時々爪を噛んでいる子供を見かけることがあります。
先日も、近くに住む人がよく遊びに来る公園で、ベンチに座って爪を噛んでいる子供がいました。
年の頃なら4~5歳くらいと思います。
その子は両親と子供ふたりの4人家族のようです。
その近くで両親はもう一人の子供と追っかけっこをして遊んでいました。
お父さんが座って爪を噛んでいる子供に、こっちに来て一緒に追っかけっこをしようとしきりに誘うのですが、首を横に振って嫌だと答えているのです。
お母さんが「あの子は何か気に入らないことがあるのかしら」「爪を噛む癖が直らないようだし」と心配しているようです。
子供の爪噛みは、神経性習癖(しんけいせいしゅうへき)と呼ばれていて、欲求不満や愛情不足などの子供なりの精神的なストレスを感じた時に、その不安を和らげるためについ噛んでしまうようです。
何かをして気を紛らせているのです。
子供のストレスとは、親からの厳しいシツケや兄弟のうちの一方に愛情を注ぎ過ぎて不公平に感じる時、引っ越しや入園・入学で環境が変化した時、さらには幼稚園や保育園で嫌なことが会った時など、様々な要因が考えられます。
先ほどのベンチに座って爪を噛んでいた子供は、兄弟に対する不満が溜まっているのかも知れません。
大人になってもなかなか直らない癖があります。
貧乏ゆすりや指や首の関節をボキボキと鳴らす事、女性ならしきりに髪の毛をいじる事などです。
自分では意識してはいないのですが、人前で繰り返していると目についてしまいます。
初めて集まったメンバーでの会合の時に、静かに開始の時間を待っている時には余計に目立ってしまうのです。
もう一つの癖は、爪を噛むことです。
特に、成人の男性がみんなの前にも関わらず、モクモクと爪を噛んでいる姿は、参加意欲がないようにも見えてこちらのテンションも下がってしまうのです。
大人が爪を噛む時には、やはり精神的に不安を感じている時なのです。
イライラしている時、情緒が不安定な時、やることがなくて手持ち無沙汰な時、ちょっと緊張している時、何をしたらよいのか分からない時、などです。
爪を噛む行為によって、ストレスを発散させているようです。
爪を噛む癖のある人でも、自分が気に入った楽しいことをしている時には、決して爪は噛まないそうです。
つまり、爪を噛む心理は、ストレスなどの不満と、自分の出番がないという退屈さを感じた時に起こるようなのです。
ミーティングでも、何かの役割を与えて発言の機会を与えると、爪を噛むことは減るはずです。
言い換えると、その人はある意味で完璧さを求める性格のようです。
失敗やミスをすることが嫌で、人に仕事を任せることも苦手なようです。
行動もしっかりとした計画を立ててから行う性格なのです。
そして、自分の描いた通りに進まないと、落ち着きがなくなって自分の爪を噛む行動を起こすのです。
自分の爪を噛む癖を直したい!心理を知ろう
このように、爪を噛む人の心理は、物事が自分の思うように進まず、ストレスやフラストレーションを感じているのです。
まずは、何かに強い不満を感じていることと、それを修正することが難しいと思っているのです。
自分の気持ちの中では、これならこのようにしたら上手く行くはずだという確信を持っているのです。
しかし、自分の考え通りにやらせてもらえないとか、別の人の安易な意見に合わせてなぜ行動しなければいけないとか、フラストレーションが積み重なって行くと、自分の爪を噛んで抵抗を見せているのです。
爪を噛む時点で、かなりの不満のエネルギーが溜まっているはずです。
爪を噛む癖を直すには、爪を噛む人の心理を探ることが大切です。
わたしに任せれば、上手くやってあげるのに、という完璧主義的な考え方があるためで、この意識を上手くコントロールさせてやらないと、爪を噛む癖は直せないのです。
古い研究報告ですが、2015年3月にモントリオール大学精神科のキーロン・オコナー博士が48人の被験者を対象に調査したところ、爪を噛むような自分の身体をいじる行為を繰り返す人は、完璧主義者に多いという研究結果を発表しました。
この中で、「完璧主義者がこういった反復行為を行うのではないかと考えます。
彼らはリラックスしたり、仕事を正常なペースで行うことが出来ないのではないか」と述べています。
しかし、単なる爪噛み行動だけなら、フラストレーションを一時的に発散させて次の建設的な行動の代償行為とも考えられるとも肯定的に話しています。