そして、ドアが開くと我先にとなだれ込むのです。
余裕で座れることがわかっていても、好きな座席を確保するために、人に負けまいと車内に突進するのです。
狙っていた座席が確保できなければ、悔しそうに別の席に座るのです。
座席を確保して座るという目的は達成できても、狙った座席が誰かに取られた=負けた、と考えるようです。
勝気な性格の人は、そんなところにも人に負けまいとする気の強い気質を表しているのです。
目的の駅に着くと、今度はいち早くエスカレーターに飛び乗って階段を駆け上がり、いち早く改札を出て人よりも速く歩いて出勤するのです。
もちろん、時間に余裕がないこともありますが、何かにつけて先頭を走りたいという勝気な性格の人が多いように思うのです。
きかぬ気
漢字で書くと「聞かぬ気」か「利かぬ気」と書きます。
この意味は、人に負けたり言いなりになるのを嫌うさま。
また、そのような性質ということです。
「きかん気」とも書きますが同じ意味です。
利かん気が強い子供、つまり親が言うことを利かないわがままな子供のことを「利かん坊」と言います。
この言葉の基本は、人に負けたくない、勝ちたい、勝気だということです。
もし、あなたの職場のリーダーが、他人の言うことに耳を貸さないタイプの人間だったら、部下は何かにつけて陰で不満を募らせているはずです。
そのリーダーは、みんなの意見を聞かないで自分勝手に方針を決めて進めていくのです。
しぶしぶついて行っていた部下も、何かのきっかけで反抗するようになります。
きかぬ気のリーダーのいうことは、誰も聞かなくなってくるのです。
すると、そのグループの結束が緩んでしまい、組織として成り立たなくなるのです。
つまり、人の言うことを聞かない人(きかぬ気の人)は、自分の言うことも聞いてもらえないということです。
自分の言うことを聞いてもらえないという事実に直面することで、やっと自分の行動に気が付くのです。
こんな事例は山ほど見られます。
先日も、上司が部下の女性にセクハラ行為をしたとしてSNSで拡散されていました。
本人はそんな行為はした覚えがないとしらを切っているのですが、SNSの「#MeToo」の運動で私も被害を受けたと何人もの女性が告発したのでした。
その上司は、本当のことを言って謝罪した方がいいよと仲間に忠告を受けたのですが、勝気が強くて騙し通せると思ったのでしょう。
他人の意見をしっかりと聞いておくべきでした。
たとえ友人が正しいことを言っていても、その人達の言いなりになることが嫌だったのです。
負けん気
「あの人は勝気な性格だ」というよりも、「あの人は負けん気が強い」という方が粘り強い根性のある人間だと思われます。
勝気な人が勝負に出て負けてしまうと、すぐに挫折して再起できないくらい落ち込んでしまいそうです。
誰にも会いたくないし話したくもないという状態を連想させます。
しかし、負けん気が強い人は、たとえ勝負に負けてしまっても、なにくそという闘志をさらにかき立てる人間像を思い起こさせます。
漫画で言うと「巨人の星」や「あしたのジョー」のスポーツの根性漫画です。
叩かれても打ちのめされても、起き上がって自分を鍛え直し、相手を倒すまで頑張るというストーリーです。
こんな例えを引き合いに出すなんて、私の年代がバレてしまいますが、これを励みに生きてきた人も多いはずです。
当時は、30代のサラリーマンも「週刊少年マガジン」などの雑誌を発売日に買って、通勤の電車の中で読んでいた人を多く見かけました。
この漫画で、負けん気の重要性を感じたものです。
このような、前向きな負けん気は歓迎されるものです。
勝気の類語や関連語
誰にも負けたくないという気持ちを表す言葉はいろいろとあります。