「別居」…、何ともやり切れないというかやむをえないというか。
必ずしもハッピーな気分を表さない表現の第一人者のような言葉です。
別居は男女が共同生活を送る上での必然且つ運命的な進路にあるものなのでしょうか?
とにかく一つ同じ屋根の下に一緒に住む事が不可能になってしまったのですから、一時的にせよ長期になるにせよ、二人の問題の解決手段の糸口に位置づくものであることは確かでしょう。
では今回は残酷な結末をイメージさせてしまう「別居」について考えていく事に致しましょう。
別居のメリット・デメリット
まずは別居する事のメリットとデメリットを見ていきましょう。
人間の行う行動にはいかなるものにもメリットとデメリットが共同しています。
片方だけが特にいい、という事は少ないでしょう。
それではまず、メリット面からです。
メリット
別居のメリットを3つ、ご紹介して参りますね。
気持ちの整理ができる
別居のメリットの1つ目は「気持ちの整理ができる」です。
パートナーや夫婦が別居に至ろうとするという事は、そこへ到達するまでの間に様々な紆余曲折があったという事です。
それは一口では言い表せない諸々の蓄積です。
簡単に結論を出せるようなものでもないでしょう。
よって一旦、夫婦別居の態勢を取り、お互いの顔を見ずに気持ちに落ち着きを取り戻して頭を冷静にし、気持ちを整理する期間が双方に是非とも必要になってくるのです。
それがお互い踏ん切りがつかず、相変わらず同じ屋根の下に住んで毎日顔を会せ、口を開いたら喧嘩ばかりしている。
これでは双方の意見の集約もできず意見交換も冷静にやれず、ただいたずらに時間だけが無意味に過ぎていく、というパターンに陥ってしまう事でしょう。
これでは事の進展を期待するのにも無理が生じてしまいますね。
そういった意味で思い切って別居し、互いの気持ちの整理をこの間につけておけば、次の行動がぐんと起こしやすくなるという訳なのです。
戻りたいと思ったときに戻ることができる
別居のメリットの2つ目は「戻りたいと思ったときに戻ることができる」という事です。
別居期間というのはお互いが気持ちを整理し頭を冷やす時です。
係争中の2人が同じ住居に住んでいたら何かと感情的になりトラブルが悪化するばかりかも分かりません。
そこで両者が協議した結果、取りあえず一旦別居、という結論に至るのですが、両者の気持ちが冷静さを取り戻し、また一緒に住んでもいいか、という気持ちになったなら元の鞘に収まる、というプランを取り入れてもいいのです。
勿論、この場合は両者の相互承認が事前に会った方がすんなりと戻りやすいでしょう。
いずれにしても、別居という期間は、両者が冷静になるための期間です。
それで気持ちが落ち着き自分にも落ち度があった、という気持ちになれば素直に謝るためにもまた一緒になって生活を始めればいいのです。
つまり別居というのは永遠の別れではなく、戻りたいと思った時にまた戻る事が出来るという一種の猶予期間のようなものなのです。
自分の時間を作れる
別居のメリットの3つ目は「自分の時間を作れる」です。
この「自分の時間」の確保が出来るのが別居の大きなメリットと言えるでしょう。
いくら家庭内別居の形を取っていても相手と全く接触しないわけにはいかないでしょう。
時には最低限の会話も行わなければならない事も出てくるかもしれません。
そうなると、一人落ち着いてこれからの事を考える時間を邪魔されてしまって最良の解決方法が発見出来なくなってしまう可能性もあるかも分かりません。
別居は干渉される事のない最も簡単で効率的な方法です。
別居のメリット面はあなたを落ち着かせ、考える時間を与えてくれて頭の中を整理するのに最適な環境を与えてくれる、という訳なのです。
デメリット
では次に別居する事のデメリット面を考えてみましょう。
金銭面
別居のデメリットの1つ目は「金銭面」です。
別居するという事は、当然ながら住居が2ついる、という事になります。
今までの住居にどちらが住み続けるのか分かりませんが、いずれにしてもそれぞれの住居に家賃なり住宅ローンの支払いなどの名目でお金がかかってくることは間違いありません。
夫婦共働きでギリギリの生活を送っていたとしたら、住居費をそれぞれが負担するというのは、家計においてかなりな圧迫になるのは容易に想定できます。
人間、生活していくためにはそれなりのお金が必要になることはどんな人であっても避けられません。
よってもし万が一、別居という事態になるとするならば、最低限かかる費用を予め掴んでおかないととんでもない事になってしまいます。
よって一時の感情だけで別居を決めるという事態にだけはならないよう、冷静に判断すべきでしょう。
子供の心のケア
別居のデメリットの2つ目は「子供の心のケア」です。
結局、夫婦が別居したり離婚したりした時に最大の被害を被るのは子供です。
成長するまでは親に頼り切らなければならない存在だからです。
子供にとったら、両親が普通にいることが唯一の救いなのです。
片親になってしまうとどうしても成長段階において心のバランスが偏ります。
健全で世の中に出しても恥ずかしくない子供を思うのならば親が離れずに一緒にいる事が最も大切な道なのです。
もしあなたがた親が、どうしても別居の道を選ばなければならないのなら、最低限、子供へのフォローやケアは怠ってはいけません。
自分が一人になってせいせいした、と思っているのなら、それはとんでもない誤りだという事を自覚してくださいね。
自分自身の心のケア
別居のデメリットの3つ目は「自分自身の心のケア」です。
何だかんだ言っても別居すれば最もダメ―ジを負ってしまうのは自分自身です。
別居する原因が何であったにせよ自分自身が別居する事によって負う心の傷は案外深く痛いのです。
それを一人になって頭が整理されるからとか冷静になれるとか自分に言い聞かせたとしても、一人になってしまった現実感は想像以上にあなたに襲い掛かってきます。
受ける必要もない「社会的制裁」を受けているかのような錯覚にも陥るでしょう。
よって別居する事によるあなた自身の心のケアが非常に重要視されてしまうのです。
放置していると罪の意識にさいなまれて、自身にとんでもない仕打ちをしでかしてしまう事もあり得るかも分かりません。
別居してしまった相手との理由が、納得いかないままに双方離れてしまったら、寂しさや自己嫌悪などのダメージがあなたを襲ってくるでしょう。
これは経験したことのない人には分からない別居のデメリットなのですよね。
よって自分自身への心のケアを万全に取っておく必要があるのです。
別居をするときの10個の注意点や事前に考えた方が良いこと
それではここからは別居をするときに注意したい事や事前に考えておいた方が良い事を合わせて10個、紹介して参りましょう。
別居は決して軽はずみな思いで行ってはいけないもの。
今一度、頭を冷静にして判断を間違えないよう、参考にしてみてください。
1.別居の準備
まず最初は、別居をやらなければならなくなった場合の準備の諸々です。
別居というものは「はいそうですか」と売り言葉に買い言葉で簡単に決めにくいもの。
後先考えずにその場の勢いだけで突っ走ってしまっては、必ずや後になって「しまった!」という思いに心が沈んでしまいます。
よって別居を始めようと思った場合は、急に思いつくのではなくじっくりと時間と思考を重ねて行動に移していかなければならないのです。
事前に必要事項を調べておく
その為に、別居しようと心に決めたならば何をやらなければならないのか、どういう準備を行っていくのか、など事前準備を抜かりなく行っておく必要があるのです。
何事も行き当たりばったりで行ったら、ろくな結果が待っていません。
特に別居ともなれば生活スタイルがそれまでと180度、急変する可能性があります。
細心の注意でこれでもか!というくらいのレベルまで事前準備を行いたいものですね。
2.別居にかかる費用
別居をするときの注意点や事前に考えておいた方が良い事の2つ目は「別居にかかる費用」です。
別居にお金は付き物です。
住居を引っ越さなければならないのですから思った以上の出費を覚悟しておく必要があります。
別居するというのは基本的に今まで住んでいた家からあなたが出てゆく、という図式が一般的でしょう。
別居された方はそのまま、今までの家に残るわけですからね。
よって別居を決めた日から、あなたはまず引っ越しにかかる費用全般を見積もっておかなければなりません。
持って行く荷物が多ければそれだけ運搬トラックも大掛かりになります。
かと言って身一つで飛び出すわけにもいかないでしょう。
それか、家具や荷物類は新しい住居が決まった段階で新たに買い足すか、です。
いずれにしても生活用品一式を一から準備していこうと思えば、思った以上の出費になることは避けられないでしょうね。
金銭的にやりくりしていけるか
次に挙げられるのは、引っ越してからの生活費です。
金銭的にちゃんとやりくりして生活していけるだけの収入があるのか。
ここをしっかりと見極めておかないと話が全く前に進まなくなってしまいます。
という事は、別居を始めようと思ったら、新居に移るための諸々の費用。
そしてこれから生活を始めていくための費用。
まずはこれだけのものをしっかりと頭に入れて計算しておく事が求められる訳です。
こうやってみると、人間、何かをするときはお金が必要だという事です。
もし、突発的に別居を思いついたのではなく半年や1年の時間の猶予があるならば、せっせと資金を貯めておく事ですね。
お金はいくらあっても困りませんからね。
3.別居できる環境にあるか
別居をするときの注意点や事前に考えておいた方が良い事の3つ目は「別居できる環境にあるか」です。
例えば、あなたはご主人の親御さんと一緒に暮らしていたとします。
そしてその親御さんが介護にかかっていてあなたが毎日、面倒をみていたとします。
さてこの状況を放棄してあなたは別居に走れるでしょうか?
別居するためには、あなたを取り巻く生活環境が足かせになってしまう場合があります。
よって前もって、計画的にそのような足かせになるような環境を変えておく必要があります。
別居ができる条件とは
基本的にあなたが最も別居しやすい環境というのは、夫婦二人だけの世帯の場合です。
二人だけならば誰からも邪魔はされません。
また、自分が出ていったとしてもそれによって迷惑を被る対象は、相手の旦那さん一人だけ、という事になります。
つまり何かを行うに当たって、自由を拘束してきたり、邪魔になってくる対象者がいない事がスムーズに別居を成立させる条件になってくるのです。
よって、もし本当にあなたが別居を真剣に考えているのなら、自分がいなくなったせいで誰かに大きな損失を与えないような環境を作っておくことが肝要でしょうね。
4.仕事はできる状態か
別居をするときの注意点や事前に考えておいた方が良い事の4つ目は「仕事はできる状態か」という事です。
これは別居してからの生活費の確保の問題です。
誰かが生活の面倒をみてくれる別居(例えば実家に帰る)ならばいいでしょうが、大抵は自分自身の力で局面を打開していかなければならないケースがほとんどだと思われます。
よって別居後に仕事があるかどうか、というテーマが非常に重要になってくるのです。
生活費の工面はできるか
別居後の仕事の心配をする理由はズバリ「生活費」です。
生活していくための費用を捻出するためにも仕事は必要です。
別居してから仕事を探せばいい、というスタンスでは大きく心もとないのは非常に明白です。
出来たら仕事が定着しているくらいの生活スタンスを確保してから別居という行動に移った方が、すんなりと新しい生活に入っていける事でしょう。
もしあなたが女性の立場であったなら、年齢にもよりますがいきなり条件のいい職場を見つけるのはそれ相当の覚悟が必要となります。
いくら景気がいい時であっても自分のやりたい仕事と実際ある仕事とは大きなギャップがある場合が多いからです。
よって別居を感情的に突発的にやってしまうと自分の身が非常に危険になるという事実をよく踏まえて行動に移す準備を行いたいものです。
5.子供は引き取るか
別居をするときの注意点や事前に考えておいた方が良い事の5つ目は「子供は引き取るか」です。
夫婦二人だけの生活だったのならば、精神的にはだいぶ楽だったでしょう。
ところが別居するにおいて子供の存在のあるなしが、自身にとってどれだけ大きな心の負担になるのか。
ここをしつこいくらい何度も再確認する必要があるのです。
いつの時代になっても、親のエゴのせいで犠牲になるのは子供ですからね。
子供との話し合いが必要
別居するに当たって子供の問題がネックになってしまう大きな要素は費用を伴う「子育て」の部分にかかってきます。
子供を育てるには「愛情」プラス「お金」が必要です。
「子は黙っていても育つ」と昔から言いますが、それは食べるものさえあれば確かに身体は大きくなるでしょう。
今、私が言いたいのはそういった問題ではなく「情操教育」、つまり人としてこれから社会に巣立っていくときにどれだけ世の中に順応できる人間になっているか、思いやりや心遣いというものを理解できた子供に育っているか、という部分なのです。
ハッキリ言って女性一人で子供育て上げるのは、並大抵の苦労ではありません。
子供が分別の分かる小学校高学年になっていれば手はかからないだろう、という発想も正しくはありません。
幼児期に幼児期の、小学校のときには小学校の、中学生になったら中学生に相応しい親としての愛情のかけ方が必要になるのです。
それなのに生活費の工面のために子供をほとんど放置して一人にさせてしまう。
確かに子供は食べるものがあれば身体の発育は出来ますが、心の成長がそれでは出来なくなってしまうのです。
だから、子供がいる場合の別居は十分な話し合いが必要です。
いえ、話し合いをしたからといって満足いく回答は出ないでしょう。
それが別居というものです。
子供にとったら二親がいないという現実がどれほど心の負担になっているか。
そこを親は慮る必要があるのです。
6.子供の心のケアはできるか
別居をするときの注意点や事前に考えておいた方が良い事の6つ目は「子供心のケアはできるか」です。
自信のエゴのために行う別居において、いつも犠牲になるのが子供です。
子供は親の行いに対して何も抗えません。
ただ黙ってついていくだけです。
ただ、本当は腹に溜まった思いが子供心に必ずあるはずです。
それを親はいかにして掘り起こして子供の口から話してもらうか。
実の親子でしか出来ない行為を、この時に行っておかないと後々、いろんな面でとんでもない事態が勃発しないとも限らないのです。
子供のことを思っていても子供は素直に思ったことを口に出す
ただ、子供がまだ2歳未満の子であれば子供の意見を聞くという行為は無理があるでしょう。
よって子供の心をケアする必要が発生するのは子供に両親の存在がはっきりと認識されだして年齢からとなってくると思います。
子供を引き取って世話しようと思っている親の立場に立てば、自分の取る行動が子供のこれからのためにおいて絶対に正しい行動だ、と固く信じているに違いありません。
そうでなければ子供を女手一つで育て上げるという困難な道を選ぶはずがありませんからね。
それはそれで非常に毅然とした素晴らしい行いだとは思います。
ただ、少し待ってください。
本当にあなたの選択を子供は腹の底から納得しているのでしょうか?
言いたい事があるのだが、子供なりに親に気を遣って我慢しているのではないでしょうか?
子供にとったら、親の仲がどれだけ悪かろうと大切な父親であり母親である事に変わりはありません。
幼少期から親から本来もらえていたであろう「愛情」が片方、欠けてしまうのはこれから少年期を迎える子供にとったら、たまらない「ハンディ」となるのです。
親は子供が口から出す素直な言葉を聞かなければならないのです。
その機会を奪ってはいけないのです。
子供なりに言いたい事を言えた、という経験は今後の人生において必要な事となるのです。
子供との遠慮のない押し付けのない、腹を割った話し合い。
別居する前に設けてあげるべきだと思いますよ。
7.気持ちを強く持てるか
別居をするときの注意点や事前に考えておいた方が良い事の7つ目は「気持ちを強く持てるか」です。
「別居」というもの、やる前とやってしまってからの気持ちの持ちようが大幅に変わってきます。
やる前はあんなに感情的になっていたものが、別居をして1ヶ月もたたないうちに現実が見えてくるようになり、猛烈な寂しさが襲ってきます。
特にあなたが女性の場合だったらば、その傾向が顕著かも分かりません。
それくらい「別居」というものは思うのとやってしまったとでは大きな違いがあるものなのです。
後悔しない選択をする
まあ中には別居する事によって本当にせいせいした、という気持ちになってノビノビと第二の人生に踏み出す方もいらっしゃるでしょう。
しかし、やはり多いのは、孤独感の果ての寂しさです。
一緒にいた時はあれだけ相手の悪い点ばかりが目につき、見たら喧嘩ばかりしていたはずだったのが、今ではそれが物凄く懐かしく愛おしく感じてしまうようになってしまうものなのです。
よって、別居した事が、後悔しない選択になるよう自身で気持ちを強く持てるよう振る舞っていかなければならないでしょう。
周囲の人もあなたの事を心配し、気にかけてもくれるでしょうが、かえってそのような行為が気持ちを弱くさせてしまう結果になることもあります。
気持ちを強く持つことが、別居に入る前の心がけの一つでもあるのです。
8.別居してからのお金について
別居をするときの注意点や事前に考えておいた方が良い事の8つ目は「別居してからのお金について」です。
細かい話しになるかも分かりませんが、今までの生活においてお金の貸し借りや借金があったりしたならば、それらは綺麗に清算しておく事が求められます。
でないとあとあとでトラブルやもめ事に発展してしまう可能性も無きにしも非ず、だからです。
お互いが別々の道を歩むようになるのならば、どこからどこまでがそれぞれの負担になっていたのか、はっきりさせておいてから別居するようにすべきでしょう。
婚姻費用とは
また、もう一つ気にしておいていただきたいのが双方の「婚姻費用」です。
このケースは結婚してからまだあまり時間が経過していない場合がその対象となるでしょう。
つまり結婚式や新婚生活を送るに当たって、双方がいくらくらい出し合ったのか。
それらを照合して双方が協議し納得のいく清算方法を見つけ出す作業です。
最近は「地味婚」という形式で式を節約して小さく行うのが一つの流行りですね。
この場合は親の援助を借りず自分たちだけの負担で支払いを完了しているかも分かりません。
いくら負担が小さかったとしても今後の別居生活の事を思えば帰ってくるお金があるのなら少しでも欲しいのが人情でしょう。
双方が納得いくよう十分に話し合っておきましょう。
9.離婚について考える
別居をするときの注意点や事前に考えておいた方が良い事の9つ目は「離婚について考える」です。
夫婦が共に住む事が出来なくなり別居という形を取るということは、残念ながら夫婦という契約が破綻したと断定せざるを得ません。
十分な話し合いも行わずに別居したのなら話は別ですが、お互いが納得いくまで話し合った結果、別居という形で落ち着いたのなら当然ながら「離婚」という結果を受け入れる心の準備をしておいた方が良いでしょう。
ただ、簡単に離婚と言っても、それは結婚するときの何倍もの労力とエネルギーが必要となります。
そこのところを十分理解した上で今後の話し合いに臨まないと、心身に受けるダメージは想像以上になるかも分からないのです。
離婚後にかかる費用を計算しておく
離婚は結婚するときの気持ちとは正反対になっているのが一般的です。
双方が好き合ってウキウキモードで突き進めた結婚と違い、離婚は恨みと後悔と懺悔の気持ちでどうしても気持ちが乗っていきません。
早く終わらせたいのが山々でしょうが、そうはいかないのが双方の権利関係の調整です。
慰謝料を含めた財産の配分・清算などで思わぬ費用負担が発生する可能性は十分にあり得ます。
結婚にはお金がかかるものというイメージはありますが、離婚も驚くぐらいお金がかかってしまうのです。
離婚を前提にした別居。
やってしまったら後戻りは出来ません。
感情的にならずに努めて冷静に協議していく事が一番です。
【離婚したい時は、こちらの記事もチェック!】
10.離婚に伴い請求できるものとは
別居をするときの注意点や事前に考えておいた方が良い事の10個目は「離婚に伴い請求できるものとは」です。
離婚を前提とした別居を選択したのなら、もう後戻りはしない方がいいです。
双方の意思に基づいてこれからの人生のやり直しの段階に入っていきましょう。
ただその前に行っておかなければならないのが離婚における金銭上の解決です。
離婚をすれば当然ながらそれまで働いていた世帯主の稼ぎが生計を立てていました。
それがなくなってしまう訳ですからそこの部分を徹底的に解決しなければなりません。
つまり慰謝料の問題になってきます。
話がもつれてきたり巨額の金額が動く場合は双方が弁護士を立てるくらいナーバスなものが慰謝料の取り決めです。
お金がかかってきますから興奮した当事者同士では話しが煮詰まらなかったり、永遠に平行線をたどって話がこじれ続ける可能性も含みます。
では、慰謝料を含めて離婚に伴って請求できる費用というのはどのようなものがあるのでしょうか?
離婚に伴い請求できる費用の種類
それでは離婚に伴って請求する事が出来る費用をみていく事に致しましょう。
・養育費
・慰謝料
・財産分与
といったところが代表どころの名目になるでしょう。
それでは一つずつ見ていきましょう。
・養育費
子供が親から自立するまでの間、養育していくために払われる費用です。
時効の概念がないため後からでもこの養育費を請求する事もできます。
支払われる期限ですが、一般的には子供が成人する20歳まで、というのが大方の見方でしょう。
その子供が高校を卒業して働きだしたのなら18歳をもって終了ですね。
子供が仮に19歳で結婚して嫁に出たのなら、その年齢をもって養育費も打ち止めです。
要するに何らかの手段で子供が自活できるようになったと認められたときが養育費の期限と判断するべきでしょう。
だから片方の元親の都合で一方的に打ち切られる性質のものではない、という事です。
子供が無事に自立するまでの間、例え離婚という目にあったとしても子供のために養育費を支払うのは二親の最低限の義務となるのです。
・慰謝料
慰謝料とは、
「生命・身体・自由・名誉・貞操などが不法に侵害された場合の、精神的損害に対する損害賠償金。」
https://kotobank.jp/word/%E6%85%B0%E8%AC%9D%E6%96%99-30665
(コトバンクより引用)
という解釈の元に成り立っているお金です。
損害賠償金ですから一時金、お見舞金、謝罪にまつわる礼金とでも言う解釈になるでしょう。
夫婦のどちらかが一方的に裏切られ、夫婦関係を続けられなくなるような原因を作った方が支払うお金、という見合いですね。
被害者と加害者の関係ともいえるでしょう。
よって別居原因が例えば夫側の不倫やDVDなどによるものであったなら、奥さん側が離婚の代償として受け取る権利が発生する仕組みとなるのです。
但し、その金額に関しては夫側の年収に大きく左右されます。
そこのところは一緒に住んでいた元奥さんも分かるはずですので協議の必要があるでしょう。
日々の生活にアップアップの元旦那さんからはたくさんの額を期待することは不可能っぽいという事でしょうか?
いずれにしても加害者と被害者の関係性の実証も必要です。
奥さん側にも過度な落ち度がない事が条件にもなるでしょうね。
・財産分与
財産分与とは、それまでの夫婦生活の間において夫婦で協力して築き上げてきた財産を清算し、夫婦それぞれの個人財産に分割することをいいます。
この場合、財産と銘打つものは現金だけではありません。
家や家財道具、車、果ては植木まで、動産、不動産ひっくるめて全てを財産という枠で捉えます。
保有している財産が巨額であればあるほど、離婚に際して要求される額は大きくなっていく事でしょう。
この辺りは当事者同士の話し合いによって円満に解決してもらいたいところですが、別居する元妻側にとってみたら当面の生活費の補填を考慮すれば取れるだけ取っておこう、と考えるのが筋でしょうし、元夫側にしてみたら最小限で財産を守りたいと思うかも分かりません。
ここが離婚に関してエネルギーを使う部分となるわけです。
しかし、大人の人間としての責任をキッチリ果たさない事には、今後のあなたの人生にいい事があまり起きなくなる可能性もあり得るかもしれませんね。
まとめ
如何だったでしょうか?別居をするときの注意点や事前に考えておいた方が良い点に基づいて
・別居のメリットとデメリット
・別居をするときの注意点や事前に考えておいた方が良い点を10個
を、ご紹介致しました。
別居は男女の仲の終焉を意味しています。
それまで仲睦まじかった二人が何らかの原因でお互いの事を嫌いになってしまうのです。
一緒に住むという事はもはやあり得ない事態だといえるでしょうね。
別居を決断するにはかなりな時間とエネルギーを消耗するでしょう。
男女の仲というのは、明日はどうなっているか、誰にも予想出来ないものです。
明日は我が身、と思ってそれぞれの我慢すべき欲望は抑え、現実をみて地道にコツコツ生きていく事が、別居をとりあえず予防する手段ではないでしょうかねえ。