それでも、親友はたとえ物理的な距離が離れていても、心の距離まで離れてしまうことはありません。
距離が離れていても少しくらい久し振りでも、連絡を取りたいと思ったときにぽんと気兼ねなく電話やメールやSNSのメッセージを送って連絡をとることができます。
もしもなかなか会えなくても、たとえばお互いの誕生日や年始などの特別な日には必ず欠かさず連絡をしたり、仕事や旅行などで相手の住む場所の近くに行く時は連絡を入れて、都合が合うようなら会ってみたり、そうしたたとえ細くても長いお付き合いができるのです。
旅先から写真やポストカードを送ったり、ちょっとしたお土産を送ったりということもあるでしょう。
日々の雑多なことをいちいち共有しないとしても、現代はSNSもあるので相手が発信していることに限っては知ることができます。
わざわざあなたにメールで「今日はこんなご飯を食べたよ」なんて報告はしてこなくても、SNSにはそうした他愛もないことも投稿しますし、それを見て「あぁ、元気なんだな」とか「このお店一緒に行ったなぁ」とか思うこともできます。
投稿の内容でちょっと心配なことがあったら個別にメッセージを送ったり、励ましあったりということもできます。
SNSに投稿できないような大きなこと、結婚する、離婚した、ペットが亡くなったなどということでも、親友にならリアルタイムでなく後からでも伝えることでしょう。
久しぶりに会えたり電話などで話したりしても、まるで昨日別れたその続きのように話すことができるのも、親友ならではです。
違和感がなく、離れていた時間をお互いに感じずに過ごすことができて、居心地よく楽しく一緒にいることができるのです。
いつも辛い時にそばにいてくれた
なにか辛いことがあったとき、自分の弱みを見せたくないと思って隠してしまうこともあるでしょう。
相手がひいてしまうかもしれないとか、話したら馬鹿にされるかもしれない、もしかしたら陰で他の人と噂話をされるかもしれない。
そう思ってしまうこともきっとあるでしょうね。
友達関係では、なかなか自分のすべてをさらけ出すというのは難しいです。
どこまでさらけ出してもいいのか、常に探り探りの状態になるでしょう。
それでも親友は、自分が辛いときにそれを察してくれたり、辛かったことを話してもひいたりいやな顔をしたりしないで、側にいてくれます。
体を壊した時、精神的に落ち込んでしまったときなど、親身になって話をきいてくれたりフォローをしてくれたりします。
追い風のときに味方をすることは誰にでもできるもの。
周りが向かい風になってしまって孤立無援かと思われるような辛い状況に置かれたときでも、親友という存在は離れずに側にいて、ずっと味方をしてくれるのです。
だからこそ、相手がもし辛い状況に陥ってしまったときには、自分も仕事やプライベートなどをなげうってでも駆けつけたい、と思えることでしょう。
どちらかが一方的により掛かるというわけではなく、お互いに支え合える関係なのです。
自分の弱さ、恥ずかしさを全て出せる人
人間は普段は、自分の弱いところや恥ずかしいところは隠そうとするのが普通です。
嫌いな人にはもちろん、好ましく思っている人に対しても隠そうとしているのではないでしょうか。
恥ずかしいところ、弱っているところというのはひとことで言えば弱点ということになります。
弱点を隠そうとするのは、動物としての本能とも言えます。
弱点をさらけ出して敵にわかられてしまったら、そこを攻められる可能性があがりますし、それは命を失うことにも繋がりかねません。
また、人の前では格好良い自分でいたいというプライドがそうさせる部分もあることでしょう。
格好悪い自分を見られるよりも、常に格好の良いパーフェクトな自分を見ていてほしいです。
好きな人の前で必要以上に格好をつけてしまうという人もいるでしょうね。
人から「強いね」「格好いいね」と評価されたことがきっかけで、自分は強い人でいなければならない、と感じ、人から思われている自分を演じるようになったという人もいるでしょう。
こういった方は、甘えるのが下手という部分もありますね。
本当の自分をさらけ出して、「思っていたのと違う」と失望されたり、「弱い人だな」と馬鹿にされたりするのが怖いというのは、誰しも考えることです。
だからこそ、信頼のおける人の前では弱いところや恥ずかしいところもさらけ出すことができます。
こんなことで失望されたり離れたりされることはないと、自分たちの関係に自信があるからです。
家族や恋人などのパートナーなど、信頼できていつでも素の自分でいられる関係の人の存在が、人間には必要なもの。
そして、友達の前では取り繕いがちな弱い自分の姿も、見られても大丈夫と思えるのが親友です。
弱い自分を見せても馬鹿にすることはないですし、攻撃してきたり裏切ったりすることもないと、心から思えます。
素の自分でいられるから、一緒にいても居心地が良いですし、相手が弱い部分をさらけ出してきてもけして軽蔑するようなことはなく、むしろそんな部分も自分に見せてくれるほど信頼してくれているということを、嬉しいと感じます。