「弊社の発注ミスに対しまして、迅速なご対応をいただき感謝しております。貴社のお心遣い痛み入ります。」
結婚式や歓迎会の挨拶にて
小学校の教員をしていたが、その当時の教え子の女の子から結婚式の披露宴の招待状が届きました。
その子が卒業して10年以上が過ぎましたが、お目出度いお招きなので出席する事にしました。
披露宴会場に着くと上座の席が用意されていて、ご両親からもご丁寧な挨拶を受けました。
スピーチも頼まれていましたのでドキドキしながら待っていました。
すると、披露宴前に幼い時のスナップ写真を放映していたのですが、その先生との楽しそうな学校生活の写真が幾度も映し出されました。
その先生が大好きだったようです。
そしてスピーチン垢に、「こんな晴れやかな席にお招きいただき痛み入ります。」と添えたのでした。
日常会話では使用しないのが鉄則
「痛み入ります」という表現は、かなり目上の人に対する形式ばった言い方です。
ものすごく大きな感謝をしているという事ですから、日常会話ではこのような場面はほとんどないと思われます。
親しい人達の間では、使わない方が良いでしょう。
そんな時には、ストレートに「ありがとうございます」というのが一般的です。
日常会話で使うと、なにか嫌味を言っているようにも取られてしまうためです。
「痛み入ります」の返し方
もし、「痛み入ります」と言われたときの返す言葉はどのように言えばよいのでしょうか。
とんでもございません
本当に相手に対して感謝をされるようなことをした時、あるいはそれほどのことをしたとは思わなかっても、相手がその気で「痛み入ります」と言った時には、「とんでもございません」が一般的な返答です。
「大変ご迷惑をおかけしまして、痛み入ります」「とんでもございません」なのです。
関西風では「なにをおっしゃいますやら」なのですが。
「痛み入る」は敬語?
「痛み入る」は目上の人に対して敬語として使われる言葉です。
相手からの好意や親切に対して、自分にはもったいないと感じつつも感謝する言葉なのです。
ありがとうの丁寧語になる
「痛み入ります」とは、心の底から感謝しますという意味の言葉で、「ありがとうございます」の丁寧語になります。
「痛み入る」を使用するときのポイント
「痛み入ります」という表現は、かなり格式ばった言い方なのです。
大事な相手に対して丁重に感謝の気持ちを表現する時に使われる言葉なのです。
だから、親しい仲間や同僚に対してこの言葉を使うことはほとんどないのです。
親しい人から何かを助けてもらった時などには、「サンキュー」やら「ありがとう」ぐらいにストレートに感謝すべきです。
普通の人は、日常会話でも使ったことがないので、いざ言おうとすると舌を噛んでしまいそうです。
羽織袴で直立して話す時のようです。
「痛み入ります」と話す時には、それなりに重大な問題に対応してくれたとか、危機を脱出することができたなどというビジネスの世界のシーンに多いようです。
日常会話では使わない
もし日常生活で使う時があるとすれば、どんなときでしょうか?
今話題の詐欺事件から、自分の高齢の親が大金を奪われる時にそれを事前に防いでくれたとか、幼い子供が自動車事故に遭遇しそうになった時に、身を挺して守ってくれたとか、重大な場面で使うかもしれません。
しかし、その言葉に慣れていないと、とっさには出てこないでしょう。
一般的には、「大変ありがとうございました」と深々とお辞儀をして感謝するのがいいのです。
時には、「余計なおせっかいをしやがって」と怒った時に、皮肉を込めて「ご親切痛み入るよ」などと言われることもあります。