「自分には判断する能力はありません」とか「判断する権限がないのです」などという気持ちで目上の人に「判断」や「指示」をお願いする時に使うのです。
「判断」まではいかなくても、やり方の「指導」を受けたい時にも「仰ぐ」を使います。
「あの人にこの機器の有効な使い方を指導してもらおう」などとお願いしたいときに、「指導を仰ぐ」ことになるのです。
仰ぐは受けるの謙譲語
「仰ぐ」は「受ける」の謙譲語です。
従って、あくまでも目上の人に使う言葉なのです。
「このやり方について、あの先生に指導を仰ごう」というように使います。
しかし、「この道具の使い方について、あの後輩に指導を仰ごう」などとは使わないのです。
この場合には「あの後輩に聞いてみよう」などとなります。
社会的に地位の高い人やその道のベテランの人など、尊敬できる人に対しては「仰ぐ」を使うのです。
2.指示を仰ぐと混同しない
普段よく使う言い方として、「判断を仰ぐ」という言葉と「指示を仰ぐ」という言葉を混同している時があるようです。
「判断を仰ぐ」というのは、ここまでにも説明してきましたが、権限がない自分達で判断できない時に、上司や経験者に判断を委ねることです。
それに対して、「指示」というのは次に何をやるのかという行動に対しての回答なのです。
これをやっておいてと先輩に頼まれてやっていたが、比較的簡単にできてしまったような場合に、次に何かする必要があるのか、もう帰ってもよいのか、など困ってしまいます。
こんな時には「判断を仰ぐ」よりも「指示を仰ぐ」ということになります。
すると先輩が、「じゃあ次はこれをやってみてくれ」などと指示の内容を伝えてくれるのです。
「判断を仰ぐ」場合には、こちら側からやりたいことを提案した時です。
そして、この提案に対してYESかNOを回答するのです。
「指示」と「判断」とは、このように違っているのです。
指示は、作業が終了したり、手が空いている状態で
あるチームは、それぞれに作業を割り振って頑張っていました。
しかし、中には効率よく作業を行って、予定よりも早く完了してしまった人もいたのです。
やることがないので、休憩したり雑談をして時間をつぶしています。
そんな人達は、手が空いてしまっているけれども、次に何をやればよいのか分かりません。
そんな時に、「次にすべきことの指示を仰ごう」と上司に確認するのです。
このように、作業が終了したリ、手が空いている状態で、次にすべき仕事を聞く時に「指示を仰ごう」となるのです。
「次に何をやるか指示してください」ということです。
判断は、作業途中の不明や疑問の確認として
しかし、みんなで手分けして作業をしている時に、例えばこの機械をこのように使えば効率が上がって早く作業ができると分かったりした時に、マニュアルにはない方法を行っても良いのだろうかなどの疑問がわきます。
このように、マニュアルにないような方法を許可するかどうかの判断を仰ぐことになるのです。
また、予期せぬ結果になってしまった時など、このまま継続してもよいのかどうかを上司に判断してもらう必要が起こる時があります。
このように作業途中の不明なことや疑問なことについて、確認する時に「判断を仰ごう」ということになるのです。
3.言い方を変える
どのようなことを誰にお願いするか、どのタイミングでお願いするかなど状況によって、言い方を変えることもあります。
状況に応じてそのまま使わない場合も
「判断を仰ぐ」と言うと、少し仰々しい感じを与えることがあります。
そんな時には、状況に応じて言葉を変える時もあるのです。
上司と部下と、いつも一緒に仕事をしてきた仲間であれば、いくら上司と部下の関係と言えども、少し柔らかな表現で上司に判断をしてもらうこともあるのです。
何かのプロジェクトが完了した時に、職場の仲間全員で食事会をしようということになって、どの店が良いかということで上司に決めてもらうことになったのです。