皆さんはちゃんと敬語を使えてますか?

日本人なんだからつまり日本語話者であるわけで、日本語なんて話せて当たり前!というわけにはいきませんよね。

少なくとも義務教育で国語の授業を9年間も受けているわけですが、正直、文法や言葉の正しい意味を辞書などで裏付けて喋っている人はそうそういないのではないのでしょうか。

知っているけどちゃんとは知らない、詳しくは知らないけどふんわりとはわかっている。

そんな言葉は、実は誰しもひとつやふたつはあるのではないでしょうか。

そんな難しそうな敬語から、今回は『ご教示』についてご紹介していきます。

「ご教示」って知ってますか?

「ご教示下さい」や「ご教示願います」など、学生のときにはあまり聞かなかった言葉ですが、就職して会社で働いているとたびたび耳にする言葉ではないでしょうか。

メールで書くことが一番多いかもしれませんね。

ビジネスシーンで頻出!

「コピー機の操作手順で不明な点があるので、使い方をご教示下さい」

何か分からないことがある。

分からないことの答えを教えてもらう。

こんなシチュエーションありますよね。

先輩くらいだとこれほど畏まった言い方はしないでしょうが、上司や取引先などが相手であれば出てくるセリフではないでしょうか。

飲み会に参加するのかしないのか、という程度でも、うるさい上司相手には「ご都合についてご教示いただけましたら幸いです」なんて回りくどい敬語を使わなくてはならないこともあるでしょう。

「ご教示」の解説


「ご教示」ってプライベートではあまり使いませんよね。

町内会や近所の年上の人に対して、「です」、「ます」など言葉の端々の丁寧さは意識しても、がちがちの敬語で話すことはないでしょう。

ほとんどビジネスシーンに限って使われる言葉かと思います。

漢字から見て、「教える」「示す」なわけですから、教えて示すという意味でしょう。

それに「ご」がついていますから丁寧に、要するに「教えてください」という意味だろうというのは、たいていの人が予測をつけられるところでしょうね。

「ご教示」の意味

馴染みがあるようでない、知っているようでちゃんと知らない「ご教示」の意味をゆるく紐解いてみましょう。

「教示」の意味

ではまず、辞書に載っている意味からみていきましょう。

意味はそのまま!教え示すこと

辞書をひいてみると、「ご教示」の覧には『名詞「教示」に、接頭辞「ご」がついたもの。』となっています。

では、「教示」をひいてみましょう。

やはり先程もあげたように、字面通りで「おしえしめすこと」という意味が掲載されています。

これは「きょうじ」という読み方をするのが一般的ですが、「きょうし」と濁らずに読むこともあります。

また、漢字を入れ替えて「示教」と書いた単語も、類語として掲載されています。

こちらの読み方は「しきょう」。

「じきょう」と濁って読む場合もあります。

こちらの意味も教示同じで、「具体的に示しつつ教えること」なのです。

教示の類語としては今あげた「示教」の他に、「指導」「教え」なども載っています。

ちなみに、「教える」と「示す」をそれぞれ調べてみると、「教える」は「1.教育する。2.知らせる」。「示す」は「1.はっきりわかるように見せる。2.指して教える。3.あらわす」という意味が出てきます。

同じ意味や似た意味を持つ漢字を組み合わせた2字熟語だということがわかりますね。

つまり、「教示」という言葉は簡単に言えば「教える」という意味だ、ということになります。

「ご教示」の意味


では、そんな教えるという意味である「教示」という2字熟語に、「ご」をつけて「ご教示」にすることでなにか意味が変化するのでしょうか?

「ご」+「教示」=「ご教示」

教示という教えるという言葉に、「ご」をつけて「ご教示」とすることで丁寧な印象になります。

だから敬語なのだ、失礼がないのだ、というなんとなくの感覚は、みなさんお持ちなのではないでしょうか。

そもそも、「ご」や「お」のような言葉を、正式名称では「敬語接頭辞」と呼びます。

言葉のあたまに「お」や「ご」をつけることで敬語になるというわけなのですが、この「ご」と「お」には使い分けがあるのです。

「お」は日本で生まれた言葉、いわゆる「和語」につけられる敬語接頭辞になります。

日本にもとからあった言葉で、漢字でいうと訓読みのものにつけられます。

「お山」「お父さん」「お天気」「お酒」「お店」「お賽銭」「お年玉」「お知らせ」といった感じですね。

普段意識していませんが、なんとなくても「ご山」「ご父さん」なんて言いませんし、「ご知らせ」も違和感しか覚えません。

「お食事」が「ご食事」はもしかしたら違和感はないという方もいらっしゃるでしょうか。

でも食事の敬語接頭辞は「お」が正解です。

これらは基本的には、日本にもとからあった日本生まれの言葉であると言えるでしょう。

対して、「ご」がつけられるのは漢語です。

遠い昔にお隣の国だった中国から伝わってきて、それが日本語として定着した言葉で、漢字の音読みにつけられます。

「ご教示」もそうですし、「ご利用」「ご立派」「ご卒業」「ご入学」「ご祝儀」などの言葉につけられる敬語接頭辞は「ご」ですね。

とはいえ、先程例にあげた「食事」。

訓読みでしょうか?

これは和語なのでしょうか?

でもお食事といいます。

なぜでしょうか。

漢語であっても、具体的な名詞については「お」がつくことが多いのです。

日常的によく使うような「食事」「元気」「化粧」「電話」などの言葉には、敬語接頭辞として「お」が使われます。

例外なのです。

女性は「ご」よりも「お」を使う傾向があり、その言葉が定着したのだという説もあります。

逆に和語に「ご」がつけられるときというのもあって、「ごゆっくり」「ごもっとも」「ご親切」「ご盛ん」がそうです。

そして、「お」をつけても「ご」をつけても良い言葉というのもあります。

たとえば「返事」という言葉。

「お返事」ということが多いですが、「ご返事」も言いますよね。

「会計」も、「お会計」だけでなく「ご会計」ということもあります。

和語か漢語か、音読みか訓読みかという区別方法なら、「ご」で良さそうなものですが、これはなぜなのでしょう。

男性が本来の使い方で「ご」と言っていたものを、「お」を使う傾向のある女性がその単語を使うときに「お」をつけて使っていて、どちらも浸透したという説が考えられています。

いかにも漢語らしい漢語ではなく、和語として扱うこともできるようなあいまいな言葉だった場合も、「お」「ご」ふたつの敬語接頭辞が用いられています。

日本語としてなじんでいる具体的な名詞の言葉には、「お」がつくことがあるようですね。

馴染んでいる、日常に使われている言葉としては、たとえば食べ物に関する言葉があげられます。

「野菜」「肉」「醤油」「酒」「塩」「味噌」「魚」「芋」「茶」……。

いかがでしょうか。

どれも「お」ではないでしょうか?

はじめに「お」が敬語接頭辞として用いられたのは、室町時代初期頃ではないかと考えられています。

宮中や院に仕える女官たちがつかい始めた「女房言葉」というものだといわれており、「おかか」「おひや」「おでん」なども「お」がついていますね。

ただ、ご飯は「お飯」ではなく「ご」がついています。

室町時代には「御(お)」をつけて「お飯(おはん)」と呼ばれていたようなのですが、近世末期に「お」ではなく「ご」にかわり「ご飯」と呼ばれるようになりました。

なぜなのでしょうか。

お酒についても、神様にささげる御神酒を、おみきと読みますがごしゅと読むこともあります。

普段の生活では「お」だけれど、神様に捧げるときには「ご」になる。

ご飯もお酒もお米からできているから「ご」なのでは…?目上の人や親しくない、親しいというのがおこがましい人に対しては「ご友人」、普通に友達を丁寧に言おうとすると「お友だち」のように、ここでも敬語接頭辞が変わります。

神様は自分より上の方で親しいというにはおこがましいので、そんな神様にささげるものは「ご」をつける、という考え方もあるのです。

日本語って不思議ですよね。

これらのことから考えると、音読みである「教示」という言葉には、確かに親しい人というよりも目上の人に話しかける時に使う言葉でもありますし、敬語接頭辞としては「ご」が正しそうです。

「ご教示ください」をもしも、敬語接頭辞は「お」を使いたい、和語で言いたいとなったら、「お教えください」と言い換えることができそうです。

「ご」をつけることで丁寧な言葉に

敬語接頭辞である「ご」をつけることで、丁寧な言葉になります。

目上の人、そんなに親しくない人に対して「教えて」と言いたいときに、「教えてください」「お教えください」では足りないなと思ったとき、「ご教示ください」の言葉が便利というわけなのです。

ただ、日本語というのはなかなか使い方が複雑なもので、単純に敬語接頭辞の「お」や「ご」をつければなんでも尊敬を表すことになるのかというと、必ずしもそうではありませんので、使い方には注意が必要です。

日本には現代ではそうした文化がなくなり礼儀作法というのもだんだんと廃れてきてしまいましたが、そもそもは相手や自分の身分、立場などによって服装や髪型、言葉遣いを使い分けてきた民族です。

先程も少しふれましたが、神様相手なら「ご」のようにちょっとしたところでも使い分けがあるのです。

敬語接頭辞の「お」や「ご」は、元はと言えば漢字の「御」です。

この漢字は、「お」とも「ご」とも読みますよね。

他にもおん、み、ぎょなどの読み方があります。

「お」という読み方については、「大御(おおみ)」がおおむ、おおん、おん、と転じて「お」になったそうです。

相手の会社宛に手紙を書くときなどに「御中」とつけますが、このときの「御」の読み方は「おん」ですよね。

「大御(おおみ)」とは、神様や天皇陛下に対する高い敬意を表現する言葉でした。

服を表現するときも「大御服」と言っていました。

名詞につけて、相手や第三者への敬意を表現します。

また、敬意を払っている相手の持ち物など、その人に関連する物に対しても「お」をつけることがあります。

「お帽子」「お子様」という感じです。

敬意だけではなくて単純に丁寧に表現したいときにも使います。

「お値段」「おしるこ」などが例としてあげられるでしょう。

近代ではあまりないかもしれませんが、たとえば菊さんという名前の女性を呼ぶときに「お」をつけて、「お菊さん」と呼ぶこともありました。

動詞につけられることもあり、「お呼び」「おいでになる」「お世話」「お書きください」などがそうです。

命令表現につけて、少しイメージを柔らかくするためにも使われます。

「お黙り」「お入り」などですね。

この場合の使い方は、命令表現を和らげているだけなので目上の人には使えない「お」の使い方です。

また、謙遜の気持ちを表すときい自分に「お」をつけることもあります。

「お恥ずかしい」「お粗末様です」といった使い方です。

「御」は「ぎょ」とも読まれ、「御意」「御製」のように相手への尊敬の念を表しています。

「ぎょ」「ご」も人の持ち物や物事について敬意を表しながら表現するために使われることもあります。

「御忌(ぎょき)」「御前(ごぜん)」や、上でご紹介した「ご飯」もそうです。

「御両親」「御殿」といった使い方もありますね。

「御成人」「ご帰国」といった使い方も、よく耳にするのではないでしょうか。

これらの敬語接頭辞は、相手への敬意を表現するために使われるので、相手方の動作につけるものです。

相手から連絡をもらったときに、連絡ありがとうという意味を表現するには「ご連絡いただきありがとうございます」というように、「連絡」という言葉に「ご」をつけるのが普通です。

「ご確認」「ご報告」など、「ご教示」の他にもいろんな「ご」がついた表現を使うことがあるのではないでしょうか。

では、自分がする動作については、敬語接頭辞はつけないのでしょうか。

たとえば「質問があります」と言いたい時に、「ご質問があります」と言ってしまったら変な顔をされるでしょう。

でも、プレゼンテーションなどの場で「提案いたします」ではなくて、「ご提案したします」ということはあるのではないでしょうか。

「報告します」ではなく「ご報告いたします」と使うこともありますよね。

この場合の「ご」は、上で少しご紹介したとおり、尊敬の念ではなくて謙遜の意図を表すためにつけている「ご」になります。

実は国語の専門家の間でも意見が分かれるところだそうで、自分からの依頼については「ご依頼」とは言わないのに不思議ですよね。

さきほどの「ご質問」、「ご質問があります」ではおかしいですが、「ご質問いたします」だとおかしくないような気がしませんか?

「ご~申し上げる」「ご~いたす」という謙譲語の形にあてははまる場合は、自分がする行為に「ご」をつけても、おかしくないというわけです。

「ご教示」の使い方

以上のことを踏まえて、「ご教示」という言葉の使い方について、復習をかねてご紹介していきます。

「ご教示」が使える対象

ご教示」という言葉は、「教えてください」という意味を相手への尊敬の念を表現しながら表した言葉です。

目上の人やお客様など自分より立場が上の人に使うケースがほとんどですので、「ご教示」という言葉を使うなら「ご教示ください」「ご教示いただけますでしょうか」のように丁寧にですます調で使用します。

では、なにを教えて欲しいときに使うのでしょうか。

これは、「これについて教えて欲しいというときにはご教示という言葉は使えない」ということは基本的にありません。

上司と仲良くなって共通の趣味であるゲームの攻略法を教えてほしいというときでも、言葉遣いは丁寧にしたいなら「ラスボスの倒し方をご教示ください!」と言ったってまったく問題はないのです。

ただ、ここでは一般的なビジネスシーンでよくある「ご教示」して欲しい対象についていくつかあげていきます。

知識

相手が持っている知識について教えて欲しいという場合。

「ご教示ください」と使いますね。

先程のゲームの攻略法もいってみればこれにあたります。

相手が知っていて自分が知らないことで、自分が知りたいと思っていることです。

ときどき人に「教えて」ということに問題を感じない人というのがいて、ちょっと自分で調べればわかることでもなんでも人に聞いてきます。

こういう人は、自分で調べるという自分の手間暇が面倒で、わかっている人に聞いたほうが早いと思っています。

それはそれで事実なのですが、聞かれた方は自分の手をとめて、自分が時間やお金を使って蓄積した知識を無料で相手に差し出すことになります。

「いいじゃない、減るもんじゃなし」なんていうのは非常識な人の常套句ですが、違うのです。

減るのです。

教えている間自分の時間が取られますし、たった数分だと思うかも知れませんが、そのたった数分で話せる知識を得るためにはもっと多くの手間暇がかかっています。

だからこそ、教えてくださいというときには相手に対して敬意を払い、丁寧な言葉でお願いをするのが当たり前ですよね。

もちろん、相手が手間暇を厭わず教えてくれたときにはきちんとお礼を言いましょう。

やり方

やり方を教えて欲しいというときにも、「ご教示ください」を使うことができます。

やり方というのも、要するに相手が持っている知識とイコールであるとも言えますね。

先輩に対して「見積もり依頼のやり方を教えてください」というときなどに、もっと丁寧に言いたいと思ったら「ご教示ください」が使えます。

対処法

朝出社していつもどおりにパソコンをたちあげたのに、なぜだかメールソフトだけが起動しない。

パソコンを再起動してみたけれど変わらないので、メールソフトを再インストールして修復を試みた。

でもそれでも起動しないので、もうお手上げ!こんなときは、社内のIT担当者に社内SNSや内線電話などで連絡をして、事情と経緯を説明の上「対処法をご教示ください」となるでしょう。

手順

取引先から、「個人情報などの秘密情報管理について社内で定期的に講習し、その結果をチェックシートにまとめてうちのオンラインサイトから提出してください」なんて依頼がくることもあります。

提出方法についてのPDFも依頼のメールと一緒に送られてはきたのですが、読んでみてもよく理解できないところがあります。

オンラインでの提出に今回初めて切り替わったので、初めてする作業ですから最初のうちにきちんと教わって間違いのないようにしたいとも思います。

そんなときは「オンラインサイトからのアップロード手順についてご教示をお願いいたします」と取引先の担当者にご連絡してみましょう。

内容

お客様からのお電話ですが、担当者が外出しています。

研修に行ってしまったので携帯電話は終日繋がらないことは事前に周知されていました。

お客様はお急ぎとのことです。

担当者に頼んでいたデータがまだ届かないということの様子。

担当である同僚が昨日データが重くて添付で送れないなんて話をしていたな。

データ自体は社内共有フォルダにあるので探せば見つかるから、もしかしたら自分で対応できることかもしれない。

とはいえ、なんのデータなのかきちんと確認をとらないと探しようがない、という時。

「データの内容をご教示いただけますか?」とお客様に聞いてみます。

「お願いしているカタログ用のデータで、うちの社名_ver.1というデータをこちらから送った。

その修正データをバックしてもらえるはずだった」というヒントをもらえたら、「社名_ver」という名前のファイル名を探すことで見つけられそうです。

日程

ホテルの内装のお仕事を受けました。

まだホテルは改装工事中ですが、内装でシャンデリアやテーブルを運び込む必要があります。

クライアント指定のシャンデリアとテーブルを搬入できる経路があるかどうか、エレベーターが使えるかどうかなどを現場に行って確認する必要があります。

そこでホテルの担当の方に連絡をとって、改装工事の会社ともつないでもらい、こちらが現場調査に伺っても問題ない日程を教えてもらわなければなりません。

こんなときは、ある程度工事が一段落ついていて採寸などもできて、電気工事は終わっていてエレベーターも動くようなタイミングなどを調べてもらい、かつ先方の余裕があるような「ご都合のよろしい日程についてご教示いただけますようお願いいたします」とご連絡をします。

「ご教示」の例文

ビジネスシーンで使われる「ご教示」という言葉。

いろんな場面で使われるので、例文は他にもたくさんでてきます。

例文1「待ち合わせ場所についてご教示いただけますか」

上司と明日のお昼に駅で待ち合わせをして、取引先のところへご挨拶へ行くことになりました。

上司は今日は終日外出。

明日も直行です。

東京駅の八重洲口で、とメモが残されていましたが、八重洲口のどこなのかわかりません。

この上司と東京駅で待ち合わせをすることが初めてなので、前と同じところかなというように見当をつけることもできません。

仕方がないので、社内SNSで問い合わせてみます。

そんなとき、「ご教示ください」です。

難しい上司なら、自分は東京駅には不案内なもので、八重洲口のどのあたりが一番よろしいのでしょうか、とへりくだって「ご教示ください」とお願いするのも良いでしょう。

「具体的な待ち合わせ場所についてご教示いただけますか」と、待ち合わせ場所の詳細について確認してみましょう。

例文2「ご提案について、詳細をご教示いただけますでしょうか」

ある展示会に出展する担当になりました。

いくつかの施工業者にコンペ参加依頼をして、昨日プレゼンテーションをしてもらいました。

一社とても良いと思う提案をしてくれた会社があったのでそこに決めたいのですが、社内会議において上司からいくつかその提案内容についての質問がでてきました。

その質問を先方に伝えて、詳細を教えてもらいたいです。

そうした時に、「昨日ご提案いただいたデザインについて、詳細をご教示いただけますでしょうか」と先方の担当者にご連絡します。

例文3「差支えのない範囲でご教示下さい」

出展する展示会で、他の出展社はどんな会社がいるのか気になりました。

展示会が近くなれば、大抵の展示会では公式サイトで出展社一覧が公開されます。

でも社内会議で、同業他社の情報を集めて展示内容はそれによって考えたいという意見が出てきたのです。

どんな会社が何社出るのか、出展内容もわかれば完璧なのですが、展示会主催社でもそんなことは把握していないでしょう。

もし把握していたとしても、公式サイトでまだオープンにしていない情報を教えてくれるとは思えません。

でも、「現時点では10社ですよ」、とか「例年は30社ですね」とか、「去年の出展者一覧なら参考としてデータでお渡しできますよ」など、少しでも情報を貰える可能性もあります。

そんな場合には、「差支えのない範囲でご教示いただければ幸いです」と、相手の立場を慮りつつ、まだ公開できないであろうことは把握しているのだけれど、その上でも知りたいのでというニュアンスを混ぜつつ問い合わせてみます。

例文4「その節は、ご教示くださいますようお願いいたします」

いくつかのバス会社に、社内行事で貸切バスを一日借りたらいくらになるかの見積りをお願いしていました。

一社とても良いなと思うところがあったのでほぼそこに依頼することに決まりかけていたのですが、社長都合で社内行事が延期になってしまいました。

まだいつに延期するかが確定していないので、一旦貸切バスの予約はキャンセルすることになりました。

でも、ルートや時間などいろいろ相談に乗ってもらい、初めての貸切バスを借りる行事ということもあっていろんなことを教えてもらっていました。

また相談をするかもしれませんので、顔はつないでおきたい。

そんなときは「日程が決まりましたらまたご相談させていただくことになるかと思います。

その節は、ご教示くださいますようお願いいたします」とお伝えしましょう。

例文5「ご教示を賜り、ありがとうございました」

先日、取引先の方とゴルフへでかけました。

実はゴルフは打ちっぱなしにいったことしかなく、ゴルフ場へ行くのは初めてで、とても接待ゴルフができるような実力はありませんでした。

でも、先方は「やったことないなら教えるから!」と気さくに言ってくれてでかけることになり、ゴルフ場でもとても丁寧に教えてくれました。

いろいろ教えてくれてありがとうとお礼のメールを送るときは「先日はいろいろとご教示を賜り、ありがとうございました」という感じで使いますね。

「ご教示」の言い換え

では、この「ご教示」は他にどんな言葉で言い換えることができるでしょうか。

お教え

上でもご紹介しましたが、教示は教えるということですから、教えてくださいに敬語接頭辞の「お」をつけて、「お教え下さい」と言い換えることができます。

ご指導

教え導くという意味ですから、「指導」という言葉で言い換えることもできます。

「指導してください」に敬語接頭辞の「ご」をつけて、「ご指導ください」ですね。

「ご指導ご鞭撻の程」と、鞭撻という言葉と合わせて使われることも多いです。

鞭撻とは「べんたつ」と読み、鞭打って強く励ますという意味です。

「今後共ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。」のように使います。

ご指南

「指南」も、教え導くことを意味する言葉です。

指南車(しなんしゃ)といって、中国で昔使われていた方向指示が語源になっています。

指南車は歯車仕掛けになっていて、台車の上に仙人をかたどった人形が乗っていて、指を指しています。

指南車には方位磁針の機能はないので、方位を自分で見つけて指差すことはできません。

指南車を地面において人形の指で南側を指ささせます。

こうして設定が終わった後なら、指南車をごろごろといろんな方向に押し運んでも、人形は最初に示した南の方角をずっと指し示すという仕組みになっていました。

戦のために作られたそうで、指南車が南を指さして教えてくれるというところから、指南が教え導くという意味になったのです。

なので、「ご教示ください」のかわりに「ご指南ください」と使うことができます。

伝授

伝授にも、伝える、教えるという意味があります。

教示に比べると、教えるというよりは文字通り授けるという意味なので、場合によっては教示の言い換えとしてはふさわしくありません。

秘伝や秘法などを師匠が弟子に伝えるときに伝授という言葉が使われます。

中世頃までは、本来は師匠から弟子に技を伝えることは「相伝」といい、伝え受けることを「伝受」といっていました。

一子相伝といった言葉なら、聞いたことがある方もいらっしゃるでしょう。

実は「伝授」という言葉は比較的新しく生まれた言葉なんですよ。