最近家族で食卓を囲んだのはいつでしょうか。

毎日という人もいれば、毎月片手におさまる回数しか一緒に食べられていないという家庭もあると思います。

核家族化に共働き、子供も忙しい毎日を送る現代では、それまで当たり前に感じていた日常すらも意識的に取り入れる必要が出てきたようです。

改めて、食卓を全員で囲むことの重要性、メリットに目を向けてみましょう。

家族が食卓を囲むことの6個のメリット!

家族で食卓を囲むことを意識しなければならない時代がやってきました。

各々やることがあって、バラバラに食べるのが常態化していたとしても、できる限り家族全員で食べた方が良いです。

その理由は、下記に挙げる6個のメリットにあります。

子供へのメリットが大きいため、お子さんのいる家庭の人は要チェックです。

1.マナーを学ぶ機会になる


食事のマナーは本当に色々あるので大変です。

味噌汁はズズズと飲んでもいいけどスープはダメ、蕎麦もすすっていいけどパスタはダメ。

お箸の持ち方、ねぶり箸NGなどの細かいルール、ナイフとフォークの使い方、焼き魚のほぐし方、食べ方、お茶碗に米粒を残さないこと…言い出したらキリがないのでこのへんで。

大人になってから初めてマナーがしっかりしている人と食事に出かけて恥をかいたなんて経験を持つ人もいるかもしれません。

とくに老舗料亭やフレンチレストランなど、マナーが身についていることが前提の場所だとダメージが深刻です。

親の食べ方を見ている

子供はまず親の食べ方を見て食事の仕方を覚えます。

つまり、親の食べ方が綺麗なら綺麗な食べ方になるし、親の食べ方が汚いと子供の食べ方も汚くなるということです。

自分が親の立場であるなら、子に最低限のマナーを教えるというのも責務でしょう。

一緒に食事をしながら、自然と身に着けさせてあげるのがベストです。

まぁ、親がマナーを知らなければどうともなりませんが…。

2.会話が増える

これが最大の理由です。

会話をしながら、ゆったりと食事を楽しむことは、現代人が改めて取り入れるべき生活リズムの1つといえます。

そもそも日本人にとって、楽しくお話ししながら食事をするという文化は根付いたものではありません。

いわゆる“家族団らん”の食事風景が成り立ったのは1950年代~70年代にかけてのことで、それまでは家長に付き従う妻と、黙って食べる子供というのが常でした。

段々と家族団らんの食卓が増えてきたのも束の間、バブル期の到来で個人の自由と贅沢がフューチャーされるようになると、孤食化が進行しました。

現代では夫婦共働きな上に残業続きで、家族全員が揃って食事をするなんて風景は失われつつあります。

子供も子供で、部活のあとは塾に通い、遅くまで勉強して受験対策、朝も早く出て土日はまた塾や習い事…という有様。

農林水産省のデータでは、平成23年時点で朝食を家族そろって食べることを「ほとんど毎日」が50.1%、「ほとんどない」が25.5%、夕食は「ほとんど毎日」が56.5%、「ほとんどない」が8.8%でした。

注目すべきなのは「ほとんど毎日」が約半数しか存在していないという点です。

家族で会話をする回数なんてたかが知れています。

積極的に家族団らんの時間をとらなければならなければいけません。

今考えていることがよく理解できる

「子供のことは何でもわかる」「夫婦なんだから言葉にしなくても心が通じている」なんておとぎ話みたいなことを信じるのは愚かです。

違う脳みそを持っている以上、全てをエスパーみたいに知り得るはずもありません。

だからこそ、言葉だけでも交わして、お互いを理解し合おうと努力する必要があります。

家族は同じ屋根の下で暮らしているため、普段からコミュニケーションをとっている気になるのですが、実は“コミュニケーション”とは呼べないことがほとんど。

それは、「ご飯食べるの?」「うん」のような問いかけと返答くらいしかなく、じっくりと向き合う時間をとっていないからです。

せめて食事の時間くらいは意識してコミュニケーションをとらなければ、同居する他人のようになってしまいます。

その日の出来事がシェアできる

独り暮らしが長い人ならわかると思いますが、日々のことって、ちょっとずつでも心に溜まっていくんですよね。

嬉しいことも、楽しいことも、悲しいことも、悔しいことも、誰にも話せないまま過ぎていくのは虚しさがあります。

しかも、この虚しさは本当に独りの時より、誰かと一緒にいるのに孤独を感じている時の方が自覚しやすいです。

わかりやすい例としては、友達や恋人がスマホをいじっている時です。

実質独りでいるのと何も変わらないはずなのに、話せるはずの相手と会話が成立しない方が虚しく感じます。

まだ友達や恋人なら“他人”という認識がどこかにある分、諦めもつきますが、家族でこの状態というのは耐えがたいものがあります。

とくに子供にとっては辛い以外の何物でもありません。

一刻も早く打破するべきです。

話にオチなんてなくてもいいから、その日にあったどうでもいいことをたくさんシェアしましょう。

3.絆が深まる

思い出が増えるほど絆は深まっていきます。

大人が考える思い出と子供が考える思い出は別です。

それは大人になったとき、自分の子供の頃のことを思い出してみればわかるでしょう。

旅行などの特別なことよりも、悩みを相談したときに真剣に聞いてくれたことや、とびきり褒めてくれたこと、お弁当を毎日作ってくれたことなど、日常の記憶の方が濃いはずです。

そして、家族と話しながら食事をした記憶もその1つ。

年をとったときに思い出として蘇るのは出来事ではなく家族の愛情に紐づくものです。

しかし、それぞれテレビを眺めたり、スマホを見たりしながら食べている(個食)なら、思い出は得られません。

思い出の存在しない家族に絆なんて生まれるわけもないですよね。

家庭環境は連鎖する傾向があるため、個食の中で育った子供は大人になってから自分の家庭で同じことをしてしまいます。

伴侶もそうであるなら、それが普通になってしまいますが、伴侶がそうでなかった場合は夫婦の仲違いをきっかけに家庭が崩壊することも想像できます。

豊かなコミュニケーションが図れる

食事の時間くらいしかゆっくり話す機会もないのではないでしょうか。

各々仕事に習い事、趣味に家事、勉強などやることがたくさんあるので、個別の時間を過ごすことが多いはずです。

それでも、食事の時間はゆっくりと話すことができていれば、「親は話しづらい存在」になることを防げます。

普段から他愛もない会話すらできない友達に悩みを相談することなんてできないのと同じで、家族といえども普段の会話なくして深い話なんてできないのです。

豊かなコミュニケーションは日々の積み重ねによってのみ可能となることを覚えておきましょう。

4.問題行動が減る

ミネソタ大学(アメリカ)が25州の子供(小学6年生から高校3年生まで)9万人以上を調査したところ、週0~1回しか家族で食事を摂らない子供と、週5回は摂る子供を比較したとき、前者の方が問題行動が多いというデータが出たそうです。

具体的には、飲酒が38.0%と20.2%、喫煙が31.4%と13.0%、薬物使用が29.1%と12.0%、3回以上の性交渉が30.2%と11.8%などでした。

さらに、鬱病、反社会的な行動、暴力、いじめなどの学校の問題、過食嘔吐、体重の激減などについても週5回以上家族と食事を共にしている子供の方が3~5割ほど少なくなっています。

アメリカのデータなので、文化の違いなども鑑みるとただちに日本人にも適用できる結果とは言えませんが、他の国でも自殺率や学力の差に家族の食事との因果関係があるとする統計データが発表されており、家族での食事の必要性が問われています。

すべきことに目が向く

「早く勉強しなさい!」って言われて勉強する気になった子供っているんですかね。

それで勉強するなら最初から自分で勉強すると思えます。

すべきことに目が向くと言っても、食事の最中にガミガミ説教をくらうということではありません。

「今日は何してたの?」という親の問いかけによって、子供がその日にあったことを思い出すことに意味があります。

思い出して話せることがある時とない時があるでしょう。

とくに何もないときは「ヤバイ、今日何もしなかった。

勉強しとかなきゃ」と思うかもしれないし、友達を殴ってしまったら、話せこそしないものの思い出すことによって「謝らなきゃ…」と思うかもしれません。

自発的に、すべきことを思い出せるようにしてあげましょう。

また、親の方も話すトーンや思い出している時の表情で、子供に何かあったかどうかを類推することができます。

見守られているという安心感が得られる

常に親と話ができる関係性があるだけでも子供は安心感を覚えるものです。

いつでも自分の気持ちを打ち明けて良いんだ、という実感がある子供ほど精神的に安定します。

子供が問題行動をとるのは、悪いことに憧れているのではなく、構って欲しい気持ちの表れであることが多いです。

「どこまでやったら構ってくれるの?」という不安を払拭してあげましょう。

5.好き嫌いなく食べるようになる


最近は、嫌いなものを無理して食べさせる教育はするべきではないという方針が増えてきました。

たしかに、嫌がるものを無理やり食べさせると、トラウマになって余計に抵抗感が生まれてしまうため、それも一理あるかもしれません。

ただ、アレルギー以外で食べられないものが多いというのがプラスになることはないでしょう。

キャビアやフォアグラのように、あえて求めなければ出くわさない食べ物であれば放っておいてもいいですが、ピーマンやニンジンなどの一般的な野菜、メインになる肉や魚などは誰かと食事にいけば出てくる確率が高いです。

それは食べられるようにしてあげるのが親の優しさといえます。

野菜嫌いが少なくなる

子供が野菜嫌いなのは当たり前です。

ゴーヤやピーマンなどの苦味が強いものは、生物としてはその苦味やアクを毒だと認識します。

トウガラシやタマネギが辛いのも、食べられないために植物が進化した結果なのですから、美味しいと食べる人間の方が特殊。

子供が本能的に避けるのも自然です。

しかし、その本能的な判断は年齢が上がっていくにつれて薄れていきます。

これは、無理にでも食べる経験を積むことによって「あ、これ毒じゃないんだ」と脳が認識するからです。

かといって、無理矢理食べさせてもいけないですから難しいですよね。

そこで考え方を変えてみましょう。

とりあえず脳が「食べられるものなんだ」と認識さえすればいいので、親が率先して食べて「大丈夫そうだな」と思わせればOK。

親がおいしそうに食べる姿を見れば子供も食べられるものだと認識するはずです。

食の楽しさを実感させられる

なんでもよく食べられるということは、食事を楽しむ上では欠かせません。

嫌いな食べ物が1つでもテーブルにあると、それを避けることで生まれる罪悪感や、シェアできないことの寂しさを感じてしまうからです。

子供の頃から家族でシェアしながらたくさんの種類の物を食べるという習慣があれば、大人になってその相手が他人に変わった時にも役に立つでしょう。

6.経済的

家族そろって食べるだけで、バラバラに食べるよりはコストを抑えられます。

同じ鍋で煮込んだカレーを食べるにしても、バラバラだとお米を保温するか、冷凍ご飯をチンする電気代がかかりますし、カレーも温め直す度に電気代やガス代がかかります。

また、食材も一度で使い切れる方が傷まないので経済的です。

一気に料理できる

家族で食卓を囲む場合もそれぞれ別のものを食べていたら経済的ではありません。

同じものを大量に作るからこそ経済的なメリットを感じられます。

揚げ物なんかとくに、1人のご飯で揚げ油を使うのはもったいなく思ってしまうことも、大量に作るならいいかと思えます。

家事がまとめてでき、時間短縮にも繋がる

食事を一気に作れるのはもちろんですが、食事は食べて終わりじゃないですからね…。

洗い物が残ってしまいます。

一度に皆で食べてくれた方が、洗剤の量も節約しながら流し場を片づけられます。

家族揃って食事をする時間を取り入れる工夫

メリットがわかったところで早速家族で楽しく食事をしよう!…と思ってもそうすぐに実行できるかは別問題ですよね。

とりあえず同じテーブルを囲めば良いってもんでもないし、返って空気が悪くなるのも怖いし、悩みどころです。

家族揃って食事をするために取り入れたい工夫についてご紹介します。

1.毎日でなくともいい

ほとんど毎日一緒に食事をしていないなら、毎日でなくてもいいので回数を増やすことに努めてみましょう。

1カ月に2度ほど食べられれば良い方なら週に1度、夜はそれぞれの仕事や勉強で忙しくても朝ごはんだけは一緒に食べるなど、工夫の仕方はさまざまあります。

週に2~3回を目指して

先述の通り、週5回以上食べた方が子供に良い結果が出やすいようですが、いきなりそこまで増やすのは難しいのと、各々慣れるまで時間もかかるでしょう。

まずは週2~3回を目指して取り組んでみることをおすすめします。

できる範囲から始める

家族全員の負担にならない程度から始めるのがコツです。

毎日19時にご飯を食べると決定され、それを破ると悲しい顔をされるようでは抑圧されていると感じます。

その抑圧はすぐにでも苦痛に変わりますから、ルール化するほど厳密にはしない方が良いです。