他人から干渉されるのって、あまり嬉しくはないですよね。
親から子どもへの干渉、友達同士での干渉、恋人からの干渉など、立場によってさまざまな干渉があります。
干渉を受ける側は大抵それを鬱陶しく、不快に感じます。
しかし、どこまでが「助言・保護」で、どこからが「干渉」になるのでしょうか。
干渉の意味や線引きについてご紹介します。
「干渉」の意味
そもそも、干渉とはどのような意味なのでしょうか?
「親の干渉が心底鬱陶しい」や「あの上司はやたらと人のプレイベートに干渉してくる」など、干渉という言葉自体は耳にする機会が多いです。
しかし、正しい言葉の意味を答えなさいと言われて、きちんと意味を説明出来る人は、実はそれほど多くはないでしょう。
日常的に、何となくのニュアンスで使われることも多い「干渉」の意味をご説明します。
1. 辞書の基本的な意味
日常的に使われる干渉の意味は、「他人の事情に立ち入って、自分の意志に従わせようとすること」です。
例えば、夫婦の生活に関して、姑が嫁に口煩くあれこれと言ってくるとします。
「子どもはいつまでに作りなさい」や、「外でご飯を食べるのではなく、毎日きちんと自炊をしなさい」
など、夫婦のプライベートに関して第三者の立場の姑が、自分の思う通りに夫婦の生活を従わせようとします。
よく知恵袋などでも相談にあがるほどに日常的なトラブルでもあります。
このようなことをまさに「干渉」といいます。
また、干渉する側は、「心配しているからこその助言」だと主張することがあります。
しかし、いくら親切心から出る発言だとしても、それを受け取る側が「鬱陶しい・迷惑だ」と感じていしまいます。
そうなる以上は、ただの押しつけがましいアドバイスであり、有難迷惑でしかありません。
干渉という言葉自体が良くない意味を持っています。
その言葉を使うシチュエーションもまた、干渉される側にとっては不快なのだということがうかがえます。
2. 国際法としての意味
国際法としての干渉の意味は、一般的に使われる干渉と似ています。
ですが、国同士での問題になるため規模が大きいです。
一方の国が、もう一方の国の国内問題に関して、ほぼ強制的に介入し、自己の意志に無理矢理に従わせようとすることをいいます。
これを「内政干渉」といい、国際法ではこの干渉を禁止しています。
現在では他国への干渉を禁止していますが、以前の日本はこの内政干渉を受ける側でした。
例えば1894年~1895年にかけて起こった日清戦争の際には、ロシア・フランス・ドイツの三国が日本に対して清に遼東半島還付を要求しました。
この内政干渉は、「三国干渉」と言われています。
要するに、第三者の国々が、日本と清(中国)との内政事情に首を突っ込んできたというわけです。
また、第二次世界大戦後には、戦勝国であるアメリカが、日本の内政の大部分に関与し、強制的にアメリカが国内のルールを定めました。
このように、他国が自国の内政に強制的に干渉するのです。
しかし、現在の国際法ではこの干渉を禁じています。
とはいえ、あまりに当該国の国内事情が問題だらけの場合には、多数の国で相談し合い、ある程度の干渉をすることはあります。
その干渉によって、今よりも国内をより良くするように努めるのが干渉の目的であり、決して強制的に他国を従わせるのが目的ではありません。
3. 物と物がぶつかるという意味
物と物がぶつかるという意味での干渉は、二つ以上の同じ種類の波が重なり合うことで、互いに強め合ったり、または弱め合ったりする現象のことをいいます。