ではどのように使うか、使い方と例文をまとめてみました。
目上や取引先に使う言葉
「痛み入ります」という言葉と「恐れ入ります」という言葉は、どちらも相手の好意に対して感謝を表す言葉ですが、感謝の度合いとしては「痛み入ります」の方がより強い感謝の気持ちだと思ってください。
目上の人や取引先の大事な人に対しては、「痛み入ります」の方があなたの心情がより強く届くはずです。
友人や同僚に使うのはNG
「痛み入ります」は改まった言い方なので、友人や同僚に使うと不自然な感じになります。
親しい人には、「ありがとうございます」とか「恐れ入ります」と伝える方が良いでしょう。
例1:皆様のお心遣い痛み入ります
突然、無理なことを頼んだので、やってはもらえないだろうと思っていたところ、快く引き受けてくれた時にはほっとして嬉しいものです。
そんな気持ちを表現する時にも「痛み入ります」は効果的なのです。
「この度は、突然のお願いにもかかわらずご快諾いただき、誠にありがとうございました。皆様の心遣い痛み入ります。」
例2:御丁寧なことで痛み入ります
これぐらいのことはやってくれるだろうと思っていたのだが、その期待以上に応対してくれたことに対して心の底から感謝した時です。
「ご多忙の折から、わざわざお越しいただきありがとうございました。御丁寧なことで痛み入ります。」
例3:お褒めのお言葉をいただき痛み入ります
尊敬していた人や恩人と慕っている人からの言葉には、心の底から感動する時があるのです。
そんな人からの褒められたことに対して、「お褒めの言葉をいただき痛み入ります。」とお礼を言うのです。
例4:ご面倒をおかけすることになり、痛み入る思いです
目上の人に何かを頼むときには、相手に面倒な思いをさせることを断り、謝意を表します。
つまり、「ご面倒をおかけする」ことになります。
それを快く受けて頂いたことに対して「ご面倒をお掛けすることになり、痛み入る思いです。」と心から感謝する言葉です。
「痛み入る」を使用するシーン
「痛み入る」とは、日常生活ではめったに使わない言葉です。
時代劇の中で、侍が何かの恩義を感じた時に言う台詞のように感じるからです。
この時代の「痛み」とは心の傷みのことを指しているようで、現代風に言い換えると「心の芯がジンと感じるような強い痛み」とでも言うのでしょうか。
そんな気持ちを感じる時に「痛み入る」となるのですが、それを目上の人から感じた時に、「痛み入る(痛み入ります)」と表現するようです。
そして、相手からの好意や親切に対して感謝しつつも、自分にはもったいない事だと謙虚に受け止める時に使うようです。
ビジネスのシーンでは、礼儀正しい印象を与える言葉としてよく使われるようです。
別の表現をすると、「身に余る光栄」なのです。
自分にはもったいないことで、心を強く感動させてくれるシーンとはどのようなシーンなのでしょうか。
取引先にて
ビジネスでは、得意先様との取引に関するシーンに多いようです。
会社の先頭に立って活躍するビジネスマンは、会社の継続的な発展を推し進めていく上から、取引先との円滑なお付き合いが望まれます。
商売の担当者同士では、時にはお互いを思いやる行動も見受けられるのです。
例えば、ある会社の仕入担当部署の事務員からの発注が明らかに発注ミスだと思われたときには、受注した側の担当者がその旨を営業マンに連絡して確認してもらいます。
すると、相手の会社はまったく別の商品を発注していることが判明し、さっそくキャンセルの連絡と本来発注するはずの商品の発注書を送ったのです。
もし、そのままの状態では、違う商品の返品交渉やら余計な送料の発生など、煩雑な処理をしなければならなかったのです。
ましてや、相手の会社も納期に追われることにもなり、お互いが損をする羽目になるところだったのです。
受注した会社がすぐに気が付かなければ、大きな問題に発展したことです。
その時に、間違った発注をしてしまった側の担当者が、相手先の担当者に対してお詫びと感謝の気持ちをメールで伝えたのでした。