ちょびっとだけ、自分に自信はありました。
私の話――のちの婚約者、〈うちの人〉の登場
彼のことを〈うちの人〉と呼ぶことにしましょう。
26歳のある日、SNSをサーフィンしていた私の眼の前に、〈うちの人〉はポッとあらわれました。
現代の恩恵で、スマホやパソコンひとつで世界は一気に広がる時代になりました。
そんな中で、おそろしいほど趣味があう人が、ネット越しにあらわれたのです。
そこではじまった、スピーディーなロマンスとは。
SNSで、ポッとあらわれた〈うちの人〉
私と〈うちの人〉が出会ったのは、某健全なSNS。
ある作品について熱く語らっているうちに、意気投合。
そのうち、向こうからメッセージ機能でコンタクトをとってきました。
我々はメッセージのやりとりを重ねるようになります。
彼のことは、素直に、尊敬のできる人でした。
知識面や気配りの点でも、人間性としても。
当初からうすうす気づいてはいましたが、あきらかに私のことを「好き」な模様。
終始体調を気にしてくれたり、食生活改善のためにアドバイスをしてくれたり……
ちなみに〈うちの人〉は夢のアラフォー男性。
家の事情その他で結婚しないままここまでのんびりときてしまったとのことです。
さらには、すさまじいオタク!
年頃の女の子で、この人の話についていけるといったら、世の中広しといえど私くらいしかいないんじゃないか……と、当時私は思ったものでした。
で、私も「好き」になっていったのです。
ちょっと遅く来た春でした。
病気持ちということは承知の上での「好き」
どうやらはじめてメッセージを送ってきたときから、私のことを好きだった模様です。
SNSで私は、体調のことなどボツボツとつぶやいていました。
だから向こうは私が「体調がかなり悪い」ということは初っ端から承知の上だったのです。
のちに、障害者手帳持ちだということをカミングアウトしても「不治の病とかじゃなくてよかった」と笑っていたばかりでした。
よくできた人間だなあとつくづく思います。
でも、世の中には刑務所にいる方と獄中結婚される方もいるし、元薬物中毒者の方などを支える方もいるし……
そういう奇特な人が一定数いるのでしょう!
告白は、どちらともなく
やさしくて、気配りがきいて、私の体調も管理してくれる〈うちの人〉。
しかし根っからの草食系男子!なかなか女性に相手にされなかったといいます。
また低所得者のため、女性は寄ってきません。
そんなこんなで、うっかりアラフォーになっていました。
そこに、せっかちで肉食系女子の私があらわれたことで、運命が転回してしまいます。
徐々に彼を好きになっていた私ですが、恋ははじまると止まりません。
何より、向こうもこちらを好きでいてくれているのか、不安で不安でメンタルに悪いのです!
そこで、ようやくSkypeのIDを交換にまでこぎつけました。