「ともかく、ハッキリとした予定が決まるまでは、暫定的にわたしが指揮を執るということで進めたいと思いますのでよろしく」という報告がありました。

というのも、リーダーが急に倒れて病院に運ばれて、当面休養することになったからです。

病気の原因も入院の期間もまだ明らかにはなっていませんが、今の体制で仕事を乗りきるしか道はないのです。

そんな思いも込めて、当面は暫定的にリーダーを決めておいて対応したいという思惑です。

正式な病名やら退院時期がわかって正式な対応が決まるまで、仮の措置として取りあえず定めることなのです。

暫定と言われると正式ではなのですが、それなりに対応せざるを得ないのです。

暫定的にリーダーが変わるということでも、これまでと同じように仕事を続けなければなりません。

暫定的な体制ということでも、それぞれのやることは同じなのです。

ゴルフをする人は「暫定」という言葉をよく使います。

打った球が飛んで行って、コースから外れてOBになったかどうかギリギリでよくわからない時には、仲間の同意を得て「暫定球」を打つのです。

だから「暫定球」を打つときには、仲間に「今から暫定球っを打ちます!」と宣言してから打ちます。

そして、最初に打った球を探しに行って、もしもOBでなくコース内にボールが残っていたなら、そのボールを打ってプレイを続けるのです。

もちろん、暫定球は回収します。

もし、探しても見つからなかった時にはOBということになります。

そもそもOBというのは、打った球がコースを外れるということで、元の位置から打ち直すことになります。

もしも暫定球を打たずにそのままボールが落ちた地点に行って、探しても見つからない、つまりOBということがわかったら、元の位置までもどってから打ち直すルールなのです。

元の位置にまで戻って打つということは時間もかかってしまい、後続のプレーヤーに迷惑をかけてしまいます。

そこで、先ほどの「暫定球」を打っておくのです。

OBでもOBでなかっても、無駄に時間を浪費せずにプレーを続けることができるからです。

このようにゴルフでも「暫定」はよく使う言葉なのです。

打ったボールの正式な結論が出るまでの、暫定的に打った球ということになるのです。

こんなスポーツの世界でも、「暫定的」という言葉を使うのです。

では、暫定的と表現するシーンについて考えて見たいと思います。

「暫定的」とは?

「暫定的」とは、「一時的な措置」であって「仮に定めること」なのです。

平たく言うと、「まあ、とりあえず定めておこうか」というようなニュアンスなのです。

よく考えてみると、時々対応に困って「その場しのぎ」に何かを行うことがあります。

この「その場しのぎ」や「一時的に」などと感覚は似ていると思います。

「この商品の代金が、あなたの会社からの入金が遅れているので未払いになっています。

受領書ももらっていますから、届けているのは間違いはありません」などと支払いを請求されたときに、「何かの手違いで本社の処理が遅れているのかも知れません。

ご迷惑をおかけすることになるので、暫定的にこの出張所から送金の処理をしておきます。」などと一時的な措置を講じることもあるのです。

このように、正式ではないが対応しておくようなニュアンスで使われます。

確定するまでの間、一時的にそうしておくさま


暫定的に措置を取るケースが増えてきています。

例えば、ネットで特定の人の誹謗中傷が絶えない時に、サイト管理人にその記事の削除を求めます。

しかし、何らかの理由で削除しない時には、法的処置を取ることになります。

しかし、裁判を行ったところで、その間にも誹謗中傷の書き込みは放置されたままなのです。

これに耐えられない時に起こすのが「掲載禁止の仮処分」の請求なのです。

ここでの、掲載禁止とはネットから記事を削除することなのです。

この仮処分に当たるのが「暫定的な措置」ということなのです。

仮処分は暫定的な措置ですが、簡単な手続きで迅速に中傷記事を削除することができます。

もしも、通常の裁判を行ったとしても、その間の記事は放置される恐れがある時には、暫定的な措置である仮処分が有効な方法となります。

ただ、その記事を暫定的に削除しても、2ちゃんねるなどでの書き込みまではコントロールできないので、場合によっては別のルートで誹謗中傷が拡散することもあるようです。

これは別として、暫定的と言うのは、確定するまでの間、一時的に対応しておくことなのです。

仮に定めるさま

ある高校の部活で、監督の先生が大きな大会の前に急病で入院してしまいました。

その運動部の実力は相当な実力を持っていたので、関係者や父兄としてもぜひ大会に出たいと思っていたのです。

実際に指揮を執るのは、有能なコーチの先生がいるので、試合に関しては問題はないのです。

そこで、校長としては大会に参加する条件である監督を、急遽別の先生に暫定的に決めて大会事務局に届を出し、参加を認められたのです。

その大会の間に仮に監督を決めておいて、参加ができるように対応したのです。

このように、一時的に仮に定めて置くことを暫定的と呼ぶのです。

後は、元監督の回復を待って正式に決めれば良いのです。

「暫定的」の類語や関連語

「暫定的な措置をとりました」などと連絡が回って来ることがあります。

「暫定的」と言われれば、ともかく一時的な対応かなと感じてしまいます。

そのうちに、時期が来たら正式な発表があると思ってしまいます。

「暫定的」という言葉の印象は、そのように「仮に取り決めておく」という程度の軽い対策と判断してしまいます。

ですから、何か問題が起こった時に、その場をうまく乗り切る時に便利な言葉なのです。

暫定的な措置が正式なもの、つまり誰もが納得できることであれば良いのですが、一部のひとだけで決められてしまうと「それはおかしいよ」などとクレームも出てきます。

信頼できる人が率先して「この状況では暫定的に決めておくしかない」などと仕切ると、みんなは一時的には納得するのです。

「暫定的」という言葉ではなくて、「一時的に」「仮に」「試験的に」などと表現することもあるようです。

長時間にわたるゴルフの試合では、途中で大雨や雷雨に見舞われて最後までプレイができなくなったり、日が暮れてプレイに支障が出ると判断されると、続きは翌日に繰り越しになります。

そんな時には、本日の試合の結果としては暫定的な順位が発表されるのです。

まだ正式には順位は決まっていないが、仮の順位を発表するということです。

最終的な、または完全な決着がつかない

完全に決着が付かない状態のまま、あるいは完全に仕上がっていない状況であることを表現する時にも、「暫定的」という表現をします。

最近の大雨で各地の河の堤防が決壊して、付近の農地や住宅に濁流が流れ込み、大きな被害をもたらしたニュースがありました。

これまでに経験したことがないような大雨が原因ですが、堤防の復旧がなかなか進まないようです。

堤防の決壊部分に大きな土のうを何重にも積み重ねて、とりあえず次の大雨に対する対応をしているのです。

そこを管轄する県や市の災害対策本部としても、完全に修復するには時間が必要なので、同じ場所からまた決壊して濁流が流れ出ないように一時的に措置をした時に「緊急に暫定的な措置を実施しました」などと対応を住民に報告するのです。

いろんな事情があって完全には修復ができないが、次の大雨に対応できるような緊急措置を施したということです。

これこそ、暫定的な措置なのです。

もしも堤防が決壊して濁流が流れ出た場合には、この地域にまで濁流が押し寄せますという仮の水害状況を作成しています。

これがいわゆる「ハザードマップ」と言われるもので、各自治体が暫定的な被害状況を予測して公開しているのです。

大地震により発生する津波も、地震の場所や海岸線の地形などによって津波の高さも正確にはわかりません。

すると、津波対策についてもそれによって引き起こされる浸水予測に対する対策であって、これも「暫定的な予測」と位置づけて避難の方法も考えているのです。

最終決着までに時間を要する事例は多くあります。

そんな時には、「暫定的」な措置が求められるようです。

一時的

「暫定的」には、「一時的」という意味も含まれています。

作業現場でちょっとした問題が発生した時に、たまたま責任者がその場にいなくて、誰かが対応を決断しなければ作業が止まってしまうのです。

作業結果にはほとんど影響しないことはみんなもわかっているので、その場の年長者が「ここは一時的にこう対処しておいて、後で報告しましょう」などと仕切るのです。

みんなも納得して「そうしよう」と同意して作業を続けるのです。

こんな場面で、仮に取り決めて進める時は「一時的に」という表現をするのです。

仮の

「仮の」というと思い出すのは自動車運転免許証です。

教習所で運転の練習をしている時に、実際の路上を運転して練習する必要があります。

この時に、路上を走る運転免許証として「仮運転免許」を取得することが必要です。

一定の資格を得た人が、正式の免許証をもらうまでの間に、仮に与えられる免許なのです。

受講者の間では「仮免許」とか「仮免(かりめん)」などと呼ばれています。

「暫定的な免許」なのですが、自動車の運転の練習においては、仮免許と呼ばれるのです。

「仮」とは、本物ではないが、間に合わせで代用するものという意味です。

試験的

多くの選択肢があって、しかもどれも似たり寄ったりという状況であれば、何かのきっかけに使ってみたいと思う時があるものです。

スポーツの世界では、たまたまレギュラーの選手が怪我で休むことになった時に、変わりの選手を選ばなくてはいけません。

監督もいろいろと思案した結果、一度この選手を使ってみようと思う時があります。

そんな時に「あいつを試験的に使ってみよう」などとチャレンジすることがあります。

正式にはまだ使える技量はないが、ここという時の起爆剤としてはおもしろい能力を持っているので、試験的に使ってみようと判断したようです。

正式ではないけれど、今回は暫定的に使うということなのです。

仮に使ってみて、結果が良ければ正式に採用することにもなるようです。

永久的ではない

「暫定的」と言うからには、永久的ではないということでもあります。

「永久」とはいつまでも限りなく続くということです。

「永久不変」というように、限りなく変わらないということではないのです。

はかない

「暫定的」ということは永久的でないことで、いつか消えてなくなるということです。

決して長続きはしないのが特徴なのです。

束の間の出来事であって、あっけなく変わるということでもあります。

正式なものが現れると、すぐに交代になるのです。

はかなく消えてしまうのです。

「はかない」とは、「儚い」と書きますが、すぐにきえてなくなることを表します。

「暫定」とは、儚いものなのですが、正式なものが現れるまでは、その間代わりに活躍することになります。

政治の世界でも、紛争に巻き込まれた政権がまごまごしているうちに分裂してしまい、統制が取れなくなった時に「暫定政権」が誕生します。

混乱していた世の中は、一時的な暫定政権だと容認しましたが、正式な政府が誕生する気配もなく暫定政権が半永久的に継続することがあります。

暫定と言いながらも、それに代わる正式なものが誕生しないといつまでも変わらないことになります。

こんな事例もありますが、暫定というからには、そのうちに消えてしまうという「はかなさ」があるようです。

果敢ない

「果敢ない」と書いて「はかない」と読みます。

「儚い(はかない)」と同じ読み方なのですが意味は違うのです。

「果敢ない」の方は「果敢(かかん)」がないという意味です。

これで「はかない」と読むのですが、意味は「果敢」がないということなのです。

「果敢」とは、「果敢な行為」「果敢に攻める」などのように、決断力に富んで物事を思い切ってすることです。

決断力が強いことを表す言葉です。

しかし、「果敢ない」という言葉はないのです。

強いて言えば、「果敢ではない」という言葉で、決断力がないこと、決断できないこと、正式ではないことを表現しているようです。

「果敢ない」は常用外の使い方ですが、意味としては「儚い」も「果敢ない」も同じ意味のようです。

「暫定」という言葉の「はかなさ」「永久ではない」ことを表すようです。

連想される言葉


「暫定的」という言葉から連想される言葉はたくさんあります。

どちらかハッキリとしない時に「とりあえず、暫定的にきめておこう」などと一時的に決着をつける時です。

夏の暑さに困惑するさまについての川柳を募集したところ、非常に多くの応募作品が届きました。

しかし、あまりにも多くの応募作品が届いたので、この中から優秀な作品を選ぶことは大変難しく、選考委員で優れモノと思えるものを50作品ほど抜き出しました。

そして、さらにその中から選考委員が優れていると思われる作品を5点選びました。

最後にひとつだけを最優秀作品として暫定的に決めたのでした。

最終的には、川柳の専門家に判定してもらうのですが、ある程度の選別をして暫定的に評価をつけておいてから専門家にお願いする予定です。

このように、対象が多すぎたり複雑すぎる時に、暫定的な評価や区別をしておくこともあるのです。

正式ではないが、進行上暫定的に定めることはよくあることです。

同じような意味で使用される言葉もあります。