時には社交辞令も必要で、得意先の社長さんや上司、先輩に対して使用する社交辞令の決まり文句も、自分なりに覚えておくことも大切です。
️常套句のよくある使い方
社会人になると、その年齢では知らず知らずのうちに常套句を聞いたり使ったりしているはずです。
簡単な挨拶の言葉で「元気?」なども常套句です。
どこかでばったりと知人に会った時など、特に大事な話しも無い時には、ほとんど常套句だけで済ましている場合があるようです。
例えば、以前近所に住んでいた人で転居して久しい人とばったり街で会った時などは、「お元気そうで」「はい、ご無沙汰しております」「こちらこそご無沙汰です」「以前はお世話になりました」「相変わらずお若いですね」「何をおっしゃいますか」「これからどちらまで?」「ちょっとそこまで」「では」などと意味のない会話も成立するのです。
目的を持った常套句の使い方もあります。
何かを依頼する時、申し出を断る時、お礼を言う時、怒りや悲しみ、喜びなど喜怒哀楽を表現する時などの常套句です。
知らず知らずの間に使ってしまっている言葉、それが常套句なのです。
️日常でもよく見る常套句
一番多いのが、日頃の挨拶です。
若い人は短めに、年長になると格好をつけて長い文章になり、社会的地位のある人は難しい常套句を駆使しているようです。
若い女子が友人と交わす挨拶の常套句では、笑顔の友達に会った時に「は~い!」と言うと、それは「あなた元気そうね?楽しそうね!いい彼氏見つけた?また教えてね!」などの意味が含まれているようです。
ちょっと暗い友達に会った時は、少し低音で「は~い!」というと、「元気なさそうね!振られたの?」などと心配する挨拶です。
どちらも簡単な常套句ですが、込められた意味が少し違っているのです。
でも、この常套句は年上の人には使う言葉ではありません。
久しく音信が無かった人によく使う常套句は「ご無沙汰しています」という表現です。
どれくらいの期間音信が無ければ使うのかと言うと、明確ではないのです。
しばらく会ってないなと感じたら、「ご無沙汰しています」と言っておけば、相手も納得する言葉なのです。
友達なら「久しぶり!」ですが、先輩やお客様にはやはり「ご無沙汰しています」が常套句なのです。
政治の世界でも、何か不祥事が起こると「真摯に取り組みます」と真摯という言葉がよく使われるようです。
真摯とは、真面目で熱心なことを意味しています。
真摯という言葉を使った常套句も多く見受けられます。
そして、強い反省の常套句には「遺憾」という言葉が多いようです。
遺憾とは、思った通りにはいかずに、残念だという気持ちを表わす言葉で、常套句では「遺憾に思う」とか「遺憾の意を表する」などと使われます。
真摯も遺憾も普段の会話では使わない難しい言葉ですが、常套句として使われると、なんとなく理解できるという不思議さがあるのです。
「恐縮ですが」
恐縮するとは、恐れ多く身がすくんでしまう状態を表現する言葉ですが、常套句ではどのように使われるか調べてみました。
そこで、恐縮を使った常套句では、若干意味合いが異なった表現があります。
それは、「恐縮ですが」と「恐縮です」の意味合いです。
「恐縮です」という時は、これまでに受けた厚意に対して感謝する時に使われるようです。
これまでに受けたこととは、相手からの援助や支援、配慮などで、それに対する感謝や謝辞の気持ちを表現する常套句なのです。
「恐縮です」の使い方の事例では、急な呼び出しをかけてみんなが集まってくれた時に、みんなに向かって「急なお願いにもかかわらず、集まって頂きたいへん恐縮です」、自分がやるべきことをみんなにやってもらった時に「ありがとうございます。
恐縮です」、自分のことを過大に褒めてもらった時に「恐縮です」などと使います。
この常套句の使い方は、厚意に対して「ありがとうございます」という感謝の気持ちを伝える時や、自分が実力以上に持ち上げられて気恥ずかしい思いの時に「恐縮です」とも言うのです。
あくまでも自分に対する行為にお礼として述べる常套句です。
「恐縮ですが」という常套句は「恐縮です」とは、少しニュアンスが異なります。
「恐縮ですが」とは、これから行うことやお願いに対して、先に恐縮することを前提に使う常套句なのです。
使い方の事例としては、「恐縮ですが、お名前を教えていただけますか?」とか、「恐縮ですが、次回の会合は欠席させていただきます」などと使います。
別の言い方をすると、「申し訳ございませんが・・・」とか「お手数ですが・・・」のような使い方なのです。