そして右足の後ろ向きの力で瞬時にブレーキをかけて、パンチを打った後にすぐに態勢を整えることもできるからです。
切れ味が鋭い左ストレートを打つことができるのです。
元世界王者の海老原博幸選手は左利きでしたが、左ストレートは「カミソリ」と呼ばれる由縁はここにあると思われます。
ただし、激しいトレーニングによる努力があったことは忘れてはいけませんが。
テニス
テニスの場合も卓球と同じことが言えます。
左利きの選手が少ないので、あまり左利きの人と対戦したことがないからです。
左利きの人は、いつも右利きの人と試合をする機会が多いので、右利きの人のボールを打ち慣れているのです。
だから、右利きの人が初めて左利きの人と試合をすると、最初は戸惑ってしまうようです。
普通のラリーの場合は、どちらも条件は一緒で、相手の弱い方に打てば良いだけです。
しかし、レシーブの時のボールの回転に関しては、慣れるまでに時間がかかります。
最初の1、2ゲームまでは予想よりもボールの変化が鋭くて、劣勢になってしまうからです。
スタートで劣勢になってしまうと、ずっと押され気味に試合が進んでしまうのです。
それと、押し込まれてとっさに上げるロビングでも、つい右利きの人と勘違いしてしまい、相手のバック側に打ったつもりですが左利きの場合はチャンスボールになってしまうのです。
頭では分かっているのですが、つい練習通りに身体は反射してしまうのです。
この慣れが左利きの有利な原因なのです。
左利きと対戦する時は、冷静に試合をすることです。
珍しがられる
みなさんは、左利きの人を「ぎっちょ」と呼ぶことを知っていますか?
よくあの人は「ぎっちょだ」なんて言ったものです。
ぎっちょという言葉の語源はいろいろとあります。
茶道でお茶を沸かすために使う「ぎっちょ」という炭を左側に置くことから、左利きを「ぎっちょ」と呼ぶようになった説。
左器用の呼び方が不器用(ぶきっちょ)と関連付けられて「ぎっちょ」になったという説など様々です。
しかし、最近では「ぎっちょ」という言い方は差別用語と認識している人も多く、テレビでは放送禁止用語として扱われているようです。
左利きの人は、「ぎっちょ、ぎっちょ」と言われることに抵抗があるためです。
高齢者の人は、いまだに「ぎっちょ」と言うそうですが、一般的には若い人などは使う人は少なくなったようです。
昔は、左利きの人が珍しかったためです。
左利きの人に感動を覚えるのは、卓球やテニスなど運動をする時ではなく、文字を書く時です。
ノートに必死でペンを走らせるときのポーズが、なんとも感動してしまうのです。
ノートの左から右に書いていくので、書いた文字が見にくいのではと思ってしまうのですが、私だけでしょうか?
会話のネタになる
何かのサークル仲間でも、食事をしたり字を書いたりしたときに分かってしまうと、「知らなかった、左利きなんだ!」などと叫んでしまうのです。
これは、左利きの人が人口の10%前後という貴重な人だからでしょう。
左利きだと分かってしまうと、いろんな場面で興味を持って見ることが増えたのです。
女性の場合なら、台所で包丁を使う時には「大丈夫なの?」と変な質問をしたりします。
包丁を使う時の心配をしてくれているようなのですが、これは右利きも左利きも関係はないと思うのですが、妙に心配してくれるそうです。
切りにくいと思われているようです。
テレビでよく知っている芸能人が左利きでご飯を食べている場面を見ると、親近感が湧いてくるようになったのです。
身近に、友人などで左利きの人がいると、今頃どうしているのかなあと思い出したりしてしまいます。
友人と会話をしていると、話題が途切れると左利きの話題になることもあります。