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ご教示とはどういう意味?使い方や用...(続き3)

宮中や院に仕える女官たちがつかい始めた「女房言葉」というものだといわれており、「おかか」「おひや」「おでん」なども「お」がついていますね。

ただ、ご飯は「お飯」ではなく「ご」がついています。

室町時代には「御(お)」をつけて「お飯(おはん)」と呼ばれていたようなのですが、近世末期に「お」ではなく「ご」にかわり「ご飯」と呼ばれるようになりました。

なぜなのでしょうか。

お酒についても、神様にささげる御神酒を、おみきと読みますがごしゅと読むこともあります。

普段の生活では「お」だけれど、神様に捧げるときには「ご」になる。

ご飯もお酒もお米からできているから「ご」なのでは…?目上の人や親しくない、親しいというのがおこがましい人に対しては「ご友人」、普通に友達を丁寧に言おうとすると「お友だち」のように、ここでも敬語接頭辞が変わります。

神様は自分より上の方で親しいというにはおこがましいので、そんな神様にささげるものは「ご」をつける、という考え方もあるのです。

日本語って不思議ですよね。

これらのことから考えると、音読みである「教示」という言葉には、確かに親しい人というよりも目上の人に話しかける時に使う言葉でもありますし、敬語接頭辞としては「ご」が正しそうです。

「ご教示ください」をもしも、敬語接頭辞は「お」を使いたい、和語で言いたいとなったら、「お教えください」と言い換えることができそうです。

「ご」をつけることで丁寧な言葉に

敬語接頭辞である「ご」をつけることで、丁寧な言葉になります。

目上の人、そんなに親しくない人に対して「教えて」と言いたいときに、「教えてください」「お教えください」では足りないなと思ったとき、「ご教示ください」の言葉が便利というわけなのです。

ただ、日本語というのはなかなか使い方が複雑なもので、単純に敬語接頭辞の「お」や「ご」をつければなんでも尊敬を表すことになるのかというと、必ずしもそうではありませんので、使い方には注意が必要です。

日本には現代ではそうした文化がなくなり礼儀作法というのもだんだんと廃れてきてしまいましたが、そもそもは相手や自分の身分、立場などによって服装や髪型、言葉遣いを使い分けてきた民族です。

先程も少しふれましたが、神様相手なら「ご」のようにちょっとしたところでも使い分けがあるのです。

敬語接頭辞の「お」や「ご」は、元はと言えば漢字の「御」です。

この漢字は、「お」とも「ご」とも読みますよね。

他にもおん、み、ぎょなどの読み方があります。

「お」という読み方については、「大御(おおみ)」がおおむ、おおん、おん、と転じて「お」になったそうです。

相手の会社宛に手紙を書くときなどに「御中」とつけますが、このときの「御」の読み方は「おん」ですよね。

「大御(おおみ)」とは、神様や天皇陛下に対する高い敬意を表現する言葉でした。

服を表現するときも「大御服」と言っていました。

名詞につけて、相手や第三者への敬意を表現します。

また、敬意を払っている相手の持ち物など、その人に関連する物に対しても「お」をつけることがあります。

「お帽子」「お子様」という感じです。

敬意だけではなくて単純に丁寧に表現したいときにも使います。

「お値段」「おしるこ」などが例としてあげられるでしょう。

近代ではあまりないかもしれませんが、たとえば菊さんという名前の女性を呼ぶときに「お」をつけて、「お菊さん」と呼ぶこともありました。

動詞につけられることもあり、「お呼び」「おいでになる」「お世話」「お書きください」などがそうです。

命令表現につけて、少しイメージを柔らかくするためにも使われます。

「お黙り」「お入り」などですね。

この場合の使い方は、命令表現を和らげているだけなので目上の人には使えない「お」の使い方です。

また、謙遜の気持ちを表すときい自分に「お」をつけることもあります。

「お恥ずかしい」「お粗末様です」といった使い方です。

「御」は「ぎょ」とも読まれ、「御意」「御製」のように相手への尊敬の念を表しています。

「ぎょ」「ご」も人の持ち物や物事について敬意を表しながら表現するために使われることもあります。

「御忌(ぎょき)」「御前(ごぜん)」や、上でご紹介した「ご飯」もそうです。

「御両親」「御殿」といった使い方もありますね。