「存じます」は謙譲語の「存じる」に助動詞の「ます」が付いたものです。
意味としては「思います」「知っています」の謙譲語です。
謙譲語ということはたとえば目上の人やお客様など敬うべき相手に対して使います。
謙譲語というのはへりくだって言う言い方なので、間違っても相手が思うことや、相手の行動に対して使用してはいけません。
似たような言葉に「存じております」というのがありますよね。
でも意味合いは変わってしまいます。
「存じております」というのは「知っています(既に)」という意味なのです。
「思います」と「知っています」を間違えると謝罪の意がまったく伝わりませんから気をつけましょうね。
ビジネスシーンでは「お客様にはこちらのプランの方が適切かと存じます」などと使えます。
3.申し訳なく存じます
その他にも「申し訳なく存じます」という言い方もしますね。
申し訳なく存じますということはつまり、「申し訳なく思います」ということになります。
4.申し訳ない所存でございます
「大変申し訳ない所存でございます」など、より丁寧な表現もあります。
言い方は違いますが「言い訳のしようがありません」「言い訳のしようがございません」「弁解の余地がございません」というのも似たような意味合いで使えます。
「弁解の余地がない」というフレーズは、たとえば第三者が判断する際にも使うことがありますね。
「彼が犯した失敗はとても大きくもはや弁解の余地はない」などです。
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5.反省いたしております
「反省いたしております」というのはとてもわかりやすいフレーズですね。
謝罪する相手にはっきりと「反省」という言葉を使うということに素朴さを感じます。
これからはしないようにしたい、改善したいという気持ちも見えますね。
「反省」は、自分の言動を振り返って、好くないと思われることを意識して改めていこうと心がけること、または自分の心理状態を意識する、意識されたものにするという意味もあります。
6.深く反省しております
そして「深く」をつけるとより謝罪の気持ちが大きいことを示すことができます。
7.深くお詫び申し上げます
「深くお詫び申し上げます」も謝罪の意を表すフレーズですが、過去の失敗や迷惑をかけたことに対しての謝罪の意味合いが強くなります。
たった今のことを謝る場合「申し訳ございません」「申し訳ないです」というのではないでしょうか?
たった今さっき起こった出来事を謝罪するとき、「深くお詫び申し上げます」では人ごとのように受け取られます。
8.陳謝いたします
「陳謝」の意味はこうなってしまった事情や理由、それまでの経緯を説明したのち謝罪をすることです。
漢字の意味をみてみるとわかりやすいと思います。
陳という字には述べるという意味が込められています。
「陳述」や「陳情」という熟語がありますね。
これらの熟語も事情を経緯とともに説明するなどの意味があります。
ただ単に謝罪するだけでは「陳謝」という言葉は使うことができません。
これまでお話ししてきたお詫びの気持ちを表現するフレーズとの大きな違いはそこにあります。
同じ謝るにしても、「謝罪」は罪を認めて謝るということですので、ビジネスシーンなどでちゃんと経緯や事情を説明し誠意を尽くしているということを表現したい場合には陳謝がよく使われます。