これは2006年に学生たちに対して行った実験で明らかになりました。
絵とその画家の名前を見せて、画家の作品スタイルを覚えさせるという実験で、ブロック学習を行わせるチームにはAさんの絵を連続で見せ、次はBさんの絵、という形で記憶してもらいました。
一方ランダム学習を行わせるチームには全ての絵をシャッフルし、ランダムに見せていきました。
こうしたところ、後者のランダム学習をしていたチームの方が画家の作品スタイルをよく記憶していたのだといいます。
ひたすら反復するブロック学習よりも、ランダムに学習するインターリーブ学習の方が効果があったというのです。
ひとつずつ順番に覚えていった方が効率が良い気がしてしまいますが、実際にはランダムの方が印象に残りやすくなるようです。
ポモドーロ・テクニックといって、人の集中がもつ25分をめどに短時間でひとつのことを作業し、25分たったら5分ほど休憩して違うことをまた25分行う、というやり方があります。
こうすることで常に高い集中力を保ったまま作業を行うことができます。
25分たったら途中でも切り上げるようにします。
キリが良いところまで25分過ぎても継続して作業を進めてしまうよりも、途中でやめた方が記憶に残りやすくなります。
これには心理学で『ツァイガルニク効果』という名前がついています。
中途半端に終わってしまうと続きが気になるので、印象に残りやすくなるというわけです。
ただ繰り返してメモを見返すだけでなく、25分以内にメモはランダムにして見たり、名刺を見て記憶を思い返すだけでなく全く別の作業と交互にやったりと、工夫をしてみましょう。
5.似ている人を探し、印象深くする
単純に繰り返すだけではなかなか覚えられないので、やはり物語をつけたり背景を考えたりと想像を広げて少しでも覚えやすくすることがおすすめです。
名前や顔、趣味や口癖などの得られた情報を元に、似ている人を探してみましょう。
自分の中に既に蓄積されている情報と関連づけることで、記憶に残りやすくなります。
芸能人
「芸能人のあの人に似ているな」と思ったら、それを紐づけする手がかりにしてみましょう。
自分にしかわからないような、そこまで芸能人にそっくりというわけではないという場合でも、自分がその人のことを記憶するためには十分な手がかりになります。
また、本当に似ているなら他の人と話すときに、「芸能人のあの人に似ている人だよ」と言えば「あぁ、あの人か!」とすんなり伝わるという利点もありますね。
御本人に「芸能人のあの人に似ているって言われませんか?」と話題を投げかけてみるというのも手かもしれません。
「よく言われるんですよ」「一度も言われたことないですよ?!」と、どちらにしろなんらかの話題には発展するはずです。
似ていると言われて嫌な芸能人というのでも無い限り、相手の機嫌を損ねることも少ないはずです。
友達
芸能人でなくても、自分の友達や家族、親戚などでも構いません。
高校時代の古文の先生に似ているな、などでも良いでしょう。
相手との関係性にもよりますが、「実は自分の友達にちょっと似ていて、勝手に親近感を抱いてしまいます」なんて言ってみるのも良いかも知れません。
「友達に似ている」「弟に似ている」とだけ言われても相手も反応に困るかもしれませんが、「だから親しみがわきます」と言われたら悪い気はしないはずです。
「古文の先生に似ている」と言われて「実は古文ではなくて数学ですけど、教育職員免許状を持っているんです」なんて回答が返ってくる可能性だってあります。
相手のことが覚えやすくなりますし、ふたりきりになったときの話題も広がります。
もちろん、言えないような場合でも相手に言わず自分の中だけで目印にしておけばそれでOKです。
顔や雰囲気だけではなく、名前が似ている、話し方が似ているというのでも良いですね。
6.興味をもつ
とにかくまず、相手に興味をもつことです。
そして、よく観察することが大切です。
興味のない人や興味のないものについて覚えておくというのはどうしても難しいものです。
反対に、自分が興味のあるものは覚えようと努力をしていなくてもいつの間にか覚えてしまっていたということもよくあるはずです。
相手に興味を持つよう努力することから始めてみましょう。
何らかの関心を抱き、記憶に焼き付ける
相手に興味を持ってよく観察してみると、爪をきれいに整えている、いつもパリッとしたシャツをきている、語尾が少し訛っているように聞こえる、などのいくつかの特徴に気がつくはずです。