毎日仕事に追われて悪戦苦闘している横で、飄々とそつなく仕事をこなしている同僚をみると、つくづく
「あ~、いいな~、自分もあんなに器用にさくさく仕事がこなせたらいいのに!」
と思ってしまいますよね。

そう、職場に必ず1人は居る「なんでもそつなくこなしてしまう人」です。

でも、周囲から羨ましがられる彼らも、実は良い事ばかりではありません。

「なんでもそつなくこなす」ゆえの弱点もありますし、ついつい陥りがちな落とし穴も一杯持っています。

彼らは彼らで結構大変な思いをしているのです。

そつなくこなすのが得意な人の特徴と課題について詳しく見てみましょう。

なんでもそつなくこなす人にはある課題があった!?

なんでもそつなくこなす人は、時間を掛けずに仕事を仕上げることができて周囲からの評価も高い。

ビジネスの場でもプライベートでも何てもそつなくそれなりにこなしてしまいます。

かなりの多趣味で物知りだったりもします。

端からみると良い事づくめに見えなくもありませんが、実際はさにあらず。

彼ら自身が自覚している課題も沢山ありますし、彼ら自身が気づかない欠点も持ち合わせています。

そつなくこなす人=器用?

そつなくこなす人は、いわゆる器用な人と同じでしょうか?それとも違いがあるのでしょうか?

ほぼ同じ意味で使われていますが、そつなくこなすは、器用よりももう少しだけ範囲が広い意味で使われます。

「器用な人」というと、手先が器用というように具体的に1つ1つの作業(タスク)を上手にこなせる人というイメージが強いですが、「そつなくこなす人」は、いくつかの作業から構成された一連の仕事(プロジェクト)を上手にこなせる人といったイメージが強くなります。

詳しくみると、好悪のニュアンスもちょっとだけ違っています。

「そつがない」は「手落ちがない。手抜かりがない。無駄がない。」といったプラスの意味で使われることが多い一方、「器用」という言葉は、ちょっと鼻持ちならない、批判的な文脈で使われることが多い言葉です。

細かいニュアンスの違いを説明しましたが、現在、普通の人が会話する時には、特に意識せずに「そつなくこなす人」と「器用な人」はだいたい同じ意味で使われいます。

「そつがない」と出てきたら「器用」という意味なんだな?と思っても間違いはありません。

そつなくこなすのが得意な人の特徴


そつなくこなすのが得意な人のプラスの特徴を順番に見ていきます。

要領がいい

そつなくこなすのが得意な人は、とにかく要領がいい人、手際が良い人です。

要領がいい、手際がよいとは端から仕事をしている様子がテキパキさっさと無駄がない様子を指しています。

仕事や作業はそれぞれ上手にこなす為のポイントやコツがあります。

普通の人は何度も繰り返す中でポイントやコツを覚えていくのですが、要領がいい人は初見やたったの数回繰り返すだけで、ぱっとコツが分かってしまうのです。

もちろん得手不得手はありますので、万能という訳ではありませんが、どの仕事をやらせても圧倒的短時間にコツを覚えてしまう、そんな要領がいい人達なのです。

要領がいい人には先天的な人も多いですが、後天的な人もいます。

この能力は、問題解決のトレーニングや切羽詰まった土壇場・修羅場を数多く経験することで磨くことができます。

【要領がいい人については、こちらの記事もチェック!】

頭の回転が速い


そつなくこなすのが得意な人は、とにかく頭の回転が速い人です。

頭の回転の速さには、確かに個人差があります。

ですが、先天的というよりも後天的な影響が大きいようです。

ハードウェアとしての脳のスペックは同じ人間ですから2倍も3倍も違いがあるわけではありません。

小さい頃から、物事をよく考え、本を沢山読んで様々な事に脳を活発に使って育つことで社会人になった時に普通の人より数倍頭の回転の速い人と見なされる事になるのです。

「あぁ、俺小さい時遊んでばかりで勉強なんてしなかったからな~」
と諦める必要はありません。

必要は発明の母、人間の脳は70歳、80歳になっても新しく神経シナプスの結合は活発に行われる事が分かっています。

脳細胞の総数は年を取ったら減っていくだけという常識も間違いでことが分かりました。

新しい記憶に影響する海馬とよばれる部位では年齢が幾つになっても新しい神経細胞が誕生することが判明しました。

中年を迎えたロンドン公認のタクシー運転手は、ロンドンの迷路のような道路をすべて覚えないと資格が取れません。

彼らの脳を脳科学者が調べたところ、海馬が20%近くも増大していることが分かりました。

必要とあれば脳は大人になってからでも、いくらでも発達させる事ができます。

自分は頭の回転が遅いから、と諦める必要はないのです。

理解力が高い

そつなくこなすのが得意な人は、とにかく理解力が高い人です。

仕事や作業には、インプット、プロセス、成果物の他に、使う道具・リソース・協力先や、仕事や作業そもそもの背景や目的、求められる納期など様々な情報が付随します。

そつなくこなすのが得意な人は、言われた事の理解は当然のことですが、これらの付随情報の確認が必要だなと感じた時は、視野を広く持って的確な質問をします。

素早く深く仕事や作業を理解します。

理解力は、多くの場数を踏むことでも身につけることが出来ます。

理解力が高い先輩や同僚が、仕事や状況を理解する能力を発揮する場面を注意深く観察することでも身につけることが出来ます。

ビジネストレーニングやケーススタディで擬似的に体験を増やすことで身につけることも出来ます。

逆にどれだけ地頭が良い人であっても、ビジネスの現場の経験が少ないと、ビジネスでそつなくササっと理解できるようにはなれません。

能力の有無に関わらず、ある程度仕事で場数を踏んだ上で発揮される特徴と言えるでしょう。

理解力の高さについては普通の人も努力次第で十分に真似できます。

(ビジネスの現場で役立つレベルの理解力の高さは誰でも十分に発揮可能です。)

感情に左右されない

そつなくこなすのが得意な人は、感情に左右されにくい人です。

誰でも人間ですから、興味のある事、興味のわかない事があります。

つまらないなと思うことも一杯あります。

気分が乗っている時も、あまりやる気が出ない時もあります。

それでも仕事は仕事と割り切って、必要な事を感情を含めずササッとやってしまいます。

そもそも好き嫌いがあまり無い人も結構多いようです。

何にでもそこそこ興味を抱いて、指示されれば淡々と処理してしまえるのです。

何でもそつなくこなすのが得意な人と皆から思われることになるのです。

人間関係のポイントをおさえている

そつなくこなすのが得意な人は、人間関係のポイントも良く抑えています。

仕事や作業のコツやポイントを抑えるのが得意なぐらいですから、人間関係のポイントを抑えるのもお手の物です。

ビジネスの現場は過酷です。

そつなくこなせる人の場合は特に、毎日様々な上司や関係部署から厳しい納期で沢山の仕事の依頼が入ってきます。

全部を全力で受けてしまっては、どんなに仕事が速い人でもパンクしてしまいます。

そつなくこなすのが得意な人は、そんな時に
「誰の仕事を優先すれば良いのか、
 誰の仕事を断るためには誰にどう話しをすれば良いのか、
 誰の仕事はしばらく放置しても大きな問題にはならない、
 この仕事は別の誰かに振ることで自分がやらなくても良いはず、彼ならば受けてくれる に違いない」
などと瞬時に判断して行動できる人です。

そつなくこなすのが得意な人は、人間関係をよく把握しているので無理な仕事を押し付けられることもなく、組織の中で評価を落とすこともなく、飄々と仕事をこなしていけるのです。

危機管理能力が優れている

そつなくこなすのが得意な人は、危機管理能力にも優れています。

そつなくこなすのが得意な人は、隠れた危険のキザハシ・ちょっとした兆候を見つけ出すことがとにかく得意です。

まるで経験豊かな刑事(デカ)か推理小説に出てくる名探偵シャーロック・ホームズの観察術のようです。

問題は大きくなってからでは対処が大変です。

問題が小さい内であれば、より少ない労力で対処することが可能です。

そつなくこなすのが得意な人は、危機をすばやく察知したら間髪おかず、どう解決すれば良いかについても判断して行動をすることで危機に対処するのです。

小さなミスや欠点を気にしない

そつなくこなすのが得意な人は、小さなミスや欠点をあまり気にしません。

重要なこと、仕事のポイントを抑えることに長けている人ですから、同時に些細と判断したことについては、ミスや欠点があって当然だと考えているのです。

ビジネスの世界は、よく戦争(ウォーゲーム)に例えられます。

戦争の作戦に於いては、味方の被害がゼロで敵を全滅させる完璧な作戦は存在しません。

ビジネスの世界も同じです。

「選択と集中」という言葉をお聞きになった事がある方も多いでしょう。

ビジネスで勝つ為には、つまり成果を挙げるためには、重要なポイントを正しく選択してリソース・労力を集中することです。

選択されなかった部分は手薄になりますし、部分的には負けることも致し方ないのです。

非情に見えますが、ビジネスの現場は学校の100点満点を目指す試験勉強とは違うのです。

完璧主義ではうまくいきません。

完璧よりも速いことが大事です。

「拙速を尊ぶ」のです。

人の見てないところで努力している

そつなくこなすのが得意な人は、実は人の見ていないところで努力している人も多いのが実情です。

学校にもクラスに1人は居たでしょう「おれも勉強なんて何もしていないから」といいながら陰で必死に勉強して良い点をとっていた秀才君です。

そつなくこなすのが得意な人には、実は2種類いるのです。

特に努力していなくても何でもこなせてしまう真性の天才タイプと、そこそこ才能があるけれど人知れず努力することで秀でた才能を示している秀才タイプです。

真性の天才タイプは実は非常に数が少ないのです。

東大生は同世代の1000人に1人しかいませんが、更に東大生の10人に1人ぐらいしか天才タイプはいないのです。

日本国中で同じ年にたったの100人ですね。

それ以外は、みんなそこそこの才能+努力型の秀才タイプなのです。

あなたの職場にいるそつなくこなすのが得意な人は、天然記念物級の天才タイプでしょうか?それとも努力型の秀才タイプでしょうか?

好奇心がある

そつなくこなすのが得意な人は、好奇心が旺盛です。

ビジネスにおいてもプライベートでも新しいことを見つけると目を輝かして取り組みます。

新しいものごとを見つけて取り組むことで、ポイントやコツを見つけることがどんどん上手くなっていくのです。

新しいものをマスターした成功体験をすることで、また次の新しいことに取り組むモチベーションが湧いてきます。

非常に多趣味な点もそつなくこなすのが得意な人の特徴です。

そういう意味では、そつなくこなせる人の大元の特徴を1つ挙げるとすれば、この「何にでも好奇心が旺盛」なのかもしれません。

自信家でプラス思考

そつなくこなすのが得意な人は、自信家でプラス思考です。

そつなくこなすのが得意な人に成長するためには、自信家でプラス思考な人であることは重要です。

自信家でプラス思考であるからこそ、新しいことに好奇心をもって取り組んでコツをつかむ経験を蓄積することができるのです。

ちなみに、この自信家・プラス思考は多くは後天的に獲得されるものです。

幼少期の家庭での教育方針の影響が大きいと言われています。

躾として、あれはダメこれはダメと叱ってばかりだったり、もしくは虐待をうけるような環境で育ってしまうと、自信家・プラス思考な人間には成長しづらいでしょう。

もちろんダメなことをした時は叱らなければなりませんが、自発性を褒めて育てる育て方が理想的です。

・自発性を尊重して子供が新しい事にチャレンジすることを促す。

・成功したら褒める。

・失敗しても良かった点を見つけてプラスの判断を子供が自分に下せるように褒めて慰めてあげる。

こういった子育てなら理想的です。

新しいことをマスターした成功体験を繰り返すことで行動力のある揺るぎない自信家に成長していきます。

好き嫌いがない

そつなくこなすのが得意な人は、あまり好き嫌いがない人です。

もちろん人間ですから、好き嫌いが完全にないわけではありませんが、毛嫌いするとか、妄執するほど1つの事が好きといった人は稀れです。

人間は興味を持ったことを好きになります。

興味がないこと、関心がないことに対しては好きになりようがありません。

なんでもそつなくこなす人は、上で説明したとおり、なんにでも興味を持つ多趣味は人です。

つまり、幅広くいろいろな物事に興味があるので、薄く広くいろいろな物事が好きなのです。

人間は興味があることについて、あまり嫌いにはなれないものです。

住めば都ではありませんが、ある程度興味をもって知った物事には、皆それなりに魅力となるポイントがあります。

ポイントを素早く見抜くワザに長けているわけですから、その物事の魅力も十分理解できてしまうのです。

他人の仕事も快く引き受ける

そつなくこなすのが得意な人は、他人の仕事も快く引き受けることが多い人です。

もちろんこれにはカラクリがあります。

多くの場合、実は他人の仕事を快く何でも引き受けている訳ではありません。

人間関係のツボをよく心得て、損得勘定をしっかりした上で、自分が得意で苦もなく処理できると判断した仕事について、快く引き受けているのです。

その取捨選択が見事なバランスなので、いつでも困った時には他人の仕事を快く引き受けてくれているように皆が思うのです。

いずれにせよ、他人の仕事も快く引き受けてくれる人、という評価が定着している人です。

負けず嫌い

そつなくこなすのが得意な人は、実は負けず嫌いな人です。

上でも延べましたが、そつなくこなすのが得意な人は99%が実は天才型ではなく後天的な秀才型です。

小さい頃から新しいこと何にでも興味をもって取り組んで褒めらる成功体験を積み重ねて今の姿に成長しています。

つまりちょっとした競争で負けることにはあまり慣れていません。

ですので、不運にして、取り組んだ仕事や作業で近くの誰かに負けてしまった場合、表向き普通を装っていても、実際はかなり悔しがっています。

子供の頃なら、悔しさを前面に出して「もう一度!」と叫んだかもしれませんが、大人ですから、悔しさを噛み締めて次の機会には必ず勝とう!と人知れず特訓したりするのです。

ちょっと子供っぽいなと思うかもしれませんが、それも1つの個性です。

優しく見守ってあげてください。

【負けず嫌いな人については、こちらの記事もチェック!】

そつなくこなすは褒め言葉?実は課題もたくさんなんです

「そつなくこなす」は本来、冠婚葬祭や商人の仕事が手抜かりなく無駄なく見事に行われる様に使われた表現だったのですが、最近では「なんでもそつなつこなす」と言われたらちょっとニュアンスが変わります。

もちろん賞賛の意味もありますが、多少のやっかみが入っていると思ったほうが良いでしょう。

そつなくこなす人がどのような課題を抱えがちなのか、見てみましょう。

同僚に嫌われやすい

そつなくこなす人は、職場に於いては実は結構嫌われやすい存在です。

みんな誰だってスマートに仕事やプライベートの趣味をこなしたいのです。

それが中々できずに四苦八苦している横で、飄々と同じような仕事を汗もかかずにこなしてしまう人がいたら、凄い才能だ!とは思うと同時に多少のやっかみを感じない人はいないでしょう。

例えばあなたが先輩で仕事を教えたとしましょう。

数日もしないうちにあなたよりも上達して素早く出来るようになってしまったら、悪気が一切なかったとしても教えたあなたの立場は丸つぶれです。

でも、そつなくこなせてしまう人は新しい事を学ぶことが大好きで興味全開で取り組みますので大体こういう状態になってしまいます。

趣味についても、同じです。

仲間内で楽しくダベりながら趣味の話しをしている所に偶然通りかかって興味を持たれてしまったらもう大変。

1ヶ月もしないうちに仲間内の誰よりも詳しくなってしまうでしょう。

せっかくまったり楽しんでいた仲間内の雰囲気が何処かに行ってしまいかねません。

加えて職場においては、人間関係の要所を抑えることも大変得意です。

選択と集中で、重要でないと判断できた部分はどんどん手抜きをして上司に気に入られる成果を要領よく挙げていく訳ですから、余程注意をしないと、同僚に嫌われやすい存在になります。

とある調査で、20代後半から30代の女性のアンケートでは「何でもそつなくこなす人」と意味が非常に近い「器用すぎる人」が嫌い!と答えた人が20%近くに及んだ例もあります。

ちなみにマツコ・デラックスも「器用すぎる人が大嫌い!」なのだそうです。

もちろん職場は効率良く仕事をこなして利益を上げることが必要な場所ですから、無理に才能を隠す必要はありませんが、無意味に同僚の自尊心を傷つけたりする事がないよう気を付けましょう。

器用貧乏になりやすい

そつなくこなす人の中には、本当になんでも仕事を引き受けてしまう人もいます。

褒めて伸ばす教育で一貫して育てられた非常にポジティブな人に多いです。

いい用に利用されて自分が損を被っているなどというネガティブな考えが全く湧かない人です。

新しい頼まれ事を依頼されると、目を輝かせて取り組んで、結果が出ることにワクワクしてしまうのです。

もちろんビジネスにおいて、多くの声が掛かることは素晴らしい事です。

高く評価されているからこそ、沢山の依頼が舞い込む訳です。

普通の人より仕事が速くてポイントを抑えた必要十分なアウトプットを短時間で出してくれる存在ですから、上司も周囲も関係部署も、そしてクライアントにとっても大変重宝する存在と評価されているのです。

ですが、なんでも仕事を引き受けてしまう状態が長く続くと多くは「器用貧乏」の状態になリがちです。

人間いくら優秀とは言っても、あまりに多くの種類の仕事を同時並行的に取り組むと、どれもある程度のレベルまでしか到達できなくなります。

2足のわらじ、場合によっては3足のわらじを履くことで、オンリーワンの専門性を持った人財になるという方法は大いに取り組むべきです。

ですが、5足も10足も同時に履こうとしたらうまく行きません。

どのジャンルもそこそこのレベルで止まってしまうでしょう。

2流のスキルが10個できる人は、何か手が足りない時には使いたいですが、ココゾ!というような大事なプロジェクトではお声が掛からなくなってしまいます。

多芸多才で有名だったダヴィンチのような歴史上の天才や、現代の天才と呼ばれる人達も、同時に5つスキルを極めたりはしていません。

同時には1つもしくは2つ程度についてマスターと呼べるレベルまで習熟してから、次のジャンルに広げているのです。

結果として現在、多芸多才に見えるからといって、全部一斉に始めた訳ではないのです。

「多芸は無芸」です。

なんでもそつなくこなすのが得意な人は、器用貧乏にならないよう、くれぐれも注意が必要です。

執着心がない・飽きっぽい

そつなくこなす人の中には、執着心がない人が少なくありません。

もちろん権力志向、上昇志向ばりばりで、そつなくこなすスキルも持ち合わせている人も沢山いますが、そうでない好奇心の塊のような人だった場合は要注意です。

執着心が少ないことは、倫理や道徳や宗教の世界では素晴らしい美徳とみなされます。

実際に素晴らしい美徳ではあるのですが、ビジネスの場で執着心が少ない人というのは、ちょっと困りものです。

ビジネスにおいては、利害関係者がチームを組んで、お互いが利益を得るWin-Winの関係を作って協力しながら成果を上げることを目指します。

そんな中に、仕事はやたら出来るけれど執着心が非常に薄いビジネスパーソンが混じってしまうと、これはちょっとした不協和音・事故発生です。

プロジェクトに真新しさが合って彼の興味を満足させている間はうまく回るでしょうが、仕事が安定期・停滞期に入ったり、ちょっと暗礁に乗り上げてしまったりした時が問題になります。

そつなくこなすのが上手な人はとにかく好奇心が旺盛なので、変化がない状態が長く続くとどんどん仕事への意欲が減退していきます。

障害が発生した時も、解決可能と判断できれば大喜びで対応しますが、要点やポイントを見分ける能力に長けていますから、解決困難、今後衰退する一方だと判断した場合は、さっさと諦めてしまいます。

そこを粘ってなんとか盛り返そう!というような守りには余り強くありません。

執着心がなく、好奇心のかたまりのような人ですから、
「ダメならさっさと中止して、次面白そうな事見つけてやりたい!」
となるのです。

なんでもそつなくこなすのが得意な人で特に好奇心のかたまりのような人は、粘り腰や守りや逆境に弱い傾向が強い人です。

能力の高い人達ではありますが、プロジェクトメンバーに選ぶ時には、適材適所を心掛けましょう。

創立メンバーには最適ですが、撤退戦のようなプロジェクトには全く向いていません。

伸び悩む

そつなくこなす人は、伸び悩む場合があります。

人間は何か新しいことにトライする時、トライ&エラーを繰り返すことで一歩一歩習熟していきます。

失敗して悔しい思いをしながら、失敗した原因を考えて反省することで徐々にスキルを身に付けて行きます。

ところが、なんでもそつなくこなせてしまう人は、それ程苦労することなく最初からある程度のレベルまで到達できてしまいます。

ゲームでも恋愛でもそうですが、最初から苦労もせずに成功してしまうと、せっかくゲームをクリアしても、恋愛で異性と付き合えたとしても嬉しさを感じることができませんよね。

なんてもそつなくこなせてしまう人は、ブライベートもビジネスも、すべてこの状態が続くのです。

プライベートの趣味のジャンルであれば、より上のレベルのすばらしいプレイや作品を見ることで、更に上を目指そうとのめり込む事も可能です。

ですが、ビジネスの世界では、ある程度のレベルで十分対価と評価を得ることが出来てしまいます。

そして多くの場合、それ以上のレベルを極める時間を与えてもらえないケースが多いのです。

となると、ある程度のレベルまでで満足してしまい、より上のレベルを目指す気持ちが萎えてしまうのです。

結果ビジネススキルが伸び悩む事になります。

「すぐに出来てしまう事にそれほど価値はない」

これは人間心理に深く刻み込まれている法則です。

習得する能力がありすぎることも考えものですね。

手抜きをする人と思われる可能性がある

そつなくこなす人は、手抜きをする人と思われる可能性があります。

上のほうでもちょっとだけ説明しましたが、そつなくこなす人は仕事の要点を抑えることが得意です。

「選択と集中」を上手に使うことで、重要なことにだけ労力を集中して短時間に大きな成果をあげます。

ということは、それほど重要ではないと判断した事については労力を使わないということです。

見方によっては「手抜き」です。

たとえば某国際的スポーツの祭典でパクリエンブレム疑惑で一時大きく騒がれたデザイナーがいました。

事の成否への言及は控えますが、彼などはまさに「なんでもそつなくこなす人」ですよね。

本人のデッサン力は置いておくとして、同時並行でありとあらゆるクライアント企業のニーズに合わせたそれなりのアウトプットを量産していました。

生産性でみれば驚異的です。

ですが、デザインの意匠にエクスパイヤーされたというには余りにも目に余る「パクリ」創作物が次から次へとバレてしまいました。

パクリではない!と強弁して広告業界も追認することで現在また第一線で働いていますが、百歩譲ってパクリでないとしても、壮絶な「手抜き」であることは間違いありません。

なんでもそつなくこなすのが得意な人は、脚光を浴びやすい人です。

その時に今までの仕事の中で「手抜き」が指摘されると、天国から地獄に落とされるような事にもなりかねません。

「選択と集中」に基づいて手抜きをしなければならない場合でも、最低限のバランス感覚は忘れないようにしましょう。

そつなくこなす人についてまとめ

本稿では、なんでもそつなくこなすのが得意な人の特徴と注意点(課題)について紹介しました。

なんでもそつなくこなす人は、能力が非常に高い人です。

ビジネスに於いては特に評価され重宝される存在です。

ですが、欠点のないスーパーマンではありません。

周囲に嫌われやすかったり、器用貧乏になりやすかったり、逆境に弱かったり飽きっぽかったり、それから手抜きのしすぎの危険性など注意すべき点もあります。

そつなくこなせる人は企業や社会の宝です。

上手に能力を活用していきましょう。