勉強とは本を読むこと、つまり先人の業績を受け取ること、このことは思想家ルソーのエッセンスとなったのでしょう。
17. 「知って行わずは知らざるに同じ」貝原益軒
貝原益軒は福岡藩士の五男に生まれました。
普通武家の五男ならばどこかへ養子にだされるなどやっかい者に違いないのですが、20代で謹慎を申しつけられたあと、藩主が変わると藩医として取立てられています。
よほど優秀だったのでしょう。
その後朝鮮通信使の接待や、隣藩とのもめごと解決など、70歳に至るまで藩の重責を担い続けます。
引退後後は著述家として活動します。
膨大な著作を残していますが、庶民向けにわかりやすい表現をこころがけています。
この言葉はそうした益軒のエッセンスのように読めます。
18. 「私がこの世に生まれてきたのは、私でなければできない仕事が何かひとつ、この世にあるからなのだ」相田みつを
わかりやすい言葉すぎて、誰かの述べた内容の焼き直しイメージがつきまといます。
ただし独自の書体とともに、平易な表現で再拡散させたのは彼の功績になるのでしょう。
19. 「やれなかった、やらなかった、どっちかな」相田みつを
相田の言葉はやはり書体とともに絵画的にとらえる方がよさそうです。
そうでなければこの言葉など、大衆受けを狙ったとみられやすいものでしょう。
詩人たちなど同業者たちの評価が分かれるわけがわかりそうな言葉です。
20. 「賢者たちは、彼らの敵から多くのことを学ぶ。」アリストファネス
アリストファネスは古代ギリシャの高名な喜劇作家です。
ソクラテスからプラトンにかけての時代の人でした。
またペロポネソス戦争を通じて、アテネが衰退していく時代でもありました。
この言葉における「敵」とはいろいろな意味にとれそうです。
アリストファネスはアテネの他の作家や哲学者たちを強烈に風刺することが多かったそうです。
しかしこれは、彼らから学ぶことが多かったのことの裏返しと言ってもよいでしょう。
またペロポネソス戦争には反対の立場を取ったそうですが、敵であるスパルタも学びの対象だったのかも知れません。
頑張った先の未来にあるもの
勉強を重ねていくうちに、普通は自分の考えがはっきりしてくるものです。
ひとりよがりにさえならなければ、独立した個性的な人格を磨いていけるでしょう。
あなたの話を、考え方を聞かせてくれ、という人はきっと増えるはずです。
人生のマイナスになることはひとつもありません。
1. 視野の広がり
専門知識を持つエキスパートの存在は社会にとって欠かせません。
しかしそれをよりよく生かすには、専門分野または社内などの狭い範囲を超越する必要があります。
他業態や他社の人たちとの交流は大切なことです。
勉強の仲間から偶然こういう人たちにたどり着くことは、まれではありません。