射幸性とは、水面を漂う「浮草的」生き方を象徴する言葉です。
射幸心は、“運を天に任せてお金儲けしよう”とするギャンブル的な心理状態を指します。
「射幸性」には、「地道な努力を積み重ねる」という言葉とは正反対の意味があります。
努力をせずに、運よく利益を得る様子を指して、「射幸性がある」と言います。
世の中の人は、“十人十色”と言われるように、様々な人生があります。
日々の生活を大切に積み重ねることで、将来に向けた人生を築いていく生き方があります。
また一方では、努力よりも“運を天に任せる”人生観で、日々の生活を運試しとして過ごす生き方もあります。
運試し的な生き方は、射幸性のある生き方です。
世間一般では自分の人生を考える際には、将来に向けた展望や目標を描くことが多いです。
しかし、射幸性を持った人生観では、将来に向けた人生を描くことをしません。
目先の利益を追求することに全神経を集中します。
“運を天に任せる”生き方をする人は、目先の結果に一喜一憂する日々を送ります。
ですから、自分の人生の将来像を描くことに興味を示しません。
射幸性は“運次第”の生き方ですから、右へ進んだり、左へ進んだり、時には後ろへ後戻りしたり、全く先が読めない日々の生活になります。
一方、長期的な展望に立った考えを持つ人は、目の前の物事と真摯に向き合って、難しい場面を乗り越えるための努力を惜しみません。
しかし、射幸性を持つ人の人生観は、運任せですから、目の前の物事を避ける逃げ道を探すことに奔走します。
このため、将来に向けた目標を持たずに、目先の利益のみを追い求めるギャンブル的な生き方に身を任せます。
「射幸性(しゃこうせい)」の意味
「射幸性」には、「偶然の利益を狙う度合い」という意味があります。
また、「射幸性」というコトバを「ギャンブル性」と言い換えることもあるように、パチスロを規制する際に使われるコトバでもあります。
射幸性の“射”は、欲しいものを「射止める」という意味があります。
つまり、望んでいるモノを手に入れることを指します。
射幸性の“幸”は、幸運を意味します。
「射幸性」とは、“運が良ければ欲しいモノが手に入る”という心理的な欲求を指したコトバでもあります。
過去には、パチスロの規制について世間を賑わした時代に、射幸性の心理と賭博行為の心理には密接な関係があると言われていました。
ですから、「射幸性」というコトバには「偶然に利益を得ようとする欲心」という意味として解釈されることが一般的になっています。
偶然に成功を得ること
成功を得る方法には、大きく2通りあります。
1つは、成功を得るために目標に向かって努力を積み重ねていくことが必要という考えが世間一般的です。
もう1つの射幸性による方法では、偶然性を期待して成功を得る考え方になります。
砂の上に建てられたお城を象徴する諺に「砂上の楼閣」というコトバがあります。
見かけは立派であっても、一つの波が押し寄せると一瞬にして崩れ去る脆さを意味しています。
つまり、射幸性により、偶然に成功することは、「砂上の楼閣」そのものであって、長続きしない危うい成功と言えるのです。
努力の積み重ねの無い成功は、逆風を受けると、瞬く間に崩れ去ります。
一方、努力の積み重ねの裏付けのある成功は苦労ですので、逆風にも強く長続きします。
ですから、偶然に成功を得ることよりも、地に足を付けて、地道な努力を積み重ねて成し遂げた成功は、大きな波が押し寄せても安定してビクともしません。
利益を狙うこと
“射幸性”というコトバは、パチスロなどギャンブルを規制する場面で使われることが少なくありません。
ギャンブルは、お金儲けを第一の目的とすることが多いです。