そして「無能の怠け者」となると、自分で何も判断できない怠け者なので、職場や戦場にいても動けずにオロオロしているだけの存在なのです。
適当に、考えなくても良い仕事(何かを運んだり掃除したりするような簡単な作業)を与えておけば満足しているのです。
「有能な怠け者」にとっては、損にも得にもならない存在なのですが役に立つ場所はあるのです。
1.定義
この「無能な怠け者」は、自分では何も判断ができないし自ら動こうとはしない人間です。
この人には何も考えさせずに、命ぜられたことをそのまま遂行する仕事を与えるべきだというのです。
以前にも紹介しましたが、壊滅していたドイツ陸軍を再建したハンス・フォン・ゼークト参謀長の組織論の中に取り上げられた、4種類の性格の人間の扱い方についての記述です。
それを引用しますと、「有能な怠け者は司令官に、有能な働き者は参謀に、無能な怠け者は連絡将校か下級兵士にすべし。
無能な働き者は、すぐに銃殺刑に処せ」なのです。
「無能な怠け者」は無能なゆえに余計なことはしないしできないのです。
ただ、こちらの指示通りに動くことはできますので、連絡役とか下級兵士としては役に立つのです。
しかし、「無能な働き者」は、自分で適切な判断ができないのに勝手に動くことができるのです。
つまり、生きるか死ぬかの厳しい戦場では、余計なことをされると部隊全体の命取りになりかねないのです。
だから、抹殺しろというわけです。
「無能な」場合は、言われるがままに動くことができる「無能な怠け者」の方が、役に立つことがあるようです。
自分で判断できないし、自ら動こうともしない
「無能な働き者」と異なるところは、自分では判断できなくて自ら動こうとはしない人間です。
「無能な働き者」は、無能だが浅はかな考えでもって自ら行動を起こしてしまうという危険な存在なのです。
企業の中では、利益を無視して言われるがままに販売契約を交わしてしまったり、安いからと言って余計なものまで多量に買い付けてしまったりして、企業に損害を与えるような行動をとるような人間です。
上司に確認することなく、独断で判断してしまい、取り返しがつかなくなってしまうのです。
戦場で同じように独断で行動すると、場合によってはその部隊が窮地に陥ってしまったり全滅する場合も起こり得るのです。
ということは、無能な場合には働き者よりも怠け者の方がいらないことをしでかして損害を被りにくい性格と言えます。
そんな人には、簡単な仕事を振り分けて与えることで対応が可能なのです。
「無能な怠け者」は自分で判断して行動することができない受け身の人間なのです。
2.得意分野
自分で判断する能力が無いので、だれかの指示を待つだけなのです。
ただ、命じられたことはやり抜く意志はあるようです。
命じられたことをそのまま遂行することに適任
戦時中では、部隊の参謀の命令を受けて戦場に伝達に行ったり、戦場を視察して現状を報告するような連絡将校の任務を受けていたようです。
いつ命を落とすかも分からない戦場に、命令に従って進んで行く仕事は、無能なゆえにできる仕事でもあったのです。
ルーチンワーク
現代では、指図通りに行う軽作業を行ったり、流れ作業の中の一作業員として活躍できるのです。
考えずに繰り返し行うルーチンワークなどは適任とも言えるのです。
常にコツコツ
無能なので自分の行動に疑問を挟む余地もなく、ただ言われたことを常にモクモクと行う能力を持っているのです。
有能ならばいろいろと考えて改善をしたり手順を変更したりと、チャレンジすることがありますが、無能ゆえにモクモクと作業ができるのが特徴です。
バランス良く進めよう(まとめ)
今回は「怠け者」の考え方について書いてきました。
「怠ける」とは、日本人的にはやるべきことをしないで放置するような悪い印象のことばなのです。
「あの人はよく怠ける」と噂されると、真面目ではないこと、ふしだらであること、いい加減であることと、ネガティブなイメージでとらえられるのです。