もちろん、考えを貫こうとするのは力技では上手くいかないので、相手にはしっかりと理由を伝えましょう。
相手がそれを理解するまで説明を丁寧に行うのもポイントです。
9.様々な場合を説明する
これは問い詰めるときに限ったことではありませんが、様々な場合を想定して説明をすると話が上手く通りやすくなります。
これは、具体的な場面を挙げることでイメージが膨らみやすくなり、頭の中にある情報のネットワークが繋がっていくからです。
また、直接の関係がない場面を想定させることで冷静にさせる効果も期待できます。
四方から責める
「四方から責める」と言っても相手をノックアウトする必要はないですよね。
相手から情報を引き出して、こちらの考えを理解してもらうことがゴールです。
そこで役に立つのが、質問・共感・結論・理由の4ステップです。
また、必要であれば具体例を追加します。
次のような問題が生じたと仮定して説得方法を見てみましょう。
・部下が取引先へ金額交渉のメールを送った直後、「担当者を変えて欲しい」と先方から電話が入った。
・メールを送った本人は「なんでそんなことを言われるかがわかりません」と言っている。
・送ったメールを読んでみると「これは先方が怒っても無理はない」という内容だった。
しかし、ここで「こんな内容では相手も怒るよ」と言ってもまるで意味がありません。
当の本人だって相手が怒っていることは知っているし、その上でどうして怒るのかがわからない状況なのですから。
効率よく説得するなら次のようになります。
(1)質問
「このメールを送った経緯は?」
「先方へ伝えたかったことは何だろう」
「先方が怒る理由がわからない、というのは何故かな」
(2)共感
「なるほどね。たしかに相場よりは低い金額が提示されているから、追加して欲しいのはわかる。君が送ったメールは伝えたいことをしっかり書いたわけだね」
(3)結論
「でも、この文章では先方が怒ってしまうのも無理はない。事実を書くにしても、不快にさせない言い回しや文章の組み立て方を検討することが必要だよ」
(4)理由
「相手が今どんな状況で読んでいるのか、こちらは把握できないからね。」
(+α)具体例
「取引先にとっては精一杯の予算を割く努力をした金額だったかもしれない。
それなのに、ド直球で“金が足りないから追加しろ”という内容だったら良い気はしないよね。予算内でできることを、こちらから提案するという手もあるよ」
この後、再確認のために結論をなぞって「相手の状況がわからないからこそ、いつ読んでも不快にならない伝え方が大切なんだよ」と締めればなお良しです。
さすがにこれくらい順序立てて説明すれば、多くの人は納得します。
それでもなお「そんなの先方の勝手じゃないですか」などと言うタイプの相手であれば、馬の耳に念仏なので問い詰めることも教えることもやめた方が良いかもしれません。
10.相手の反応を見逃さない
気を付けるべき10個の最後は、相手の反応を見逃さないということ。
問い詰めて出てきた話が嘘まみれでは、たまったもんじゃないので、言葉だけでなく相手の仕草や視線の動きも見てみましょう。
これらを見落としたまま言葉通りに受け取ると、誤った情報に踊らされる事態になりかねません。
油断するときやちょっとした反応に注意
嘘をついているとき、人は次のような行動をとると言われています。