こういったところが日本語の国際性のなさ、と言えるのかも知れませんね。
「可哀想」と「可愛そう」の類語や関連語
それでは次に参りましょう。
「可哀想」と「可愛そう」の類語や関連語のご紹介です。
ここまでも結構、いろいろな用途や意味をご紹介する際にたくさんの漢字が出てまいりました。
きっとそれらの中にも今からご紹介するものが出てくるかも分かりませんね。
軽蔑と哀れみが混合した刺激
まずは「可哀想」と「可愛そう」の類語のご紹介です。
軽蔑と哀れみが混合した刺激を感じさせるのがこの言葉の本来の意味。
全部で5個のご紹介となります。
憐れ
「可哀想」と「可愛そう」の類語の1つ目は「憐れ」です。
この「憐れ」という表現。
これの意味は「人から同情されるような状態」であり、同時に「惨め」という状態も入ってきます。
とにかく人から憐れまれる。
つまり生活ぶりが困窮を極め、食べるものも着る者もままならない。
特に子供がそういう状態になっていたら、一層「憐れさ」というものを感じずにはいられない心理状態を言います。
つまりそれが「可哀想」という気持ちになるわけですよね。
そういった気持ちになったなら、あなたならどうしますか?
何とかして助けてあげたい、という気持ちにならないでしょうか?
昔、女優の安達祐実さんが演じたかの有名なドラマ「家なき子」。
まさに視聴者に「可哀想」という気持ちを同時体験させた名ドラマですよね。
そしてドラマの中で安達祐実さんの名セリフがありました。
「同情するなら金をくれ!」。
まさしく「可哀想」と思った人ならば、誰でも行いたくなる「同情」。
それを主人公の祐実ちゃんは頑なに拒否して逞しく生きてゆく姿を懸命な演技で魅せてくれていました。
このように「可哀想」と「可愛そう」には「憐れ」という言葉が対のようになって並びます。
まさしく最強タッグのような類語なのです。
情けない
「可哀想」と「可愛そう」の類語の2つ目は「情けない」です。
いわゆる「負け犬状態」、あるいは「中身がない」「カッコつけすぎ人間」とでもいいましょうか。
つまり「情けない」状態の人間というのは「憐れさ」も加わって他者からの同情を一身に浴びてしまう状況になっている、という事です。
例えば、「おちぶれ」でしょう。
かつては商売も上手くゆき、知る人ぞ知る地元の名士という存在だったのですが、現在は仕事を失敗してしまい家も落ちぶれてかつての栄華の名残など全くない様に変わり果てている、と言ったらいいでしょうか。
とにかく、それでも虚勢を張る事だけは昔のまま。
でも、お金がないから誰も見向きもしない。
没落を絵に描いたような急降下人生。
それを周囲の人が「情けない」と思うな、と言っても無理があるでしょう。
確かにお金持ちが仕事に失敗して一文無しになった姿は「可哀想」という表現がぴったりきます。
周りの人間はただ「同情」するだけ。