皆が皆同じ考えをしていれば、全員で危険な場所に突入し、とっくのとうに滅亡していたことでしょう。
今は同じ環境にいる人同士でも、それ以前の経験から完全に同一の考え方をすることは絶対にあり得ません。
親子ですら価値観も考え方も全く違うことは珍しくなく、それを同化させようとすれば問題が生じます。
そういうわけで、意見が違って当たり前です。
互いの考え方を言葉で交わすことができるって素晴らしいことなんだなぁと思っておきましょう。
7.正論を並べる
こちらから意見を言うとき、簡潔であること以外に気を付けるべきは“正論”であることです。
読んで字のごとく「正しいこと」ですが、辞書の上では「道理の正しいこと」を指します。
つまり、話の筋道が正しいかどうかに留意して話せばOK。
相手の話を丁寧かつ冷静に聞くことさえできれば、筋道からそうそう逸れることはありません。
感情を差し挟んだ言葉を並べなければ大丈夫でしょう。
世の中の常識を伝える
世の中の常識にのっとって話をすることは大切です。
ですが、同時に危険な考え方でもあるので注意してください。
「自分の中での常識=世の中の常識」と考えている人は非常に多く、多い上に最悪です。
常識というのは、その社会に属する平均的な人々が共通で認識していることを指します。
しかし、属する社会が変われば変わるものでもあります。
わかりやすい例が「靴を履いたまま人の家に上がるかどうか」です。
日本では多くの場合、玄関で靴を脱ぎますよね。
気心の知れない人の家に上がるときは靴下を履くのも常識の範疇でしょう。
しかし、外国に行けば靴のまま他人の家に入ります。
それが外国人にとっては常識です。
自分が持っている常識が、世間と照らして平均的かつ通用する考え方なのかどうかは、常に疑ってかかる必要があります。
その上で、誰がどう見ても納得できるような常識であれば伝えましょう。
8.自分の考えは曲げない
相手の話を聞く前に自分の考えを固める必要はありませんが、一度述べた意見からブレブレというのはNGです。
また、反論にひるんで言葉を濁したり、自分がわからないところだけうやむやにしてはいけません。
芯の通った内容を心がけ、論法だけを変えるようにしましょう。
たとえば、AとBという選択肢があり、相手はAで進めていたところ問題が発生、話を聞く限りBに変えた方が素早く対処できる事象があったとしましょう。
でも相手はAのまま、なんとか調整をかけるべきだと主張。
こちらとしてはBを主張しましたが、相手はAをゴリ押ししています。
ここで「Bだって言ってんだろ!」と語気を強めるのはやめましょう。
伝わるものも伝わらなくなってしまいます。
そこで、なぜBにすべきか説明を追加したり、相手が理解できるように段階を経た説得の仕方に変更してみましょう。
これが論法を変えても考えは曲げないということです。
考えを貫く
頑固に対応することと、考えを貫くことは異なります。
本軸がブレなければ態度や微々たる変更は柔軟で構いません。
先述のAとBの話にのっとれば、Bという本軸を貫きつつも、相手のAという考えも受け入れ、取り入れるべきところは取り入れましょう。
白か黒か、0か100かで答えを出せるほど、世の中の問題は簡単ではありません。