3.自分のミスに自虐風ツッコミ
どんなに腕のいいツッコミ担当もやはりミスすることはあります。
さっきも書きましたが、誰かと台詞がかぶったり、周囲の騒々しさに声が負けてしまったりなど、どうしてもあるものです。
こんな時彼らは必ず自分のミスをリカバリーします。
往々にしてそれは自虐的ですね。
自虐風ツッコミはそれすでにボケとも言えます。
普段絶妙なツッコミをしてる彼ですから、この自虐はかなりの確率で笑いがとれるでしょう。
でも、これはあくまで失敗したからこその措置です。
彼にとって敗北の証拠とも言える不本意な笑いです。
もしこんなことが何回も続くようですと、彼のプライドは粉々に砕けてしまうでしょう。
意外と彼らの心は繊細にできてるのです。
4.何もなかったら何もないことにツッコミ
何もないなら何もないで彼らにとっては大した問題ではありません。
目に映る全てがツッコミ対象ですから、何もないのであれば、何もないことに突っ込むだけです。
無から有を生み出す仕事人なのです。
そもそもツッコミ君の目には何もないということがありえません。
何もない状況でも、必ず周囲を観察しベストな道を探っています。
もしそのままでも問題なければ、あえて「無を拾う」ということもしません。
何もなく退屈だと周囲が感じているからこそ、ツッコミ君は仕事をしようと動き出します。
それによりその場に何かが生まれたのなら彼も仕事したかいがあったでしょうが、一度周囲が退屈に飲まれると、その倦怠感からは、いかに有能な「拾い屋」でもなかなか連れ出すことは困難です。
では、その場を拾うことに長けた人間でさえも、その場の空気に手も足も出なくなったらどうするべきでしょうか。
そんな時は、素直に引き下がり余計なことはしないようにするのがベストです。
沈黙なら沈黙を貫きましょう。
これはきっとツッコミ君本人も自覚しているはずですが、決して彼の能力不足でも敗北でもありません。
ここまで場が停滞するのは自然現象です。
どうしたって人間同士の集団ではこういう時は訪れます。
もしこの時になんとかしてやろうと野心を燃やし、じたばたあがくとたちまち彼は「空気が読めない人」となってしまいます。
ツッコミ君は本能でその境目を見抜きます。
ここまでは拾ってもいいけど、これ以上は逆効果だ、と動物的直観で引き際を感じ取っています。
あくまでツッコミはその場におけるベストの道を切り開く方法であって、いついかなる時でも笑いに変換できるというものではありません。
厳粛な雰囲気なら厳粛に合わせて、おバカな勢いならその勢いに乗じてと、状況に合わせて拾うものを変えることができるのが、ツッコミ君の能力と言えるでしょう。
️キレキレなツッコミで盛り上げよう!
ツッコミは世界を救うというのが、まんざら嘘ではないことが分かっていただけたでしょう。
その場を明るく、そして誠実な方向へ導くツッコミ、非常に奥が深いですよね。
僕も見習って、できる限りその場に優しい人間になりたいといつも思っています。
その為には「ツッコミ能力」を強化しなければいけませんね。
みなさんの「場を作る能力」に少しでも役に立てたのなら光栄です。