもあります。
「誰得?」→「俺得!」
百個ものフィギュアを集めているという友人の家に仲間数人で出かけました。
部屋の中には、書庫やらフィギュアケースの中までいっぱいにアニメフィギュアが並んでいます。
もちろん、壁にも天井にもアニメ主人公の美少女のポスターが貼ってあります。
友人のひとりが「おまえは本当にアニメが好きなんだなあ。アニオタなんだ。」「ところで、このフィギュアは役に立つの?誰得?」と聞いたところ、本人は「俺得」と答えたのです。
そして、そのフィギュアを始めてみた友人は「俺得!」(俺も好きだ)と目を輝かせて叫びました。
フィギュアを集めている友人は、アニオタでアキバにも良く出かけるし、イベントにも必ず参加するそうです。
フィギュアを眺めていると、現実の嫌なことを忘れて気持ちが落ち着くそうです。
心を癒すためにおおいに役立っているそうです。
そういう意味では、大いに役立っていることから「俺得」になるのです。
始めてみたもう一人の友人は、美少女のポスターを目の前にして、アニオタの仲間入りをするかも知れません。
心を奪われてしまったので「俺得」(俺もアニメが好きになってしまった)となったようです。
その他の「◯得」
「俺得」や「俺得」と同じように「何得」(何に役立つの?)とか「私得」(女性が使うスラング、わたしが得するの)などもあります。
俺や私以外にも、みんなが得するという意味の「皆得」もあります。
「何得」
ある地方都市で、山からイノシシが時折出没する地域がありました。
イノシシも子供の頃はうり坊と呼ばれるくらい可愛いのですが、大きくなると獰猛になって畑の農作物を食べつくすので迷惑なのです。
さらに、季節によっては気が荒くなって、人に危害を加えることもある動物なのです。
しかし、そんなイノシシに餌付けをする人が現れたそうです。