昔から、若い人達は自分達の考えや意思を、仲間うちで通じるような言葉で表現することがあります。
その人達が育った時代や背景に影響されているようです。
しかも、一般の人達にはちんぷんかんぷんという言葉が多く、その言葉が通じないと「大人の人は何もわかっていないんだなあ」と小馬鹿にするのです。
年末に恒例となって発表される流行語大賞にも、その時代を反映した言葉が出てきます。
2006年ごろから女子高生言葉として「あいつはKYだよ」と揶揄する言葉が流行りました。
当初は何を言われているのか分からなかったようですが、「その場の空気が読めない人間だ」ということだったのです。
その後はマスコミでも取り上げられて、一般の人も使うようになりました。
最近では、SNSの発達によって、いろんなアプリが登場していろんな情報発信ができる時代になりました。
若い人だけでなく、おばあちゃんとお孫さんがLINEで会話するような時代なのです。
アメリカの大統領も、Twitterで意見を発信する時代なのです。
このようなTwitterやFacebook、その他の掲示板などへの書き込みも、短い文章で発信する傾向にあります。
友達同士では絵文字やスタンプも普及しています。
現在はいろんなカテゴリーの掲示板が登場し、様々な書き込みで溢れています。
人気がある話題のタレントもブログやTwitterで、毎日のように情報を発信しているのです。
そして、それに対するフォローも素早いのです。
自分が感じたことを素早く相手に伝えるために、独特の言葉を使うのです。
女子高生の間でのやり取りの文章は、一般の人には分かりずらい文章になっているのです。
例えば、メールでのやり取りの中で、自分が書いたことが笑ってしまうようなことであれば、文章の終わりに「(笑)」と付けたしました。
しかし、これも面倒なので「笑う」の頭文字の「w」で表現し、とても笑える時にはさらに「www」とwを重ねました。
それでも足りないぐらいだと「wwwwwwwwww」と多くのwを並べるとそれが「草」のように見えることから「草生える」とか「草」と書くようになったのです。
普通の人が、文章の末尾に「草生える」と書いていると、春かなあと思ってしまいますが、本当の意味は「笑えるわ」ということなのです。
いわゆるネットスラング(ネット用語)なのですが、最近はなかなか凝った言葉も流行っているようです。
その中から、「俺得」という言葉を考えてみたいと思います。
ネットでよく見かける「俺得」
ネットを見ていると、よく見かける「俺得」という言葉があります。
この文字を見ると、「俺が得をする」という風に読めるのですが、これ以外にも似たような言葉で「誰得」「皆得」「自分得」などの言葉もあります。
結局は、この言葉を使用して書き込んだ人が、読者は誰が得をすることになるんだと思っていることを見越して、得をするのは俺だ、誰だ、皆だ、自分だと締めくくっているのです。
だから、「俺得」と書いた文章の前には、「いったいこれで誰が得するんだ」という投げかけの文章があって、その後にそれは俺が得することなんだ「俺得」と締めくくるのです。
ひとり芝居のようなのですが、いろんな展開が考えられるような複雑なことだけど、「最終的には俺が得をして終わるのさ」と自慢したリ読者を挑発したリしているのです。
「誰が得?」当然「俺が得さ」という流れなのです。
このことを読者に知らしめているのです。
例えば、人気掲示板の2chでは、いろんなジャンルの掲示板(スレッド)が立っています。
この掲示板の問題提起に対して多くの人が意見を書き込んで掲示板の中で議論が始まるのです。
そしてある種の結論らしきものが出来上がったところで、「このスレで誰得?」となると、立ち上げた本人が「俺得」と終わることもあります。
SNSや掲示板などで使われている
もともとはSNSや掲示板などで使われていたネット用語なのです。
今やネット用語は多岐にわたり非常に多くて正確な数は分かりません。
しかし、着実にネット用語は定着して、中には普通に企業や大学でも報告書にも記載されることもあるようです。
権威のある学術書は別として、急いで伝達する必要のある文章を書く時には、若い人はネット用語を多用する時もあるようです。
また、高校生や若い人とメールでやり取りする時には、ある程度のネット用語を使用しないとついて来なくなるそうです。
コミュニケーションを取るたの必須アイテムでもあるのです。
しかも、ちょっとしたことでも勝ち負けや損得が気になる若者は、力を合わせてやり遂げようとしていることについて、誰が得するの?自分も得するの?という素朴な疑問も生まれます。
そんな時に、みんなで頑張ると「皆得」だよとか、「自分得」もあるよと連絡すると、一生懸命頑張ったりするのです。
最近では日常会話でも登場する
若い人は、ネットで使っているネット用語を日常会話でも使うことが多くなりました。
ネット用語は伝えたいことを簡便に表すことができるし、意外と奥深い表現もできるからです。
適切なネット用語を駆使するということは、ネットの利用に長けた賢そうなイマージにも映るからです。
また、面と向かって言うと厳しくなったり関係を壊しかねないようなことが考えられる時には、ネット用語で答えることで柔らかな表現になったりします。
ただし、伝えるべき内容は同じことなのです。
例えば、お肌をしっとりとさせて化粧のノリが良くなる化粧品を開発した人が、ネット販売を始めました。
広告宣伝費が充分にないので、知人にサンプルを配って使用感を聞いて回ったのです。
そして、この化粧品が他の市販の化粧品よりもどこが違うのか、どんな効果があるのかを説明して購入をお願いしたのです。
ある女性は、確かに肌がしっとりと潤うし、艶も良くなったので購入したいと意思表示しました。
しかし、もっと友人にも紹介してほしいと頼み込むと、「これを紹介したら誰得?」と聞かれたので、その人は「俺得」と答えたのです。
こんな感じで、日常会話でも登場するのです。
俺得の徹底解説
「俺得」という言葉は、インターネットで使用されるスラング(略語、俗語、隠語)のことで、ネットで会話をしたり掲示板に書き込んだりする仲間の間で使用されている言葉なのです。
普通の人(ネットを利用しない人やネットに詳しくない人など)は、ほとんど聞いたことがない言葉が多く、何の意味か分からないことが多いはずです。
TVやマスコミで取り上げられて、初めて広がっていきます。
JK(女子高校生)やKY(空気が読めない)などもそのひとつです。
クドクドと文章で書く必要もなくひと言で考えが伝わること、関係ない人に見られても瞬時に分からないことなどから、若い人たちに支持されて利用されるようになったのです。
今回のテーマである「俺得」という言葉だけでも、前後の文脈によっては様々な経緯を伝えることもできて、その結果として「誰が得かと言えば、結局は俺が得なのだ。
と締めくくるのです。
簡単な推理小説を解き明かして行くような、楽しみも感じられるようです。
そして、結論を解き明かしていくまでには、「誰が得しているの?」という投げかけもあったはずです。
この問いかけの言葉は「誰得」ということになります。
だから、何かのテーマが提起されて、それについて意見交換があって、その過程で「そんな事をして、誰が得するの?」という質問に対して「俺得」と締めるのです。
「誰得」「俺得」という文脈なのです。
このように、ネットでの会話では、簡便な言葉(スラング)が飛び回り、簡潔に会話が成立しているのです。
逆に言うと、これらのスラングを知らなければ、ネットでの会話に参加できない、未熟だと思われてしまうのです。
相手からは上から目線で見られてしまうのです。
流行りのスラングを知らないと、仲間外れにされてしまうのです。
ですから、ついつい簡単な連絡の文章や葉書を書いても、こんな言葉が出てしまうのです。
ネット用語のひとつである俺得
様々な掲示板で使用されているネット用語は、正確にはいくらあるのか分かりません。
いろんなスレッドが立って、それにつれてそれらの愛好家や専門家が参加して来ると、様々なスラングも生まれるからです。
ネット用語は生き物のように増殖しているのです。
流行ったと思えばすぐに廃れてしまい、また新しいスラングが登場します。
目まぐるしいのです。
このネット用語のひとつである「俺得」も、いずれ新たな言葉に変わるか集約されるかも知れません。
ネットの掲示板の中には、「俺得」はもう古い、と書き込んでいる利用者もいます。
しかし、現在ではまだ利用されているネット用語でもあります。
俺得の意味
では、「俺得」の意味についてまとめてみました。
「俺が得する」の略
ネットで、「(そんなこと)いったい誰が得するんだよ」と投げかけてきた時に、「誰が得するって?そんなことが分からないか?得するのは俺に決まっているよ」と言うことを「俺得」と表現するのです。
また、単に損得の問題だけでなく、好き嫌いの会話にも使う時があります。
何かの話題を取り上げて「こんなもの、好きな奴はいないだろう!」と言うと、「俺得」(自分はそれが好きだ)と答えることもあります。
つまり、権利を主張したり自分の存在をアピールする言葉でもあるのです。
いろんな議論を延々と繰り返した後で、結局最後に残ったのは俺だ、俺に権利がある、俺が一番ということだ、と自分を誇示するのです。
まあわたしの考えでは、古い時代劇で恐縮ですが、水戸黄門の印籠(いんろう)のような感じだと思うのです。
なんだかんだとネットの騒ぎに巻き込まれて収拾がつかなくなった時に、「うるさい、静まれ!いろんな意見が出たけれども、結局は俺が得するだけだから、後はよろしく」と終わってしまうようなものです。
みんなはあっけに取られて、開いた口が塞がらない状態なのです。
問題提起下本人が、強引に閉じてしまう感じです。
自分だけが得をする状況
「俺得」と書き込める人は、偶然にその場に居合わせたわけでもないようです。
あくまでも、結果的には自分が得することを見抜いているはずです。
じっくりと考えてみてから、俺が得していたんだ、などと悠長な事態では無いと思います。
自分が得することを知っていても、あえてテーマとして投げかけて見て、いろんな人の意見を集めて議論させて置いてから、実は「俺得」なんだとするのです。
ある意味、確信犯なのです。
「俺得」は男性が使う言葉ですが、女性の場合はというとやはりありました。
「私得(わたしとく)」です。
「俺得」の女性版です。
誰の得にもならないようなこと(誰得)でも、わたしには得になる(私得)という時の表現です。
「俺得」も「私得」も、誰も得にはならないことだという議論の中でも、俺だけが(わたしだけが)得になると言う意味で使われることもあります。
自分も含めてここにいるみんなが得になる(皆得)という言葉に対して、「そうではないよ、俺得だ!(自分だけが得するがみんなは得しないよ)」と否定するのです。
キッチリと得するのは自分だけだと言い切る時も使うのです。
自分はそれが好きである
「俺得」という言葉には、先ほどのように「俺だけが」という意味があります。
みんなとは違うんだと区別をしてほしい気持ちも表現されているのです。
みんなの意見にあえて逆らって発信することです。
例えば、ある掲示板で外国のいろんな料理の話しになった時に、どこの国のあの料理は絶対に不味いし日本人の口に合わない、という料理の話題が出ました。
参加した仲間の中からは、あそこのレストランで試しに食べてみたが、やはり不味くて食べれなかったわ、臭いがきつくて食欲が落ちたの、とかさんざん悪口が続きました。
そんな時にある人が、「しかし、あの料理はスパイスが独特で俺得!」と書き込んだのです。
ここでいう「俺得」とは、みんなが嫌いと言うけれども、俺は好きだよ、と好きなことを強調したのです。
このように、多くの人が嫌だとか興味ないと否定した時に、俺だけは好きだよと肯定する意味もあるようです。
文脈の中の話しの展開を掴めば、すぐに理解できる言葉でもあります。
少なくとも俺が得をするという意味
「俺得」という言葉には、少なくとも俺は損をしないという意味なのです。
「自分だけしか得をしないので、他の人が得をすることはない」とか「みんなも得をするが、自分ももちろん得をする」、さらには誰が得をするのか分からなかった時に「結局得をするのは俺だよ、分かったか!」と自慢する時など、様々なバリエーションがありますが、自分が損をすることはないようです。
俺が得をするのか疑問に思われていても、「俺得」と宣言すると少なくとも俺が得することを意味しています。
気持ち的には、やや余裕がある時に使う言葉のようです。
ちなみに、自分も含めてみんなが得すると思った時には、「皆得」という表現になるのです。
俺得は派生語
「俺得」という言葉が出る時には、その前に「誰得(いったいだれが得するの?」という疑問があったはずです。
その疑問に答えるように、「俺得(実は俺が得するんだ)」となったのです。
なので、「俺得」は「誰得」の派生語という訳です。
同じくネット用語の「誰得」
本来は、「誰得」という疑問のネット用語から始まったのです。
世の中は分からないことだらけです。
マスコミを通じていろんなニュースが流れてきますが、中には「これはどういう意味なのかしら」「こんなことをやって何の意味があるのかしら」という素朴な疑問を持つことも多いはずです。
例えば、最近パワハラやセクハラの告発が増えてきました。
あの映画でお馴染みのハリウッドでも、セクハラ騒動が起こりました。
なんでも有名なプロデューサーが何十年もの間に女優のセクハラ行為をしていたことが発覚したのです。
多くの女優さんがSNSで告白するようになったのです。
映画界だけでなく政界や経済界、スポーツ界まで巻き込んで大変な騒ぎになりました。
日本でも、スポーツ界でのパワハラの告発も見られました。
こんな騒動のニュースを見ながら、「何でいまごろこんなことを告白するのだろう」という疑問からが始まり、様々な人が意見を書き込むようになりました。
そのうちに、告白したある人物を取り上げて、「こんなことをして、誰が得をするのだろう」という疑問が湧九のです。
すると「この告白で、誰得?」となるのです。
告白したり告訴したりと目まぐるしいのですが、結局のところ誰が得をして、逆に誰が損をするのかがハッキリしない時が多いようです。
真実の闇は深いようですが、ネットでも「なぜ今頃になって、こんなことを告白するのか分からない」という意見も多いようです。
そこで、ネットに「誰得」と書き込んで理由を知りたいのです。
「誰が得するんだよ」という意味
「誰得」とは、漢字の通りで「誰が得するんだよ」という意味です。
損得がハッキリと分かる場合には使いませんが、どう考えても分からない時に「だれか、わたしに教えて!」と呼びかけるのです。
人気俳優や話題のタレントの不倫が発覚したけれども、その後なぜそんなコメントを発信するんだろうとか、なぜ雲隠れするんだろうなど、行動がよく分からない時があります。
それぞれの行動には意味があるはずですけど、それがわたしたちには理解できないのです。
そんな恋愛事情に興味がある時に、芸能雑誌を読んでも分からないしネットでも出ていないこと、つい「あんなことして、誰得?」と聞いてしまうのです。
人間は、得すると考えるから行動に移すはずです。
あえて損を覚悟で株を手放したりしますが、普通なら損得を考えているはずです。
でも、誰が得するか分からないことが多くて、スッキリしないのです。
スッキリしない人は、誰か教えてよ!と「誰得?」を連発するようです。
そんなもの、と低評価している状況
損得が分からないということと、もうひとつ「そんなことをして、何の意味があるの?」とか「そんなことをして、誰のためになるの?役に立つの?」という素朴な疑問も湧くことがあります。
得をするという以前に、何の役に立つのという不思議な疑問です。
先般、あるTVの情報番組で、餃子の売上ランキングと称して全国の都道府県の売上高順位を発表していました。
どこの県が一番餃子を購入しているかが分かるのですが、これを見ていた友人が「これって誰得?」餃子を販売している業者は、どこに売りに行けば売上が増えるかが分かるのでしょうが、一般の人にとっては「あっそお~」で終わってしまうのです。
売上一位になりたいと頑張っている人もいるとは思いますが、一時の話題だけでわたしたちには何の役にも立たないのです。
そんなもの、と低評価するようなことに対して「誰得?」とツッコミを入れる時にも使うのです。
ここから「誰得」が生まれる
もともと、掲示板などに誰も必要としないような無意味な情報が書き込まれたときに、それに対してツッコミを入れる時に使われるのが「誰得」なのです。
そんなもの、誰が利用するんだ!とか何の役に立つんだよ!などと反論するのです。
このように、意味があるのか、誰が得するのか分からない時に「誰得」と書き込みますが、それ以外にも得しないことが分かっていてもついやってしまって、自嘲ぎみに自分で書き込むこともあります。
音楽好きな友人が、高性能のステレオセットを注文したのですが、さらにスピーカーについては高低音領域の音がしっかりと再生できる機器を付属にセットしたのです。
ボリュームを上げても音の質は変わらないような性能だと自慢していたのです。
しかし、現物が届いて自室に設置したのですが、そのアパートでは大きな音を出すと苦情が出てきて、結局は小さな音だけで聴くことになったのです。
彼はネットで「高性能のスピーカーを搭載したが、誰得仕様になりました」とガッカリしていたようです。
そのスピーカーの性能を活かしきれない環境だったのです。
自嘲気味に「誰得?」となりました。
本当は自分が得するはずだったのに、投資が無駄になって心が折れたのです。
「誰得?」と尋ねる以前に、「俺得」でなかったと告白しているのです。
このような使い方もあるようです。
セットで使うこともできる
もともとは、誰も必要としないような無意味な情報に対して、ツッコミを入れる時に使われていたのです。
ニコニコ動画でも、意味不明な動画や無駄に高品質な動画などが掲載されたときに、そんなの必要ないだろうと「誰得」とツッコむのです。
しかし、そんなものにも興味を持っている人は、さっそく「俺得」(俺はけっこうすきだよ)と返すのです。
つまり、「誰得」にたいして「俺得」となって、これらはセットで使われることが多いのです。
「誰得」という疑問の前に、「何得」(こんなことして何の得があるんだ)というスラングもあります。
「誰得?」→「俺得!」
百個ものフィギュアを集めているという友人の家に仲間数人で出かけました。
部屋の中には、書庫やらフィギュアケースの中までいっぱいにアニメフィギュアが並んでいます。
もちろん、壁にも天井にもアニメ主人公の美少女のポスターが貼ってあります。
友人のひとりが「おまえは本当にアニメが好きなんだなあ。アニオタなんだ。」「ところで、このフィギュアは役に立つの?誰得?」と聞いたところ、本人は「俺得」と答えたのです。
そして、そのフィギュアを始めてみた友人は「俺得!」(俺も好きだ)と目を輝かせて叫びました。
フィギュアを集めている友人は、アニオタでアキバにも良く出かけるし、イベントにも必ず参加するそうです。
フィギュアを眺めていると、現実の嫌なことを忘れて気持ちが落ち着くそうです。
心を癒すためにおおいに役立っているそうです。
そういう意味では、大いに役立っていることから「俺得」になるのです。
始めてみたもう一人の友人は、美少女のポスターを目の前にして、アニオタの仲間入りをするかも知れません。
心を奪われてしまったので「俺得」(俺もアニメが好きになってしまった)となったようです。
その他の「◯得」
「俺得」や「俺得」と同じように「何得」(何に役立つの?)とか「私得」(女性が使うスラング、わたしが得するの)などもあります。
俺や私以外にも、みんなが得するという意味の「皆得」もあります。
「何得」
ある地方都市で、山からイノシシが時折出没する地域がありました。
イノシシも子供の頃はうり坊と呼ばれるくらい可愛いのですが、大きくなると獰猛になって畑の農作物を食べつくすので迷惑なのです。
さらに、季節によっては気が荒くなって、人に危害を加えることもある動物なのです。
しかし、そんなイノシシに餌付けをする人が現れたそうです。
ハトに餌付けをして近隣に迷惑をかけた人のニュースもありましたが、こんどはあのイノシシなのです。
このニュースを家族で見ていた時に、娘がひとこと「何得?」と聞いたのです。
確かに、イノシシを繁殖させて金儲けをするわけでもなさそうです。
単にイノシシに餌を与えて楽しんでいるようです。
そのイノシシが子供ずれであったので、食べるものを分けてあげたいという優しい心遣いかも知れません。
しかし、その人が24時間監視しているわけでもなく、街中ですから夜間に帰宅する人を襲うかも知れないという危険があるのです。
それも無視して餌付けをするとは、本当に「何得?」となってしまいます。
おもしろ道具展に出かけると、この道具は何に使うのかな?とかどのように使う道具なのかな?などと、首をかしげるものも少なくありません。
そんな道具を手に取って「何得なの?」となるのです。
「私得」
女性もトークに参加します。
観光地のお土産を数人の友達と選んでいた時に、派手なタオルを見つけました。
そのタオルには「魂」とか「根性」とか「情熱」などの大きな文字が赤いインクで書かれているものです。
まるで受験生やスポーツ選手が頭に巻くような感じです。
「私の彼氏には似合わないわ」とその派手さに敬遠していたのですが、ひとりだけは「私得」と言って購入したのです。
彼氏を驚かせたいので、気に入ったそうです。
みんなは敬遠するけれども、わたしは大好きということです。
男性の「俺得」に対して女性は「私得」と言うのです。
俺得の使い方
「俺得」には、「得するのは俺だ」という意味と、「みんなと違って俺は好きだ、支持する」という意味があります。
俺得動画
ネットにアップされる動画には、普通の神経では理解しがたい作品も多いのです。
「いいね」クリックだけを狙っているのか、見る人に何かを訴えたいのかが分からないものもあるようです。
こんなくだらない作品なんて、作るのももったいないと思えるものまで、たくさんあります。
ほとんどの人が評価しない作品でも、「俺得」と書き込む人もいます。
つまり、他人がどのように評価するかは知らないが、少なくとも自分は評価するよというタグなのです。
その動画に出会った時には「俺得動画だ」と支持するのです。
特に、その動画を評価するどころか。
大多数の人が批判さえするような動画でも、自分はこの動画には高い評価をつけるとあえて表明する時に、「俺得動画」と宣言するのです。
完全に俺得
仕事の帰りに仲間3人で、いつものように行きつけの居酒屋に直行しました。
当日は混んでいたので、丸テーブルで相席になりました。
すると、相手も若い女性の3人組でした。
酒のせいでその女性達と仲良く飲むことになったのです。
話しが盛り上がったところで、たまたま出身大学の話しになると、何とその女性たちはわたしの大学の後輩達だったのです。
女性の方も大喜びで、そこから先はわたしの話で持ちきりでした。
次回もまた合流する約束を取りつけて気分も最高です。
今日の居酒屋は「完全に俺得」だったのです。
俺得でしかない
友人から急に合コンに誘われた。
なんでも、彼に急用が出来てしまってどうにも男性の人数が不足するためとのこと。
彼が企画したので、合コンを止められないらしい。
イヤイヤ出かけたのだが、私を含めて男性は4人で女性も4人です。
他の男性達の顔を見ると、知っている人ばかりで、しかも既婚者ばかりです。
独身の男性は、わたしただ一人ということ。
相手は若い看護士さんのグループです。
これは「俺得でしかない」。
〜なんて俺得だわ
サッカー場のアルバイト募集に応募した。
サッカーが好きなので、どんなところに回されても、バイトを楽しもうと考えていました。
当日サッカー場に着くと仕事が割り当てられたが、なんと好きなチームのロッカー出入り口の監視役だった。
不審者や無謀なファンが近寄らないように監視するのだ。
もちろんロッカーに出入りする有名選手もまじかに見れるし、可愛い女性ファンから選手へのプレゼントも預かったりと、楽しいことだらけ。
「こんなバイトなんて俺得だわ」
それなんて俺得?
わたしは大学でバドミントン部で頑張っている2回生です。
もうすぐレギュラー入りして対外試合にも出場できるレベルです。
ある夏休みに練習に出かけたら、コーチから呼ばれた。
何かと思ったら、そのコーチが指導している付属女子高のバドミントン部の、本日の指導を交代してくれとのこと。
私用でできなくなったらしい。
わたし一人でも大丈夫とのこと。
入場許可証も貰って行くことになったのだが、20人ほどの女子部員を自分一人で指導するとは、それなんて俺得?
俺得過ぎる
暑い夏の昼に、冷たいドリンクを飲もうと自販機の前に立った。
飲みたいドリンクを決めて、コインを入れてボタンを押すと、ガシャガシャと連続音がした。
不思議に思って下を覗くとなんとドリンクが2本も落ちていたのです。
1本分のお金で2本もゲット。
これって「俺得過ぎる」
俺得なガチャガチャも登場
誰得?!俺得!!シリーズのガチャガチャも販売されています。
「誰得?!俺得!!シリーズ」
「誰得?!俺得!!シリーズと言っても、バラエティーに富んだ商品が販売されています。
キャリアーとスーツケース、素ボディーとバイク、机と椅子など、各種人気商品が通販でも購入可能なのです。
俺得の使い方はこれでバッチリ!
ネット用語から派生した「俺得」は、様々な場面で使用されています。
もちろん、「俺得」と書き込むまでには、いろんなスレでの問題提起や会話が必要ですが、自分の意見を端的に表現する時にも有効に使える言葉です。
みんなが反対意見を出したり批判が続く中で、俺はそうは思わない、この意見を評価する、この意見が好きだという意思表示が「俺得」なのです。
単に損得だけでなく、「気に入った」と宣言できるのです。
いろんな情報が錯そうしている現代では、考え方も表現方法も多様化しています。
誰の役に立つの?と首をかしげることも多いのです。
そんな時に「俺得」と宣言してみたいものです。
このように「俺得」という前には、「誰得?」というスレが立っているはずです。
そのスレに納得させるような答えを持って「俺得」だよと締めるのです。
慣れれば、すぐにでもトークに割り込めます。