文学者の言葉使いではありません。
2. 「人に教えることほど、勉強になることはない。」ピーター・ドラッカー
ドラッカーは経営学者の先駆者と言える人です。
1946年、アメリカのゼネラルモータースを分析したことがその端緒となりました。
当時同社はおそらく世界最大の民間企業だったはずです。
それまでこうした大企業の経営を第三者が分析する、ということはありませんでした。
その内容は画期的なものでした。
ドラッカーは方々で解説を求められたことでしょう。
人に教えるうちに、自分の考えは確固としたものになっていく、または修正を加えていく、いずれにしろこれ以上勉強になることはない。
そうやって彼の経営学は影響力を強めていったのだと思います。
3. 「その年齢の知恵を持たない者は、その年齢のすべての困苦を持つ。」ヴォルテール
ヴォルテールは18世紀フランスの啓蒙思想家です。
詩作や劇作も行っていますが、当時の知識人とはみなそういうものだったのでしょう。
ヨーロッパ各地で活動し、キリスト教会を鋭く批判しています。
そして理性を信頼し、自由を信奉したその活動は、フランス革命など次の時代を準備するものとなりました。
この言葉にはそうした理性重視の面目がよく表れていると思います。
4. 「やる気がある時なら誰でもできる。本当の成功者は、やる気がない時でもやる。」ドクター・フィル
ドクター・フィルとはアメリカで人気テレビ番組を持つ有名な心理学者です。
人生相談の専門家のような立ち位置にあるようです。
本人は貧困メキシカン家庭の出身で苦学を重ねました。
その経験をもとに含蓄に富んだ鋭いコメントで評判をとっています。
この言葉は受験生向けに取り上げられ、人気を博したものです。
努力する時間を選ぶな、という苦労人ならではの想いがこもっているのでしょう。
5. 「自分に打ち勝つことは、勝利のうちで最も偉大な勝利である。」プラトン
プラトンは師のソクラテス、弟子のアリストテレスと並ぶ古代ギリシャ哲学の代表する存在です。
西洋哲学の源流とまで呼ばれることもあります。
彼の哲学や学術研究は、現実の政治にコミットするものとしてありました。
逆に芸術は不完全なものとして低く見ていました。
プラトンは生涯にわたって論争を重ねています。
この言葉は、それに打ち勝つノウハウといった面もありそうです。
6. 「人に勝つより、自分に勝て」嘉納治五郎
嘉納治五郎はよく知られているように、講道館柔道の創始者です。
講道館を設立したのはわずか22歳のときです。
さらに柔道以外の古武道の近代化にも努めています。