もしこれらの言葉を挿みながら最後まで聞いたとき「やっぱりどう考えてもコイツがおかしいぞ」と分かったとしたらどうでしょうか。
今まで肯定してしまった言葉を覆すことになり、説得力が激減しますよね。
とりあえず、ゆっくり頷きながら聞くくらいでも構いません。
何か言うとしたら「そうだったんだ」「うん」「それは大変だね」といった、相手の話を理解していること“だけ”を示す言葉を選ぶのがコツです。
3.冷静になる
人の話を聞くときは冷静になることが肝心です。
相手の過去の行いや言葉一つ一つに感情を揺さぶられてはいけません。
話を聞くターンでは、相手がもたらす情報の分析に徹することが重要で、分析と感情は切り離して行う必要があります。
これが苦手な人はかなり多いです。
たとえば、日頃からケアレスミスの多い同僚が「仕事でトラブルが起きた」と言いに来たとしましょう。
相手に対して怒りや呆れの感情が動くと、相手のこれまでの行いが想起され「また何かやったのか」と言ってしまいます。
でも、実際は「先方の発注指示のミスで、今やっている作業が無駄になるかもしれない」という内容かもしれませんよね。
この内容であれば、次に対応すべきは「どこまでが使えて、どこからが無駄になるか」の洗い出しと、金額的な問題をクリアにすることが考えられます。
ところが、感情が先行していると、「なぜ発注指示のミスに気付けなかったんだ」というトンチンカンな指摘をしてしまうでしょう。
これでは話が前に進みません。
お互いにイライラしてはならない
イライラは相手にも伝わります。
逆に、冷静さも相手に伝わります。
おそらく、トラブルに直面した相手の方が、はるかに焦ってイライラしていますから、聞く側は冷静になっておきましょう。
そうすれば、相手も段々と落ち着いてくるはずです。
そこまで待ってあげてください。
まずは、相手が感情を昂ぶらせつつも話せる限りを聞くことが大切。
これは、先述の「まずは聞き手にまわろう」です。
相手が話し終えてもなお要領を得ないのであれば、ようやく質問に移ることができます。
その頃には相手も落ち着いているでしょうからね。
質問の内容は、言葉尻を捉えたことや過去の話を持ち出さずに「現状分かっていることは何か」という眼前の問題に徹するのがポイント。
これは、自分もイライラしなくて済むことが理由です。
感情ではなく情報のやりとりにすれば、冷静に話せます。
4.投げやりにならない
世の中には、驚くほど話が下手な人がいます。
相手に伝わる言葉をチョイスできないというか、前提をぶっ飛ばして話を進めようとしたり、主題とは逸れた内容に飛んだり、といった傾向のある人です。
こういう人の話を聞くのはとても大変。
途中で「もういいよ」と突き放したくなりますし、先回りして要点をまとめたくもなります。
しかし、それをやってしまうと、その相手は次から何も話さなくなるでしょう。
これではコミュニケーションエラーを引き起こしかねません。
面倒でも、それが相手の話し方であり、個性の範疇であるくらいに思って付き合ってやる忍耐力が必要です。
フラットな立場を維持する
投げやりになってしまうのは「自分の方が偉い」という間違えた認識によって生まれます。
「偉い」立場にあると認識していると、目下に対する態度が横暴になりがちです。
こちらの言うことを聞いて当たり前の相手だと思ってしまうのが要因。