「有能な怠け者」という存在が注目されています。
有能であるが怠けて仕事をするのですが、具体的にはどのような性格なのでしょうか?
有能な怠け者とは!?
「有能な怠け者」に対して「無能な働き者」という言葉もあります。
この場合の、有能とか無能とかの意味はどのようなことでしょうか?有能な人や無能な人の条件を詳しく比較しながら、今回のテーマである「有能な怠け者」について考えてみました。
では、その前に「有能な人」の特徴について見てみました。
有能な人は、自分にとって何が一番重要なのか、そして自分が所属しているチームにとって、何が一番重要なのかを理解する判断能力が優れているようです。
重要性について、キチンと優先順位をつけていることです。
優先順位を守って順に行動するのです。
また、自分が置かれた立場を認識していて、環境の変化を敏感に読み取る能力にも優れています。
この能力が高いから、優先順位も正確に判断できるのでもあります。
さらには、優先順位に従って行動するのですが、自分の能力も正確に理解できているのです。
ここではこの技術を、あるいはこの経験を活かしてこうすれば上手く行くという予測もできるのです。
だから、自信を持って行動できるのです。
逆に、ここを間違えて行動すると、大きなリスクを負うことになるという経験則も持っているのです。
だから、大きな失敗やトラブルは回避できるのです。
このほかにもいろいろと特徴があるのですが、こんなに有能な人が怠けるとはどのようなことでしょうか。
「怠ける」とは、すべきことをしないで無駄に過ごすことです。
すべきことをしないで、それ以外のことを全力でやっても、やはり怠けていると言われます。
つまり、能力があっても、すべきことに力を入れないで見過ごすことも怠けているのです。
では、「有能な怠け者」ということは、何かねらいがあって敢えてすべきことを避けているということでしょうか?あるいは、すべきことを誰かにやらせているということなのでしょうか?
すべきことを他人にやらせておいて、しっかりと自分の成果に仕上げることなのでしょうか?
なんとなく「有能な怠け者」の姿が見えてきたようですが、このあたりをもう少し詳しく調べてみました。
1.定義
戦時中のドイツ陸軍を再建したハンス・フォン・ゼークト総軍参謀長は、人を見る目が非常に肥えていたいた人です。
軍の組織力を高めるために自ら考えていた組織論は「ゼークトの組織論」として注目を浴びました。
その一節を紹介しますと、
①「有能な怠け者」は、有能であるので事の是非の判断をすることができる。
そして、怠け者であるがゆえに他人を用いて任せることもできるので、上に立つことができる人間である。
②「有能な働き者」は、事の是非を判断することはできるが、働き者であるが故に他人に任せることができない。
つまり、上に立つよりも参謀として補佐する立場が適当である。
③「無能な怠け者」は、自分で判断ができないし、自ら動こうとはしない人間だ。
そこで、命じられたことをそのまま遂行する立場が適任である。
④「無能な働き者」は、自分で適切な判断もできないのに勝手に動く。
これは、余計なことをして迷走する人間である。
組織を動かしていく立場の人間から見ると、これらの4つのタイプはそれぞれ特徴があるようです。
「有能な」人間は、組織のトップに立つか参謀として幹部になれる能力があるのですが、「無能な」人間は、むしろ言われるがままに動くだけの「無能な怠け者」の方が管理しやすいようです。
「無能な働き者」は、目が届かないところで何をしでかすか分からないという不安があるようです。
これらをまとめると、「有能な怠け者」というのは、やるべきことを他人に任せることができる人間であると言うことです。