たった1回だけの座学だけで新人研修を終わり、あとはいきなり現場に放り込む。
そして新人が仕事の事に関して聞きたいことがあってもその雰囲気すら醸し出さない職場の空気。
まさにこれは昭和の頃によくあった「ブラック企業」の雰囲気そのものでしょう。
例えば飛び込み訪問をメイン業務にする会社。
飛び込みにああだ、こうだと教えることはほとんどありませんからね。
知識やコツを口から言って聞かせるよりとにかく1軒でも多く訪問しろ。
これに尽きるのです。
だから新人に教える時間を極力、作らないのです。
そんな無駄で非生産的な事をやるよりも1日でも早く外に出して1軒でも多く訪問させる。
要するに新人がやろうがベテランがやろうが成果の部分ではほとんど差が出ないから故の会社の教育の仕方、と言って差し支えないものと言えるでしょう。
マニュアルがない
また一方では新人が職務を行うに当たって現場にマニュアルというものが全く存在しない会社もあります。
だから新人が分からない事を先輩社員に聞きに行くと、これがまたその先輩の教え方が下手くそなのです。
つまり完全に上から目線で新人を見ているのです。
「何だ、こんなことも分からないのか?それでよく大卒と言えるな?」てな具合ですね。
マニュアルがあればまだ新人はそれを見て手探りながらもやっていけます。
分からない部分は随時、先輩に聞く。
せめてこの程度のルールが出来ていたら新人がすぐに辞めることもないと思うのですよね。
只今ご紹介致しました2つの例。
どちらも私の実経験からです。
最初の飛び込み系の会社は都合3つの会社に入りましたが早くて3日、最も長いところでも1ヶ月で退社しました。
簡単な座学程度とはいえ、一応研修はしてもらいましたが現場に行ってからのギャップ感が半端ないくらいありました。
何かを聞きたくても外に出ていて自分一人。
あの孤独感が何ものにも変え難いものでしたね。
そしてマニュアルのない職場。
ここもひどかったです。
先輩の人との人間関係が全然作れませんでしたからね。
一種、丁稚奉公のような会社です。
その仕組みに気付いてその仕組みでも精神的にやっていけるタフさがある人が残れるのでしょうか?
私は幸いな事に、そこの仕事が好きだったので何とか頑張って10年勤めました。
マニュアルも会社にあった古いやつを改善して自分なりに応用して使いました。
まあそこは何回目かの転職先だったので乗り切り方を多少は身に付けていたから出来た事だったのですよね。
よって新人にいきなり精神的に不安を覚えさせるような教え方ではとても新人は定着出来ないという事です。
すぐに辞められてしまうのは大きくその会社の責任、と言えるでしょう。
4.一緒に仕事をしない
新人がすぐに辞めてしまう特徴の4つ目は「一緒に仕事をしない」です。
新人は全く未知の環境に入ったら不安で不安でたまりません。
せめて1~3日間くらいは先輩社員にそばについてもらっていたいのが本音です。
それなのに会社側の都合でそういった機会を与えずいきなり新人を現場に放り込んで知らんぷり。
これでは新人が正しく成長できるはずがありません。