ある重要な仕事に関して、若手を中心に5名のプロジェクトチームが結成されました。

入社10年目のリーダーを筆頭に、入社4~5年までの若い人が中心で、若者の感性を重要視したからです。

当初の活動期間は1年ということで、その間に何かしらの成果を出すことが目的です。

今の業務とは直接関係はないが、これからの世の中の動きを追いながら、近未来の新しいビジネスを模索するのが目的です。

メンバーの職歴を見て見ると、リーダーは研究職で、若手の研究員が1人と営業マンが2人、さらに企画開発部から1人の計5名でした。

リーダーはある程度は経験が豊富ですが、残りのメンバーはやっと仕事に慣れて来たというレベルなのです。

アイデアと活力だけは人一倍という活発な人間ばかりなようです。

さっそく各自が情報収集に走り、新しいテーマを探すことになりました。

次世代に活用できる商品づくりのアイデアですが、さっそく各自がいろいろと集めてきて、それに関して会議を行うこととなったのです。

フリートーキングで自由に意見を発表して見ると、意外にも多くのテーマが得られたのです。

空想に近いものから現実的なものまで多種多様な意見が出たのです。

その中でも、健康に関するもの、高齢化社会に対応するもの、美容や老化対策に関するものなどに集約することができました。

自社の得意とする製造技術と販売網を考えると、今までにない新しい分野に挑戦してはどうかという意見が集まりました。

その意見についてさらに具体的な調査を行うかどうかについて、リーダーの判断に委ねました。

リーダーとしても予想以上の画期的なアイデアが出たため、真剣に考えざるを得ませんでした。

彼のこれまでの経験と照らし合わせても、これまでに経験したことがないアイデアで、もしも上手く行くと他社に見られない新しいビジネスとして脚光を浴びることは間違いのないことです。

しかし、リーダーは考えに考えても、実行に移すべきかどうか判断ができないのです。

こんな時には、所属長の判断を仰ぐ必要があると思い、所属長のところに直行したのです。

このように、熟慮を重ねても判断しかねるような時には上司に現状を報告して、その意見に対する賛否の判断を仰ぐことになるのです。

この「仰ぐ」という言葉の意味は、「請(こ)う」、「受ける」という意味ですが、これとは別に「尊敬する」「敬う(うやまう)」という意味もあるのです。

だから、「判断を仰ぐ」とは判断できる権限がある立場の人に判断を求めるということなのです。

経験が浅い人が軽々しく判断すべきでないと思った時に、判断をする立場の人に判断を委ねるのです。

「報・連・相」という基本の報告のマニュアルがありますが、この中での「相談」に相当することです。

上司に相談して判断を仰ぐことなのです。

「判断を仰ぐ」とは?

ビジネスのシーンでは、この「判断を仰ぐ」という行為はよく行われることです。

目上の人からの判断を受ける場合や、判断を上司に求める時に使われます。

「仰ぐ」とは、指示などを「受ける」ということですが、もう一つの意味としては「敬う」という意味も含まれているのです。

もしも部下や目下の人間から判断をもらうことになっても、このことを「判断を仰いだ」などとは決して言わないのです。

ビジネスのシーンで、自分はこうしたいと思ってもそれを実行に移す権限がない時には、上司に判断を仰ぐということになるのです。

上司がいなければ、判断を下すことができる権限を持った人に、判断を仰ぐことになります。

先ほど、仰ぐという意味は「尊敬する」「敬う」という意味も含まれていることは書きました。

つまり、尊敬する人に指示をお願いすることでもあるのです。

ビジネス敬語でもあるのです。

だから、「この件は、上司に判断してもらう」などと言う時には、「この件は、上司の判断を仰ぐ」となるのです。

目上の人に判断を求めること、を意味する表現


「仰ぐ」の「仰」とは、音読みだと「ギョウ」「コウ」で、訓読みだと「あおぐ」「おおせ」と読みます。

「仰ぐ」の意味は大別すると3つあるようです。

①上を向いて高いところをみること。

「天を仰ぐ」「大空を仰ぐ」「切り立った崖を仰ぐ」などと表現します。

②人を尊敬する、敬うこと。

「あの人を師として仰ぐ」などとなります。

③尊敬する人からの指示や助言を求めること。

「先生の判断を仰ぐ」「上司の判断を仰ぐ」などとなります。

「天を仰ぐ」のように、下から上を見上げるという好意を表しているので、相手を尊敬するという意味にも繋がるのです。

「仰ぐ」という言葉自体は敬語ではありません。

だからふたりの会話の時に、「あなたの判断を仰ぎます」などとは言いません。

そんな時には「あなたにご判断いただきたく存じます」などと表現するのです。

普段はあまり使わない言葉なのですが、スポーツのシーンで絶好のチャンスを逃してしまった時などに、「絶好のチャンスを逃がして天を仰ぐ選手」と表現するのです。

悔しさをこらえている感情を表現するのです。

しかし、ビジネスのシーンでは上司に判断を委ねる時に「上司の指示を仰ぐ」という表現もよく使います。

ビジネスの世界は、何が起こるか分かりません。

予期せぬことも起こってしまい、計画が大きく変更せざるを得ない状況になったりします。

思わぬ事態に直面した時に、自分の判断で行動するのではなく、経験豊富で決断する立場の上司に指示・決断してもらいたいときに使われます。

チームで考えた善後策についての判断を受けるのです。

「判断を仰ぐ」相手に伝える言葉としては、「この件についてご指示を仰ぎたく存じます」「ご教示ください」「ご指導ください」などの表現になります。

チームの会議で得られた対策案に関して、この対策を実行してよいものかどうかの結論が出ない時があります。

議論ばかりに時間がかかってしまい、このままでは次の行動に移ることができない状況に陥ってしまいます。

そんな時には、「この件は、部長のご判断を仰ぐことにしましょう」などと部長の判断に任せることになったのです。

要するに我々の判断のできるレベルではない。

部長に判断してもらおう」ということです。

自分はヘリ下り上司を敬う気持ちから「仰ぐ」という言葉が出てくるのです。

つまりは、目上の人のご判断に委ねるということなのです。

「判断を仰ぐ」の類語や関連語

「判断を仰ぐ」とは、判断ができる権限や能力を持っている人に判断してもらうことなのです。

「判断を委ねる」「判断を任せる」「判断を一任する」「判断していただく」「決裁を求める」「決裁を仰ぐ」などが類語といえます。

それぞれを解説していきます。

裁量のある人に物事を決定してもらうこと


「判断を仰ぐ」というのは、裁量のある人に物事を決定してもらうことですが、ビジネスシーンでは裁量のある人とは上司や目上の立場の人になります。

「仰ぐ」という言葉には、上を向いて高いところを見上げるという状態を表す意味がありますが、相手を尊敬するという意味もあるのです。

同じような表現ですが、「判断を仰ぐ」と「指示を仰ぐ」という表現があります。

どちらも目上の人に物事を決定してもらうことに変わりはありませんが、若干意味合いが異なっています。

「判断を仰ぐ」は仕事の途中で発見した効率改善の手法や新たな発見による方針の変更などの疑問を確認する時に使います。

「「指示を仰ぐ」とは、作業が予定より早く終了してしまった時とか、余力ができた時などで、次にするべき仕事を聞く時に使うようです。

「手が空いてしまったけれど、どうしよう?」などと問いかけることなのです。

どちらも、目上の人への問いかけを意味します。

決裁を仰ぐ

「決裁」とは、部下が提案した案件を上位者が「その可否を決する」ということです。

簡単に言うと部下が「これを進めても良いでしょうか?」という問いに対して上司が判断するということです。

辞書を引くと、決裁とは「権限のある立場の者が部下の提出した案の可否を決定すること」とあります。

会社で仕事に必要な機器を購入したいとき、新しい企画案や提案などを社長に認めてもらいたいときに「決裁を仰ぐ」ことになるのです。

社長の決裁が下りると、はじめて申請した機器の購入や企画案を進めることができるのです。

決裁が下りた時には、仲間内では「OKが出たよ!」と言って喜ぶのです。

「けっさい」でも「決済」という言葉があります。

これは「決裁」とよく混同されますが、この違いは明確です。

手形や現金などのお金に関する承認を得ることを「決済が下りた」と表現します。

売買取引が完了したことを表すのです。

例えば、何かの仕事に使う機器を購入したいときに、まずは購入しても良いかという決裁を仰ぎます。

社長の判断で購入する方向で決裁が下りた後に、実際の物品の支払いや受け渡しを終えることで決済が完了するのです。

「決済」は売買の取引を終えることなのです。

まとめると、「決裁」とは決定権のある人に案件の可否を決めてもらうことなのです。

「決裁を仰ぐ」と言うのです。

決裁を求める

「決裁を仰ぐ」というのは、部下が提案した案件の可否を決めることですが、上司の主観や事情によって必ずしも優れた案件が通るとは限りません。

以下にこの案件が会社にとって有効なものであるということを訴えるには、決裁を求める資料の添付も有効です。

内容が一目でわかるような簡潔な内容の資料が効果的です。

この提案の背景や有益性など、決裁書とは異なる視点でまとめるのがポイントなのです。

連想される言葉

では次に、「判断を仰ぐ」という言葉で連想される言葉を考えてみました。

判断を仰ぐ場面なのですから、そこに来るまでにいろいろと打ち合わせたり議論したりして来たに違いありません。

そして、これ以上は我々で考えても仕方がないという結論になったはずです。

誰かが、「ここは、上司に判断を仰ごう」という意見を出して、みんながその意見に賛同したと思われます。

どちらかというと決裁を仰ごうというよりも、決裁を求めているような雰囲気のはずです。

集まっている仲間の全員の知恵の結晶とでも言えるかもしれません。

だから、何とか「GOサイン」をほしがっているのです。

最終的なもの

誰かが簡単に思いついたことではないと思います。

時には、何日も議論を積み重ねてあらゆる情報をかき集めた上で出した最終的なものなのです。

その時点では、誰しもそう思っているはずです。

自分達がまだ経験が浅いとか、考え方が幼稚だとかいろいろと問題点もあるのは分かっているのですが、それでもこれがベストだという熱意が込められているのです。

そんな状況では、決裁を求める時には「これが最終的なものです」と自信を持って提出するはずです。

最終的なものと拘っていることは、これで決裁を仰ぎたいという気持ちの表れなのです。

確かになる

自分達で考えた提案は、練りに練ったものであるのできっと決裁が下りるという自信はあるのです。

同じような提案でも、過去には決裁が下りなかったという事例も、仲間の誰かが探し出したようです。

その事例に照らし合わせると、今回の我々の提案とよく似ているということも分かりました。

決裁が下りなかった大きな理由は、時期尚早ということだったようです。

当時の決裁権を持つ役員の誰かが、直感的に不可としたようなのです。

他の役員の中には、非常におもしろい提案だという評価をしていたようなのですが、当時の会社の状況から鑑みて今はまだ早いという結論に至ってしまい、採取的に決裁が下りなかったようなのです。

しかし、今回は当時と違って時期的にはちょうど良いかもしれません。

何とか決裁が無事に下りると、この提案が確かなことだと証明されることでもあるのです。

条件づける

「条件づける」とは 読んで字のごとしで条件を付ける、大枠を決める、制約する、採択するなどの意味があります。

「条件付け」について調べると、犬を訓練する場合に使われる、有名なオペラント条件付けという方法が知られています。

簡単に言うと、躾をしながら言うことをちゃんと聞いた時にはエサを与えて撫でて褒めて、いうことを聞かなかったら叩いて叱るとか、こういう躾の仕方のことです。

エサをもらうために条件付けを覚えることなのです。

こういう内容の提案をすれば、決裁がおりやすい、こういう書き方や資料を作れば決裁者の気持ちを掴むことができるなど、判断を仰ぐ時の条件付けを学ぶこともできるのです。

このような条件付けを意識したうえで、決裁を得ることができるように提案の大枠を決めて、いろんな制約も考慮して、判断を仰ぐことになるのです。

まとめる

「まとめる」とは、バラバラのものを集めてひとかたまりのものにすることです。

あるテーマについてみんなでどうするかという議論をしたときに、参加した人達は様々な観点から意見を出してきます。

本流から外れてしまったような意見やら、突拍子もない意見まで様々なはずです。

簡単なことならワイワイと言いながら話し合いも良いのですが、数億円も必要な重大な事案を議論する時には、そんなに簡単に進むはずはありません。

いろんな立場の専門職の人が集まってきて多角的な面から意見を出し合うのです。

ちょっとした予備検討の段階でも、数百万円もの資金が必要な時もあるのですから、生半可な議論は許されないのです。

そんな重大な会議では、会議の内容を集約して決裁を仰ぐ必要があります。

このような時には、みんなの意見を集約して整理して、しっかりと決裁が下りやすいようにまとめる必要があるのです。

まとめるという時には、必ず決裁が下りるということを前提にしてまとめるのです。

決定を下す

人間は生きていくためには常に何らかの意思決定をしているはずです。

主婦の場合には、今日の晩ご飯は何にしようといろいろとメニューを考えて、その中から一番都合が良い最適なメニューを選ぶはずです。

良い食材が手に入るか、主人や子供の嗜好や時間的なものも考慮して、最終に自分で決定を下すはずです。

会社でも同じことが言えます。

会社を経営していると絶えず意思決定する場面が現れます。

それらの決定を下して行きながら会社は存続することができるのです。

会社の場合なら、資金の運用も考慮することが必要ですし、収益性やリスクも決定を下す時には重要な要素なのです。

使い方

「判断を仰ぐ」という言葉をどのように使うかをまとめてみました。

帰社してから最初にしたのは上司の判断を仰ぐことだった

メーカーの営業マンは、毎日のように得意先を廻って仕事を取ってきます。

いつもの顧客の場合は、欠品していないか、何か不具合が起こっていないか、何か要望はないかなどを聞き取るのです。

普通の注文だけなら、Faxかメールで済むのですが、新しい商品とか不具合が発生した時には、直接確認した方が手っ取り早いからです。

納入先の人とも顔なじみになっているので、言いにくいことでも素直に受けることができるのです。

他社よりも一歩でも早く前に進めておきたいこともあるので、常に前向きに行動するのです。

そんな時に、顧客が大掛かりな仕様変更を考えていることをチラッと聞いたので、その内容について情報収集してきました。

顧客は、自社の得意な分野に資金を投入して事業展開する予定と知って、急いで対応する必要があるのです。

先方の新しい事業への展開は、以前から予想されていたのですが、時期が早まったようです。

そこで、この重要な情報をまとめて、他社に遅れを取らないようにするために、上司に報告する必要がありました。

そこで、帰社してから最初にしたのは、顧客の動向に対する対応についての上司の判断を仰ぐことだったのです。

報告して判断を仰ぐのが筋であろう

ある営業所で使用している営業車が、故障してしまい修理をすることになったのです。

修理には3日間が必要で、その間の営業車を別に用意する必要がありました。

その営業所の事務係の担当者が、気を利かせてレンタカーを予約していました。

当日になって借りた車を営業に使おうとすると、荷物を入れるトランクのスペースが狭すぎて一度に運ぶ荷物の量が少なくなって、営業の効率が悪いことが分かったのです。

そんなトラブルを抱えたまま運用している時に、本社の部長がたまたまその営業所にやってきたのです。

見慣れない車に驚いて営業マンに事情を聞いて、事情を把握したようです。

しかし、そこの営業所長を呼び出して、近くの営業所の車に余裕があって、3日間ぐらいなら借りることができたことも分かりました。

経費を使って車を借りたが役に立たない車であったことと、近くの営業所の車が使用できたこと、そして勝手に判断して行動していたことなどを注意したのです。

まずは、近くの営業所の車を活用することをなぜ考えなかったのか。

しかも、車種を考えずに借りてしまったことなどに触れて、部長は「車が故障したことを報告して判断を仰ぐのが筋であろう」と社員に告げたのでした。

彼は判断を仰ぐような視線を投げかけた

サッカーの部活で頑張っているのですが、最近の猛暑でグラウンドは炎天下の状況です。

こんな中を朝から2時間もサッカーの練習をしてきたのですが、身体に危険な状況になってきました。

そのチームのリーダーは、熱中症の心配もあって、練習を終えてほしいという気持ちでコーチを見ていました。

彼は練習中止の判断を仰ぐような視線を投げかけていたのです。

コーチもその状況に気付いており、みんなを集めて「今日は昼からの練習は中止とする」と告げたのでした。

判断を仰ぐのはいいが、結果は目に見えていた

真面目で仕事を頑張っているのだが、まだ入社1年目の新人がいます。

ある大事なプレゼンがあるのだが、あいにく担当者は急病でしばらく休むことになりました。

プレゼンを誰にやらせるかと考えたあげく、その新人に任せることとなったのです。

経験は浅いのですが話し方も堂々としているからです。

上司にそのことを相談すると、「私に判断を仰ぐのはいいが、結果は目に見えている」と却下されたのでした。

このまま進めていいものか、あなたの判断を仰ぎたいと言った

職場の仲良し仲間3人で、ホノルルマラソンに参加しようと決めました。

3人とも学生時代は運動部に所属していて短いマラソンの経験はありますが、フルマラソンは始めてです。

半年の余裕があるので、自分達でじっくりと練習を開始することになりました。

2ヶ月ほどマラソンの練習をしていたところ、ある先輩からホノルルマラソンの経験者を紹介してもらいました。

そこで、その経験者に練習方法やスケジュールを開示して、「このまま進めてもいいものか、あなたの判断を仰ぎたい」と相談したのです。

上司や取引先に使う時の3個の注意点

上司や取引先に「判断を仰ぐ」時には、失礼がないように注意することが大事です。

例えば、何かの申し入れや相手の承諾が緊急に必要な時があります。

「YESかNOかの判断が今すぐに欲しい」時には、至急判断を仰ぐことになるのです。

もしも、急ぐのであれば、いつまでにどのような判断が必要なのか、そのための詳細な経緯や状況の報告が必要かどうか、判断の結果はどこの誰にどのように送ればよいのか、などを要約して判断を仰ぎます。

もちろん、件名と判断がほしい旨を明確にしておくのも必要です。

最近では、急ぐ場合にはメールで判断を仰ぐ場合が増えてきたようです。

急ぐ時には、相手に指示を仰ぐ場合もあります。

現在の目のまえの問題点を解決するために、ともかくこれを実行しても良いかどうかの指示を受けたいときに活用します。

「指示を仰ぐ」ことになります。

1.目上の方の指導を受ける、お願いする時に使う

「仰ぐ」とは尊敬の念を込めた言葉です。

「自分には判断する能力はありません」とか「判断する権限がないのです」などという気持ちで目上の人に「判断」や「指示」をお願いする時に使うのです。

「判断」まではいかなくても、やり方の「指導」を受けたい時にも「仰ぐ」を使います。

「あの人にこの機器の有効な使い方を指導してもらおう」などとお願いしたいときに、「指導を仰ぐ」ことになるのです。

仰ぐは受けるの謙譲語

「仰ぐ」は「受ける」の謙譲語です。

従って、あくまでも目上の人に使う言葉なのです。

「このやり方について、あの先生に指導を仰ごう」というように使います。

しかし、「この道具の使い方について、あの後輩に指導を仰ごう」などとは使わないのです。

この場合には「あの後輩に聞いてみよう」などとなります。

社会的に地位の高い人やその道のベテランの人など、尊敬できる人に対しては「仰ぐ」を使うのです。

2.指示を仰ぐと混同しない

普段よく使う言い方として、「判断を仰ぐ」という言葉と「指示を仰ぐ」という言葉を混同している時があるようです。

「判断を仰ぐ」というのは、ここまでにも説明してきましたが、権限がない自分達で判断できない時に、上司や経験者に判断を委ねることです。

それに対して、「指示」というのは次に何をやるのかという行動に対しての回答なのです。

これをやっておいてと先輩に頼まれてやっていたが、比較的簡単にできてしまったような場合に、次に何かする必要があるのか、もう帰ってもよいのか、など困ってしまいます。

こんな時には「判断を仰ぐ」よりも「指示を仰ぐ」ということになります。

すると先輩が、「じゃあ次はこれをやってみてくれ」などと指示の内容を伝えてくれるのです。

「判断を仰ぐ」場合には、こちら側からやりたいことを提案した時です。

そして、この提案に対してYESかNOを回答するのです。

「指示」と「判断」とは、このように違っているのです。

指示は、作業が終了したり、手が空いている状態で

あるチームは、それぞれに作業を割り振って頑張っていました。

しかし、中には効率よく作業を行って、予定よりも早く完了してしまった人もいたのです。

やることがないので、休憩したり雑談をして時間をつぶしています。

そんな人達は、手が空いてしまっているけれども、次に何をやればよいのか分かりません。

そんな時に、「次にすべきことの指示を仰ごう」と上司に確認するのです。

このように、作業が終了したリ、手が空いている状態で、次にすべき仕事を聞く時に「指示を仰ごう」となるのです。

「次に何をやるか指示してください」ということです。

判断は、作業途中の不明や疑問の確認として

しかし、みんなで手分けして作業をしている時に、例えばこの機械をこのように使えば効率が上がって早く作業ができると分かったりした時に、マニュアルにはない方法を行っても良いのだろうかなどの疑問がわきます。

このように、マニュアルにないような方法を許可するかどうかの判断を仰ぐことになるのです。

また、予期せぬ結果になってしまった時など、このまま継続してもよいのかどうかを上司に判断してもらう必要が起こる時があります。

このように作業途中の不明なことや疑問なことについて、確認する時に「判断を仰ごう」ということになるのです。

3.言い方を変える

どのようなことを誰にお願いするか、どのタイミングでお願いするかなど状況によって、言い方を変えることもあります。

状況に応じてそのまま使わない場合も

「判断を仰ぐ」と言うと、少し仰々しい感じを与えることがあります。

そんな時には、状況に応じて言葉を変える時もあるのです。

上司と部下と、いつも一緒に仕事をしてきた仲間であれば、いくら上司と部下の関係と言えども、少し柔らかな表現で上司に判断をしてもらうこともあるのです。

何かのプロジェクトが完了した時に、職場の仲間全員で食事会をしようということになって、どの店が良いかということで上司に決めてもらうことになったのです。

こんな時には、「判断を仰ぐ」などという表現は避けて、「どの店にするかご判断をお願いします」などと尋ねるのです。

打ち上げのための、フレンドリーな雰囲気を壊さないためにも、丁寧語で「ご判断いただけたらと思います」とか「ご判断いただきたく存じます」などと少しソフトにお願いするのです。

表現を変えたり、語尾を工夫し、敬意を表す

「判断を仰ぐ」とは、目上の人に判断してもらうことなので、「判断を仰ぐ」という代わりに「判断を委ねる」とか「判断していただく」「判断を任せる」などと表現を変えることもできます。

もっと砕けた言い方ですと、「決めて頂く」ということになります。

また、語尾を工夫して「ご判断いただきたいと存じます」「ご確認いただきたいと存じます」「ご判断頂きたく存じます」などと敬意を表しがら語尾を変えることもあるのです。

ご判断いただきたく存じます

「いただきます」とは「いただく」「もらう」の謙譲語です。

そこで「仰ぐ」という代わりに「ご判断いただきたく存じます」とか「ご判断いただければと存じます」などちょっと言い回しを変えることで雰囲気が変わるのです。

自分が提案した内容について判断をいただくという時に、この提案で進めたいと強く希望する時には、ご確認をお願いしたいと訴えるように判断を仰ぐ時もあります。

この時には、「この件を、ご確認いただきたく存じます」などと、判断を確認に代えて言う時もあります。

「判断を仰ぐ」を正しく使おう(まとめ)

ビジネスシーンでは、自分だけで判断して行動することができない時も出てきます。

いろんな選択肢があったり、自分の知らない事情もあるかもわかりません。

そんな時には、自分より立場が上の上司などに、判断を委ねる時に「判断を仰ぐ」と表現します。

「仰ぐ」というのは「受ける」という意味の謙譲語なので、目上の人への尊敬を表現して判断を受けるのです。

「仰ぐ」という意味は、「天を仰ぐ」という時のように上の方を見上げるという意味があります。

見上げるように敬意を払って判断を受けるのです。

この「仰ぐ」を使うと、「判断を仰ぐ」意外にも、「指示を仰ぐ」「確認を仰ぐ」「決裁を仰ぐ」「指導を仰ぐ」など様々なシーンに見合う表現を使うこともできます。

「仰ぐ」という言葉を丁寧に言い換えると、「頂きたく存じます」「頂ければと存じます」などと表現することもできます。

すると、「判断」や「指示」の前に「ご」を付け加えて「ご判断を頂きたく存じます」「ご判断を頂ければと存じます」などと言い換えることもできるのです。