しかし、部下の目から観て、あなたが尊敬に値しない存在として映るなら、あなたの指示を軽視することがあります。
また、あなたは、部下の一人一人の性格やスキル、仕事ぶりを把握しておく必要があります。
あなたが部下に指示する際には、部下の性格や経験知に合わせた指示の方法を工夫することが大切です。
指示する際の内容には、目的、期日、利害関係者を明確にすることで、部下にとって指示の重要性を認識できるため、責任をもって仕事を進めることが出来ます。
また、部下にとって、理解し易い内容の指示を受けることで、指示通りにスムーズに進めることが出来ます。
部下を指示通りに動くようにするためには、あなた自身の人間性と手腕が問われることになります。
仕事の優先順位が分からない
部下への指示内容が曖昧になっていると、仕事の優先順位が把握できないため、指示通りに動かない状況に陥ることがあります。
部下にとっては、既に他の仕事を進めている最中に、新たな仕事の指示を受けると、『割り込み』仕事として受け止めて、指示を後回しにすることがあります。
部下は指示された仕事を、仕掛中の仕事を終えてから取り掛かろうと判断します。
あなたが部下に指示する立場なら、部下が取り組み中の仕事を予め把握し、指示する際に仕事の優先順位を明確にすることで、部下にとって仕事の優先順位が分からない状況に陥らないようにすることが出来ます。
部下に指示する立場にある人は、部下が取り組み中の仕事を把握し、優先順位も含めて適切に指示することで、部下は指示通りに動くようになります。
説明がなく何の作業したらいいのか分からない
部下は既に仕事に取組み中の時に上司から説明もなく、新たな仕事の指示を受けると、何の作業をしたらいいのか分からない状態になります。
部下の経験知が豊富であれば、説明の無い指示であっても、取り組むべき作業の内容を理解して、指示通りに動くことが出来ます。
しかし、仕事の経験の浅い部下にとっては、指示を受けても、説明がなければ何の作業をしたらいいのか分からない状態で戸惑い、指示通りに動くことが出来ません。
ですから、指示する立場にある人は、部下の仕事の経験知の度合いに応じた説明を加えながら指示することで、部下は作業の内容をスムーズに把握することが出来ます。
上司は部下の経験知を考慮した気配りを常に心掛けることで、部下からの信頼を得て、指示通りに作業を進めることが出来るようになります。
期日を守らなくても怒られない
どのような仕事であっても必ず期日がありますので、指示する際には、期日を明確に示す必要があります。
しかし、期日が明確になっていない指示を受けた部下が、“期日を守らなくても怒られない”と受け止めて、指示した仕事を後回しにします。
このため、指示をしても何時まで経っても部下が動かない状態になります。
指示した仕事の期日が守られずにタイミングを逸すると、関係するお客様や取引先に迷惑を掛ける事態になることがあります。
お客様や取引先に迷惑を掛けることで、信頼関係が失せて自社の経営に大きな打撃を与えることになります。
部下に指示する時には、期日を明確にして、“期日を守らなくても怒られない”という部下の認識を変えることが大切です。
責任感がない
部下の責任感の有無は、指示する立場にある上司の日常の社員教育に起因します。
部下に指示する立場にある上司に責任感が欠如していると、部下も責任感がない言動をして、指示通りに動かなくなります。
仕事に取り組む際には、必ず責任の所在を明確にすることで、良い結果を出すことができます。
責任の所在が曖昧なままで、仕事を進めていく中で想定外の状況が発生すると、責任のなすり合いが起きて、仕事が頓挫することがあります。
部下に指示する際には、責任の所在を明確にすることで、部下が責任感のないまま仕事を進めることが無くなります。
仕事に自信がない
部下は指示された仕事に自信がないとき、指示通りには動かないことがあります。
自信がないまま仕事を進めて、指示内容とは異なる誤った結果を招き、自分の立場が危うくなることを避けようとします。
仕事に自信のない部下に指示をする際には、指示だけで終わるのではなく、部下が仕事を進めていく中で今後もサポートする旨を伝えることが必要です。
部下は安心して指示通りに動くようになります。
一方、仕事に自信がない部下に指示をする際には予め、部下のスキルレベルを把握して、部下がやり遂げることの出来る仕事を指示することです。
このようにして、部下に仕事の成功体験を踏ませて、経験知を上げる配慮をすることで、仕事を熟せるスキルレベルに上げることが出来ます。
仕事に対してやる気がない
部下は、上司との間に信頼関係が築かれていなければ、仕事に対してヤル気が起きません。