また教育者としての面を持ち、学習院の教頭や、東京高等師範(現・筑波大学)の校長を務めています。
日本のオリンピック参加にも尽力しました。
自らの構想を持ち、行動することで近代を切り開いて行った人と言えるでしょう。
この言葉は柔道の試合における心得ではなく、行動しなければならないすべての場面を想定したものでしょう。
7. 「決心する限り、奮闘する限り、必ず成功する。」魯迅
魯迅は中国近代文学の祖といって間違いありません。
日本に留学し、仙台医学専門学校に入学します。
しかし日露戦争で受けた衝撃を機に、文芸活動に転じ、国民の啓蒙を図るようになります。
やがて中国の近代化の象徴になり、実際そのために人生を捧げたといってよいでしょう。
ただし中国の文芸とは、政治に直結しています。
毛沢東もさんざん魯迅を政治宣伝に利用しています。
この言葉は変革期に生きるインテリの心構えへ示したものではないでしょうか。
8. 「進まざる者は必ず退き、退かざる者は必ず進む。」福沢諭吉
福沢諭吉は九州の中津藩の下級武士からスタートし、蘭学者から幕臣へと進みます。
目立って優秀だったのでしょう。
咸臨丸によるアメリカ訪問、文久遣欧使節団のメンバーに選ばれています。
帰国すると「西洋事情」を表します。
福沢諭吉とは何者かと問われれば、啓蒙思想家、教育者ということになると思います。
慶應義塾大学はその象徴でしょう。
彼が薩長の出身でなかったことは幸いでした。
政治に巻き込まれるリスクは小さくて済みました。
この言葉も魯迅のときと同じで、変革期の心構えと言ってよいと思います。
9. 「才能よりも常に勇気を持っていたい。」アレン・アイバーソン
アレン・アイバーソンは2000年代のNBAを代表するスター選手です。
、実父と母親の再婚相手がともに逮捕されるなど、典型的な貧しい黒人家庭の出身です。
しかし恵まれた身体能力で、高校時代にアメフト、バスケットの両方でスター選手となります。
しかし全米の大学から引く手あまただったとき、白人VS黒人の抗争事件に巻き込まれ逮捕されてしまいます。
その後、手を差し伸べてくれたジョージタウン大学へ進学、さらにNBAと舞台を移し大活躍します。
おそらく自らが陰謀のターゲットとなった抗争事件は、大きなショックとなったことでしょう。
結局恩赦で釈放されています。
これはそのときの苦悩を思い返しての言葉でしょうか。
10. 「希望があるところには必ず試練があるものだから。」村上春樹
村上春樹は国外においても高い評価を受けています。
筆者は中国に駐在していたとき、中国の地方紙に村上の特集を見つけ、驚いたことがあります。
内容も極めて好意的で、村上のノーベル文学賞を応援しているように見えました。
中国人ファンのコメントには、村上作品には色彩感とスピードがあり、これは中国の作品にはないものだというものがありました。