新年度、クラス替えや転校、新入部、新入社などの様々な局面で、新しく出会う人が増えていきます。

その度に新しく出会った人の顔と名前を覚える必要があるのですが、得意な人と苦手な人とではかなりの個人差が出る部分ですよね。

なにか簡単に覚えられるコツなどはないのでしょうか。

顔は覚えているけど名前が出てこない経験

久し振りに道ですれ違って、あっと思って立ち止まり挨拶はするものの、名前が出てこなくて困ってしまう、ということもあるのではないでしょうか。

会話の中で名前を呼ばなくてはならないような状況にならないように気を使いながらひやひやしてしまうこともあるかもしれませんね。

「自分は物覚えが悪くて……」と、人の名前と顔が覚えられないことを悩んでいる人もいらっしゃるかもしれません。

でもこれは、人間の脳の動きから見て当たり前のことなのです。

実は人の名前と顔を一致させて覚えるということは、思っているよりもかなり難しいことです。

初めて出会う人と出会い名前と職業などの自己紹介をしっかり聞いて覚えたつもりなのに、いざ顔を見た時に職業や人柄、口癖、趣味などの情報は思い出せるのに、なぜか肝心の名前が思い出せないというよくある現象。

これには『ベイカーベイカーパラドクス(baker-bakerparadox,、パン屋のベイカーのパラドックス)』という名前がついていて、心理現象のひとつなのです。

顔写真を見せられて、この人はパン屋(ベイカー)さんの人だというところまではすんなり思い出せるのに、名前(ベイカーさん)が思い出せないという状況を揶揄したジョークから、ベイカーベイカーパラドクスと呼ばれているのです。

人の顔を覚えるのが難しい理由

なぜ人の顔というのは覚えにくいのでしょうか。

実はこれには、きちんとした理由があるのです。

人の記憶というのは手当たり次第脳の中に蓄えられているわけではありません。

人間の知識は一定の規則に則って、きちんとネットワーク状に構築されて記録されていきます。

このネットワークの中で、全ての記憶が同じレベルに記録されるわけではなく、順位付けがされます。

たとえば、「人間」という概念は「生物」の下に位置づけられる概念です。

こうしたルール付けがされているネットワークの中において、個人の名前という情報は他の概念と結びつけがされにくいのだそうです。

1.2つの情報の同時記憶

新しく出会った人のことを覚えるためには、実は「顔」という画像情報と、「名前」という文字情報の二種類を同時に記憶し、結びつけておかなければならないのです。

2.もともと名前は覚えにくい

「あ、この人前に会ったことがある人だな」というのはその人の顔を見てわかってはいるのに、なかなかその人の名前が思い出せない。

誰でも一度や二度は経験があるのではないでしょうか。

これは『名前を覚えていない』のではなくて、顔という画像情報と名前という文字情報が自分の頭の中で結びついておらず、出会って顔を見るという画像情報のトリガーがあっても、連動していないので文字情報が出てこないのです。

単なる文字情報である

元々、画像情報に比べて文字情報というのは、記憶がしづらいものです。

単純に文字情報をずらずらと並べられて暗記するというのは大変ですが、歌になっていたり絵になっていたりすると歌詞や本文も文字だけのときより覚えやすくなりますよね。

音や香り、感情など五感に刺激があると記憶というのはより強く残りやすくなります。

漢字を覚えるときにただその文字を見るのではなくて、手で書き取りながら音読してみるのも、手を動かして口で発生し、耳で聞きつつ目で見るということで様々な方向から自分脳に記憶するようアプローチしているわけなのです。

こうした努力をしないと、文字情報である名前というのはなかなか顔と結びつけて覚えることが難しいものなのですね。

人の顔を覚える6個のコツを伝授

では、『人の顔』=『顔という画像情報と名前という文字情報のセット』を覚えるためには、どういったコツがあるでしょうか。

1.覚えるという強い意志


実はコツというよりも、「とにかく覚えるぞ」という強い意志が一番重要です。

なんだそんなことか! と思われるかもしれませんが、地道にコツコツと、顔と名前をセットで繰り返し繰り返し反芻して覚えることがなによりも近道なのです。

数千人のお客様の顔と名前を覚えているというホテルマンも、覚える方法は「地道に繰り返して覚える」と語っているそうです。

もちろん、やみくもにただ「覚えるぞ!」と思っているだけではなかなか覚えられません。

覚える意志を強く持ちながら、こんなところに注意してみてください。

何も考えずに会わない

ただ出会って会話をして名刺をもらったり名前を聞いたりしただけでは、しばらく時間がたつと忘れてしまうものです。

何も考えずに会うのではなく、まず顔を合わせている間にできるだけ顔と名前の情報を紐付けるようにします。

めがねをかけている、ほくろがある、肌の色が白いなど顔を中心とした資格情報から特に特徴的な部分をとらえます。

歩き方や声の感じ、いつも持っている文房具や身につけている時計など、その人を特徴づけられる部分を探して自分の頭の中に叩き込むのです。

まだ初対面でよくわからないというときでも、「優しそうな人」「細かそうな人」と印象を想像でつけていくのもひとつの手です。

あとあと実はおおざっぱな人だったとわかったら、「神経質そうだと思ったけど実はおおざっぱだったあの人」とより自分の中で強く印象づくことになります。

また、ただ会話をするだけでなく、会話をしている中で相手の顔を見ながら、名前も呼びかけるようにすると良いでしょう。

名刺をちょうだいするときに相手のお名前を復唱しながら相手の目を見るというのも効果的です。

相手の名前を声に出しながら相手の顔を見ることで、顔の資格情報と名前という文字情報が口の動きと耳に入ってくる音とで印象に残りやすくなるのです。

もし相手の名字が少し変わったものだったら、名刺を受け取ったときに「珍しい名字ですね。

どちらのご出身なのですか?」と尋ねてみるというのも良いです。

「○○県では多い名字なんです」「この漢字でこの読み方の名字は珍しいんですよ」など相手も答えてくれて話が広がりますし、記憶にも残りやすくなります。

また、今後のトピックとしても手がかりになるでしょう。

次にお会いしたときに「先日○○県へ行ってきたんです」とお話しすることもできるようになりますし、別の方とお会いしたときに「先日も珍しい名字の方とお会いする機会があったんですよ」「以前同じ名字の方とお会いしたことがあります。

その方は○○県のご出身だったのですが、もしかしてあなたも○○県なのですか?」というような感じで話題のネタにもなりますね。

お別れした後は印象が残っているうちに会話の内容や顔などの特徴などを思い出し、名刺の余白に直接記入したり、付箋紙などを利用したりしてメモを残します。

こうすることで、より記憶に残りやすくなるのです。

定期的にメモを見返しながら顔を思い返して、記憶を固定させるようにしましょう。

人と会う前に記憶スイッチを入れる

相手の名前や顔がどこに記録されるかというと、脳ということになります。

ですが、実は脳の中のどの当たりに記憶されているかというのは未だ確定的な答えが出るには至っていません。

脳というのはとても不思議な器官なのです。

今までの研究で明らかになっているものでは、脳の中のいくつかの場所に分割されて記憶が蓄えられているという学説が最も有効です。

ただ、記憶するにあたって必要な箇所は、脳の中の「海馬(かいば)」という部分であるということは、明らかになっています。

耳の少し上の当たりの内側にある部分で、右側と左側の二箇所にあります。

タツノオトシゴに形が似ているのでこのような名前がつけられたようです。

新しく入った情報はまず脳の海馬に入ることがほとんどで、海馬を通過することで記憶する必要がある情報なのか、そうでない情報なのかが精査されます。

生きていくのに必要な情報だと海馬が判断すれば強く記憶されることになります。

強烈な体験や何度も触れてきた情報というのは、海馬により重要な情報だと判断されて記憶に残るのです。

実はこの海馬はトレーニングで大きくなり、大きい人ほど記憶力が良いと言われています。

これはまだ仮説の段階ですが、海馬を鍛えれば記憶力がよくなると言われているのです。

海馬がないと、新しい記憶を作ることができなくなります。

海馬はあくまでも新しい情報を仕分けするポジションなので、海馬自体に記憶が蓄えられることはありません。

事故で海馬を摘出せざるを得なかった人も、その時点までに得た知識や記憶にはなんの影響もありませんでした。

ただ、新しいことが覚えられなくなってしまいます。

海馬が吟味して記憶するべきと判断した情報は、大脳皮質に保存されます。

何度も復習をすることで、この情報はとても大切なものだと海馬に認識させることでしっかり記憶することができます。

これを復習効果といいます。

記憶が残りやすいように、相手の特徴を掴み反復して覚えよう、とまずはしっかりと意識して記憶のスイッチをオンにすることが大切です。

2.背景を設定する

記憶を根付かせるために、何も考えずに会わないということを先程ご紹介しました。

相手の特徴を見つけてそれと紐付けて覚えるのが良いですが、特徴がうまく見つけられないということもあるでしょう。

そのようなときは、自分で背景を設定してみるという方法もあります。

名前からイメージを膨らませる

相手の見た目などから特徴が思いつかないときは、聞いた名前からイメージを膨らませていきます。

森という名字の人なら、森の中にある丸太小屋にその人が住んでいるというような勝手なイメージでも良いのです。

『森』という文字情報だけで記憶しようとするよりも、突拍子もないイメージでも画像で認識するほうが記憶にとどまりやすくなります。

新垣さんだから新垣結衣さんのニックネームのガッキーと心の中で呼んだり、妹と同じ名前だ、と認識したりというようなことでも良いのです。

川島さんだから川が流れているような涼やかなイメージ、というのでも構いません。

石田さんだから石のように頑固かもしれない、というイメージでも良いです。

もちろん実際とは異なるイメージですが、そうして紐付けたデータとして認識され、覚えやすくなります。

3.顔から受ける印象を言語化


相手の外見をまずはおおざっぱで良いので把握します。

そして、次に相手の顔などから受けた印象を言語化してみましょう。

単純に「良い人そう」と思うだけでなく、「自分のおじいちゃんに少し雰囲気が似ているので良い人のように感じる」といった感じで具体的に言語化してみるとより良いです。

品のある人だ

「雰囲気のある人だな」、と思ったら、なぜそう感じたのか考えてみましょう。

仕立ての良いスーツを着ていて終始にこやかで穏やかな微笑みを浮かべている。

香水なのか、なんだかいい香りもする。

とても品のある人だな、と言語化していきます。

その上で、雑談をしながら「佐藤さんはとても素敵なスーツを着ておられますね」と相手の名前を呼びつつ話を振ってみるのです。

記憶が新しいうちに、実際に相手が目の前にいる間に会話をする度相手の名前をきちんと呼んでみる。

可能であれば自分が抱いた印象を補強できるような情報を引き出してみる、というのがコツです。

スーツの例でいえば、褒められて悪い気がする人はいないでしょう。

たとえ「量販店で買った安物なんです」という答えが返ってきても、「そうなんですか? 佐藤さんのように素敵な着こなし方をすると、こんなに品がよく見えるものなのですね」と返すことができます。

「○○ブランドが好きで最近はずっとここのスーツなんです」と返ってきたら、「そのブランドは自分も好きです」「○○ブランドは恥ずかしながら存じ上げないのですが、どのようなメーカーなのですか」と返せれば話も盛り上がるでしょう。

話が弾んだらお互いに記憶に残りやすいです。

別れた後に名刺につけるメモも、『✕月□日に来社頂いた△△社の佐藤さん』というだけではなくて、『○○ブランドが好きな品のある佐藤さん』という方が、より印象に残りやすくなります。

眉毛が太い

「眉毛が太くてりりしい人だな」と感じたら、これも印象を膨らませていきます。

単純に『眉毛の太い人』ではなくて、『西郷隆盛さんのような太くてりりしい眉、目もぎょろっとしている。

九州男児っぽい雰囲気がする。

犬が好きだったりして?』という感じです。

これも、打ち合わせを終えて帰ろうとエレベーターを待っている間などに雑談ができたら、「失礼ですがご出身はどちらなのですか」と聞いてみるのもひとつの手です。

「えっ、よくわかりましたね。

実は福岡なんですよ」「自分の知っている人とちょっと雰囲気が似ていて、その人が九州の人だったので……」という感じで話をつなげていきましょう。

なにがしかの印象を自分で後付けすることによって、自分の感情を動かして名前と顔とを少しでも紐づけしやすくしていくのです。

4.すぐメモをする

感じたことは、できるだけ早くメモをとります。

議事録をとりながらノートの片隅にメモを取れる状況であれば、相手を目の前にした状態で思いついたことをどんどんメモをとっていきましょう。

その場ではメモができない状況であれば、打ち合わせなどを終えて相手が帰られてから自分の席に戻ったとき、相手の会社から出て公園のベンチで、など自分でできるだけ早いタイミングを作ってメモをしていくのです。

そしてメモをとるということを習慣にしていきましょう。

イメージを忘れないためにも

イメージを忘れないためには、できるだけすぐにメモをとることが肝心です。

相手と別れてまだ時間がたっていない、記憶が新鮮なうちにメモという形で残しておきましょう。

文字を書いてメモにすることで自分が抱いたイメージも整理され、同時に脳の中の記憶も整理されていきます。

人間の記憶というものは案外あやふやなもので、すぐに忘れてしまったり別のイメージと記憶が置き換わったりしてしまいます。

最近では名刺に顔写真がついていることもありますね。

この場合はこの顔写真を頼りに、写真を見ながらメモを整理していきましょう。

もしイラストを描くことが得意な人なら、簡単な似顔絵を書いてみるのも良いです。

似顔絵を描くということは、相手をよく観察して特徴を捉え、それらの情報を簡潔に整理して形にするという作業になりますから、記憶を紐付けるのに良い作業です。

自分で描いたイラストなら自分の記憶を思い出すのに手がかりになりやすく、より覚えやすいでしょう。

メモを見ながら繰り返す

手の空いているときに、名刺やメモを見返しながらその人の顔を思い出すようにしましょう。

何度も思い返すことが、記憶を確かなものにしていきます。

地道に反復学習を繰り返すことが、遠回りなようでいて近道なのです。

また、単純に繰り返すだけでなく「インターリーブ学習法」を取り入れてみるのも良いかも知れません。

「インターリーブ」というのは、もともとはITの用語です。

コンピューターなどが情報などのなにかのデータを処理する際に、同じものを連続で扱うのではなくて、わざとランダムに配置したものを扱うことで性能をあげるというものです。

ハードディスク全体をブロックに分割して、複数のブロックを交互に読み出しや書き出しなどのアクセスをすることで、アクセス速度が早くなります。

計算機科学や電気通信などでも使われる用語です。

これと同じように、人間がなにかを記憶しようというときにも、わざと関連性のないものを混ぜるというのがインターリーブ学習法というものなのです。

これは2006年に学生たちに対して行った実験で明らかになりました。

絵とその画家の名前を見せて、画家の作品スタイルを覚えさせるという実験で、ブロック学習を行わせるチームにはAさんの絵を連続で見せ、次はBさんの絵、という形で記憶してもらいました。

一方ランダム学習を行わせるチームには全ての絵をシャッフルし、ランダムに見せていきました。

こうしたところ、後者のランダム学習をしていたチームの方が画家の作品スタイルをよく記憶していたのだといいます。

ひたすら反復するブロック学習よりも、ランダムに学習するインターリーブ学習の方が効果があったというのです。

ひとつずつ順番に覚えていった方が効率が良い気がしてしまいますが、実際にはランダムの方が印象に残りやすくなるようです。

ポモドーロ・テクニックといって、人の集中がもつ25分をめどに短時間でひとつのことを作業し、25分たったら5分ほど休憩して違うことをまた25分行う、というやり方があります。

こうすることで常に高い集中力を保ったまま作業を行うことができます。

25分たったら途中でも切り上げるようにします。

キリが良いところまで25分過ぎても継続して作業を進めてしまうよりも、途中でやめた方が記憶に残りやすくなります。

これには心理学で『ツァイガルニク効果』という名前がついています。

中途半端に終わってしまうと続きが気になるので、印象に残りやすくなるというわけです。

ただ繰り返してメモを見返すだけでなく、25分以内にメモはランダムにして見たり、名刺を見て記憶を思い返すだけでなく全く別の作業と交互にやったりと、工夫をしてみましょう。

5.似ている人を探し、印象深くする

単純に繰り返すだけではなかなか覚えられないので、やはり物語をつけたり背景を考えたりと想像を広げて少しでも覚えやすくすることがおすすめです。

名前や顔、趣味や口癖などの得られた情報を元に、似ている人を探してみましょう。

自分の中に既に蓄積されている情報と関連づけることで、記憶に残りやすくなります。

芸能人

「芸能人のあの人に似ているな」と思ったら、それを紐づけする手がかりにしてみましょう。

自分にしかわからないような、そこまで芸能人にそっくりというわけではないという場合でも、自分がその人のことを記憶するためには十分な手がかりになります。

また、本当に似ているなら他の人と話すときに、「芸能人のあの人に似ている人だよ」と言えば「あぁ、あの人か!」とすんなり伝わるという利点もありますね。

御本人に「芸能人のあの人に似ているって言われませんか?」と話題を投げかけてみるというのも手かもしれません。

「よく言われるんですよ」「一度も言われたことないですよ?!」と、どちらにしろなんらかの話題には発展するはずです。

似ていると言われて嫌な芸能人というのでも無い限り、相手の機嫌を損ねることも少ないはずです。

友達

芸能人でなくても、自分の友達や家族、親戚などでも構いません。

高校時代の古文の先生に似ているな、などでも良いでしょう。

相手との関係性にもよりますが、「実は自分の友達にちょっと似ていて、勝手に親近感を抱いてしまいます」なんて言ってみるのも良いかも知れません。

「友達に似ている」「弟に似ている」とだけ言われても相手も反応に困るかもしれませんが、「だから親しみがわきます」と言われたら悪い気はしないはずです。

「古文の先生に似ている」と言われて「実は古文ではなくて数学ですけど、教育職員免許状を持っているんです」なんて回答が返ってくる可能性だってあります。

相手のことが覚えやすくなりますし、ふたりきりになったときの話題も広がります。

もちろん、言えないような場合でも相手に言わず自分の中だけで目印にしておけばそれでOKです。

顔や雰囲気だけではなく、名前が似ている、話し方が似ているというのでも良いですね。

6.興味をもつ

とにかくまず、相手に興味をもつことです。

そして、よく観察することが大切です。

興味のない人や興味のないものについて覚えておくというのはどうしても難しいものです。

反対に、自分が興味のあるものは覚えようと努力をしていなくてもいつの間にか覚えてしまっていたということもよくあるはずです。

相手に興味を持つよう努力することから始めてみましょう。

何らかの関心を抱き、記憶に焼き付ける

相手に興味を持ってよく観察してみると、爪をきれいに整えている、いつもパリッとしたシャツをきている、語尾が少し訛っているように聞こえる、などのいくつかの特徴に気がつくはずです。

見つけ出した特徴をヒントに、覚えやすいような『ネタ』を探しましょう。

仕事の話だけではなく、ちょっとした合間やお見送りするときにエレベーターを待っている間などの時間を見つけて雑談してみるのは効果的です。

仕事の話をしているだけでは見えてこなかったその人のキャラクターやエピソードを引き出すことができるかもしれません。

「万年筆を使っていらっしゃるんですね」と筆記用具に注目して話しかけてみると、「文房具が好きなんです」「このメーカーの万年筆がとても好きで」などと返事が返ってくるでしょう。

もしかしたら、「自分もそのメーカーの文房具が好きで愛用しています」「万年筆を使ってみたいと前から思っていたんですが、よかったらおすすめの万年筆を教えてもらえないですか」のように話をふくらませることができるかもしれません。

「○○というメーカーは安価なものもあって初めての人でも使いやすいですよ」など親切に教えてくれたら、単純にアドバイスをいただけることもありがたくて万年筆を購入するのに参考になりますし、万年筆を教えてくれた人、という印象がついて相手のことを覚えやすくなります。

相手にとっても、万年筆のことを聞いてきた人、ということでイメージがついて、印象に残りやすくなった可能性もあります。

訓練しよう

どうしても人の名前と顔を覚えるのが苦手だという人は、時間を見つけて練習してみましょう。

1.第一印象を早く把握する

受けた第一印象をすばやく把握して自分の中で言語化できるように、訓練してみましょう。

たとえば電車の中で座っている時間に、目の前のつり革につかまっている人や向かいの座席に座っている人を見て、特徴をすばやく捉える練習をしてみるのです。

顔のパーツを分析して、タレ目、ツリ目、唇が厚い、薄いなどを判断します。

体型や持ち物、服装なども観察しましょう。

もしその人が知り合いと一緒に乗っていて会話もしているなら、話し方やそのときの身振りなども観察してみるのです。

街を歩いているときにすれ違う人や、コンビニエンスストアで買い物をしたときに接客をしてくれた店員さんなど、普段から特徴を掴むトレーニングをしていくとだんだんと人の特徴を分析するのがはやくなってきます。

自分の中で系統立てて分類できるようになるのでおすすめです。

細かな情報を一早く判断

慣れてくると細かい情報をすぐに識別把握して、一早く判断することができるようになります。

「この人は雑なタイプ」「この人はナイーブなタイプ」と、自分の今までの経験則に従って分類してしまっても良いでしょう。

実際にその分類が合っているのか間違っているのかというのはわかりませんが、この際正しいか間違っているかというのはあまり関係がありません。

自分の中で分類して「この人はこういう人」というラベルを貼ることで覚えやすくできれば良いのです。

さきほどもご紹介したように、イラスト化してみるのも良いです。

似顔絵を描くときには相手の特徴を把握し、デフォルメすることもあります。

簡略化してわかりやすくすることもありますね。

ゲームのキャラクターなどは、目や鼻などの顔パーツごとにいくつか用意してあって、それを組み合わせることで作るパターンもあります。

これと同じように、自分の中で数種類の目や鼻、耳などのパーツを考えて決めておき、それを組み合わせていくと簡単にできます。

誰かと会っている間に自分の頭の中で、簡略化した似顔絵のパーツが浮かぶようになっていくでしょう。

2.外見の特徴を言語化

もちろん、イラストが不得意な場合でも単にぼんやりと相手の顔を眺めているだけではなくて、受けた印象を言葉にして書き留めておくだけでも良いです。

すれ違う人で試してみよう

これも電車の中で乗り合わせた人やすれ違った人などのよく知らない人を見た時に、頭の中で言語化していく練習をしていくようにしましょう。

「背筋が伸びた目鼻立ちの整った人」「白髪交じりで品のあるジャケットをよく着ている人」という感じです。