相乗効果はプラスにならなければ意味がないので、マイナスの効果しか出なければ組み合わせを再考する必要があるようです。
相乗効果の類義語
ビジネスの世界では、異業種の企業がM&Aなどによって多角化経営を行って、相乗効果で売上が増えるような現象をシナジー効果と呼んでいます。
いわゆる相乗効果の類義語なのです。
スーパーの店舗の中に銀行やATMを設置したり、通販専門会社が工場を買収して原価を下げて利益を増やしたりすることもシナジー効果です。
相加効果
相加効果とは、それぞれの効果が足し算で得られるものです。
治療のために何種類かの薬を同時に飲んでも、それぞれの作用しか期待できない効果なのです。
飲み合わせることによって、劇的な作用は起こらないのです。
相乗効果との違いは?
相乗効果の「乗」という漢字は、算数では「×(掛ける)」という意味なのです。
乗数というのは、掛け算でいうと掛ける方の数です。
つまり、a×bという掛け算ではbのことを乗数と呼びます。
従って、相乗効果とは、算数の世界ではお互いに掛け算をして増える効果のことなのです。
では、掛け算ではなく足し算の効果というのはないのでしょうか?実は、あるのです。
これは「相加効果(そうかこうか)」と呼ばれています。
相乗効果と相加効果の違いを算数で表現するとよく分かります。
半人前の人が二人います。
半人前を算数で0.5と表しますと、相乗効果では、0.5×0.5=0.25ですが、相加効果では、0.5+0.5=1.0になります。
この場合では、相乗効果よりも相加効果の方がうまく行くのです。
薬の世界では、ある薬理効果のある2種類の薬を同時に飲むと、相乗作用で劇的に効く場合と、それぞれの効果しか現れない相加作用しか現れない場合があるのです。
相乗効果の対義語
相乗効果の対義語は何でしょうか?
二つ以上のものが集まって、効果を抑えるとか効果を下げるという意味なのでしょう。
対義語は相殺?
料理の世界では、出汁をとる時に相乗効果を考えます。
例えば、昆布と椎茸のうまみ成分を掛け合わせると、相乗効果でコクのあるうまみの出汁ができます。
科学的には、主としてグルタミン酸とイノシン酸の相乗効果なのです。
これに対して、相乗効果が出ない場合があります。
苦いコーヒーに砂糖やミルクを加えて苦みを抑えるとか、塩焼きの魚にレモンやカボスの果汁を垂らして塩味を抑える効果は、抑制効果といいます。
料理の世界での対義語は抑制効果です。
では、料理以外では、効果を抑えるか消すことを意味する相殺(そうさい)または中和です。
相殺(そうさい)とは、お互いが相反するものを持っていて、合わせるとその効果が差引されて消えてしまうことです。
経理の世界では、二人が同種の債権を持っている時に、相互の債権を対当額だけ消滅させる手法です。
相殺(そうさつ)と読むと、お互いを殺し合う意味ですから、間違わないようにお願いします。
相乗効果の使い方とは?
相乗効果という言葉は、どちらかというと良い効果が得られる時に使われるようです。
ポジティブな使い方が一般的です。
複数の要因により良くなったときに使う
単独ではうまくいかなかったことが、複数の要因が重なると、見違えるような効果が得られたときに相乗効果が出たと言うのです。