例文1「くれぐれもお体にお気を付けくださいませ」
「お体に気をつけて」の使い方の最初の1つ目は「くれぐれもお体にお気を付けくださいませ」です。
「お体に気をつけて」で、最もオーソドックスに使われる代表例でしょう。
相手の体調を慮って思いっきり丁重に丁寧に別れ際に声をかける光景ですね。
こういったケースは親戚づきあいや親しい友人同士の母親などがよく声をかけるケースではないかと思います。
又は、会社での仕事関係において、お客様に対して丁重な物言いで去り際の一言として発言するようなパターンがこれに該当するでしょう。
いずれにしても、「くれぐれもお体にお気を付けくださいませ」は親密にしている相手や大事な関係の取引先の方々に最も使いやすい文言、という感覚でいいのではないか、と思いますね。
例文2「季節の変わり目ですので、お体には十分お気を付けくださいませ」
「お体に気をつけて」の使い方の2つ目は「「季節の変わり目ですので、お体には十分お気を付けくださいませ」です。
これも先程の言い方のバリエーションの一つと言えるでしょう。
「お体に気をつけて」という真意を相手に伝えたいわけですので、当然ながら季節の変わり目のような体調に異変を起こしやすい時期というのはこの言葉を用いやすい恰好のタイミングとなります。
人はどういう訳か、季節の変わり目になると体調不良を起こしやすいものです。
冬から春。
夏から秋。
そして秋から冬、という時期はそれまでの気温が変化し朝晩の温度差が大きく変わってきたりします。
そうなってくると衣服の衣替えも起こってきますし、寝床の寝具も薄いものや毛布類への変更を余儀なくされます。
特に夏から秋にかけての朝晩の冷え込みは想像以上に体への負担が大きいものです。
油断をすればすぐに体調に支障をきたすのは当然と言えるでしょう。
そんな状況を察しての「季節の変わり目ですので、お体には十分お気を付けくださいませ」なのです。
この言葉を言ってもらった方は、有難みと人の優しさをしみじみと感じる事でしょうね。
例文3「風邪など引かぬよう、お体、お気を付けください」
「お体に気をつけて」の使い方の3つ目は「「風邪など引かぬよう、お体、お気を付けください」です。
この用い方も、相手にたいする「労り」と「愛情」とが十分感じ取れる、ぬくもりのある言い方と言えるでしょうね。
今回のこの言い方は、先程ご紹介致しました「季節の変わり目ですので、お体には十分お気を付けくださいませ」よりも更にもう一歩、突っ込んだ言い方のニュアンスになっていることがお分かりいただけるでしょう。
それは「風邪など」という具体的な体への病気の症状を出すことによってもっと親密度を発揮させているからです。
季節の変わり目になれば真っ先に注意したいのが「風邪」です。
「風邪」というのは気温・気候が安定している時はあまり引かないものです。
ところが季節の変わり目になると、多くの方々が体調を崩し「風邪」を引きやすくなってしまいます。
今回の「風邪など引かぬよう、お体、お気を付けください」は、より一層、つっこんで相手への心配・配慮の気持ちを言い表したものと言っていいでしょう。
このような言い回し方、ひいきにしている飲み屋のおかみさんが常連のお客さんに対してよく使う言い方でしょうね。
でも、そんな中でも特に親密度の高いお客がこういった言い方をしてもらえそうな感じですね。
でないと「風邪など引かぬよう、お体、お気を付けください」という言葉と、それを言ったときの気持ちが安っぽいものになってしまいますからね。
やはりこういった類の言葉は、その人たちの親密度もかなり影響しているのではないか、と思いますね。
例文4「これから暑くなりますので、お体の方、くれぐれもお気を付けください」
「お体に気をつけて」の使い方の4つ目は「これから暑くなりますので、お体の方、くれぐれもお気を付けください」です。
この場合も、気候・気温が変わってくる梅雨から初夏にかけての体調変化について、相手への労り、配慮を表現した言い方、となるでしょう。
人間は、それまでの気候や気温に慣れてしまっているので、急激な気温の上昇などには身体がついていかない時が往々にしてあります。
年齢が上がってゆけば行くほど、20代や30代の頃に比べれば環境への適応度はますます下がってゆきますからね。
当然ながらそれまでの梅雨の気温や湿度になれていた体も、梅雨が明けて急激に気温が上がってゆけば、一気に夏バテの状態や熱中症などにやられてしまう可能性が高くなる、という事になるからです。
「これから暑くなりますので、お体の方、くれぐれもお気を付けください」は、相手の体調変化に対する思いやりの気持ちがこもったほのぼのとする表現というわけなのです。