ですので、無くなった瞬間は、「どこかにあるかもしれない」と希望を抱けるわけです。
しかし、どれだけ探してもない、盗まれたのでとうてい戻ってこないという場合。
もう二度とそれに触れることができないことを理解したとたんに喪失感が押し寄せます。
大切な人やペットを亡くした時は、その時点でもう二度と会えないと理解できてしまうので、その喪失感たるや半端ないでしょう。
お気に入りの公園が、潰されて急に住宅地になってしまったとなったとき。
もう二度とこの場所で癒されることは無いと思ったら悲しくてしょうがないですよね?
このように、喪失感とは大切なものを失うことにより、壮絶な苦痛・苦しみを味わう感覚のことを言います。
心にあなたが空いたような感じ
喪失感のことをわかりやすくいうために「心にぽっかり穴が開いたような感じになる」と表現されることがあります。
今まで大切にしていたものや事柄が、無くなった時どんな気持ちになるか考えてみましょう。
それまであなたの心の中の大半がその大切なもので占められていたわけですよね?
それが無くなったら、心の中心が無くなったということですから、穴が開くと表現されるわけです。
さらに、穴があくとそこを風が通り抜けますよね?
ですので、「心に穴があいて、風がすーすー吹きぬけている感じがする」とも表現できるのです。
もちろん実際に心、いわゆる心臓に穴が開くことはありえませんが、イメージとしてはよくわかる表現です。
あなたは、心に穴が開くような体験をしたことがありますか?
なお、ここで言う喪失感は大切なものを失った時だけでなく、何かに没頭していたことが終了したということです。
例えば、「みんなで文化祭の準備を一生懸命やっていたが、文化祭が終わってしまったため生きがいを見失い、喪失感を味わった」というような時にも使います。
◯◯ロス
最近では、◯◯ロスという言葉がよく使われています。
それまでは主にペットを亡くした人が喪失感に苛まれる状態を「ペットロス」という言葉として使用されているのが一番多かったのです。
ですが、今使われているのは、テレビで放映されている人気ドラマの終了に伴う視聴者の喪失感を表すことばに使われることが多いです。
ロスという言葉ですが、損失とかむだを意味する言葉です。
つまりは「失う」という意味です。
ドラマが終了することで、視聴者が残念に思うことを「ロス」を使って表現した最初の言葉はおそらく「あまロス」です。
これは、NHKの朝の連続テレビ小説ドラマ「あまちゃん」が終了した時のことです。
各地でその終了を嘆いて喪失感を味わう人が多発したことを受けて「あまロス」という言葉が生まれました。
これをきっかけに、人気のドラマが終了すると「◎◎(ドラマ名)ロス続出」というように表現されるようになりました。
喪失感を感じると…
では、人は喪失感を感じるとどんな風になってしまうのでしょう?
もちろんこれは感情の問題ですので人によっても違うでしょう。
喪失感を強く感じているのに、他人から見ればどうもないつまり、喪失感を隠すことができるというような人もいるでしょう。
人が喪失感を感じると、どんなふうになってしまうのか。
喪失感がいまいちわからない、これが喪失感かどうかわからないという人にもわかりやすいように、いろいろな事例をあげながらみていくことにしましょう。
落ち込みがちになる
何かがきっかけで、喪失感を味わうと何でもないことにでも落ち込んでしまいます。
極端な例ですが、例え「おはよう」と言われたって落ち込んでしまう。
そんな状況です。
普段なら、そんなことくらいでは落ち込まないですよね。
でも、喪失感がきっかけで起こること全てに対して落ち込んでしまうというような状態になってしまいます。