そうしているうちに、それぞれの彼氏の話題に広がったのですが、自分は現段階では彼氏はいなかったのです。
しかし、自分に対してみんなから聞かれても、答えようがありません。
すると、誰かが「まだ彼氏はいないのか」と言うので、いちいち話すのが面倒に感じた時には、「彼氏は一応いるよ」と答えて逃げるのです。
「一応」の意味は、言い換えると「とりあえず、ひとまず、ともかく」などと同じです。
他にも「一応」という言葉を使用すると、「浴衣は一応持っている」、「免許証は一応持っている」、「大学は一応卒業した」などと使われますが、とりあえず持ってはいるが・・・、とりあえずは卒業はしたが・・・、などまだまだ不安定な状況であるようなのです。
「先っちょだけだから!」
先っちょだけという表現は、「本気ではだ無いので安心して気軽に試してみて」という催促なのです。
先っちょとは、全体のごく一部なのです。
しかし、具体的に先っちょとはどのあたりまでを意味するのかは不明な時が多いようです。
例えば、きゅうりの先っちょは切って捨てます、などと料理教室で実演してくれると感覚は分かるのですが、フランスパンの先っちょとは、先端から何センチぐらいの部分でしょうか?また、大きさが決まっているものなら目安もつけやすいのですが、大きさが変わってくるものなら、本当に感覚でしか測れません。
少し大人の世界の事例ですが、遊び人の男性が気に入ったホステスさんをホテルに誘って断られた時に言うセリフが、決まって「先っちょだけだから!」と口説くそうです。
考えてみると、二人が燃え上ってその時になってから、先っちょだけで終わるはずがないことは誰でも分かることです。
あまりにもバカすぎて笑ってしまうのですが、口説く当の男性にとっては、何とか安心させようと必死なのでしょう。
「何もしないよ」
この常套句もそうですが、「何もしないよ」という言葉の裏には、「スキがあったら何かするよ!」ということです。
何かの下心がある時につい出る言葉ですが、対等な相手なら「バカ言うんじゃないよ!」と一喝されますが、立場の弱い人、例えば後輩や新人などは逆らえないので、渋々言われるままに従ってしまうのです。
そんな時には「そうだよ!いう通りにすればいいんだよ!」と命令的な意味の言葉になってしまうのです。
「うまくいってないんだよね」
自分の味方に引きずり込む時の常套句です。
「このままでは、あなたはダメになってしまう。
これから先の人生は真っ暗だ」と脅しながらこちらに引き込む話術みたいなものです。
「うまくいってないんだよね」と言われると、この人は上手くいく方法を知っていると感じてしまうのです。
すると、心も身体も一度あずけてみようかな、と思ってしまう常套句なのです。
「少し待ってくれ」
少しというあいまいな時間を呈示して、その場を取り繕うための常套句です。
本当に解決策を持っていて実行できるなら、「あと2時間待ってくれ」とか「あと1日待ってくれ」などと時間を区切るものです。
しかし、実行する気も無い時には、曖昧に「少し待ってくれ」なのです。
借金の催促をされたときや結婚の催促をされたときには、今は実行できない時にこの常套句を使うのです。
気が乗らないという表現なのです。
「会いたい」
ずっと一緒にいたいという気持ちを端的に表現した言葉です。
いろんな事情も感じられます。
周りの反対に合い、なかなか会わせてもらえない状況の時に、相手に送るメールなどに使われます。
不倫などでおおっぴらにデートもできない時にも「会いたい」というひと言はお互いをさらに燃え上らせるのです。
遠距離恋愛でも、毎日会えないので何かの度に「会いたい」と言うメッセージは心に沁みとおるものです。
いつも一緒にいたいという切実な気持ちなのです。
「生まれ変わっても一緒になろう」
この常套句は、本当はつらい状況の時にお互いの愛情を確認するためのものです。
交際が始まった新鮮な気持ちの二人には、似合わない言葉です。
病気や何かの事情で離れ離れになってしまうことが分かった時に、相手に伝える言葉なのです。