例えば川に石を同時に二つ投げ入れた時に、石が水面に当たることで、二つの波紋が立ちます。
その波紋同士がぶつかり合う部分の動きを波の干渉と呼びます。
この干渉の意味は、日常的にはあまり使われていません。
知らないという人もいるでしょう。
対「人」に使う時の干渉について
「干渉」という言葉ひとつとっても、人から人に対して用いられる意味と、国同士で用いる意味、または物と物がぶつかる際の現象を意味するなど、さまざまな意味合いを持っています。
その中でも、人に対して用いられる「干渉」は、どのようなものなのでしょうか。
簡潔に説明すれば、「他者の事情に立ち入り、自分の意志のままに相手を従わせようとすること」を意味します。
では、具体的にはどのような場面でどのように干渉が行われるのでしょうか。
干渉における具体的な行動例をご紹介していきます。
1. 相手を尊重しない
干渉とは、辞書の意味にもあるように「相手を自分の意志のままに従わせようとする」ことです。
つまり、相手の意志や意見などはまったく無視をするという状態です。
当然ながら相手への尊重は一切ありません。
先に例を挙げた夫婦と姑の話でも分かると思います。
姑が夫婦のプライバシーや意志をまったく尊重せずに、自分の望みや意志ばかりを押し付けて、夫婦を従わせようとしています。
夫婦にとっては迷惑極まりない姑の言動や行動です。
残念ながらそういった家庭は少なくないようですね。
また、親が子どもの進路について「ここへ進学しなさい!」など、本人の希望を無視して強引に決めてしまうことも、子どもにとっては干渉に当たります。
干渉する側の人間はいつも、「本人のために良かれと思ってアドバイスしてあげた」と勘違いしていることが多いです。
しかし、それはあくまでも「自分が相手のために良いと思ったから言った」ことなのです。
そして、そこに相手の意志や意見はまったく尊重されてはいないのです。
もし本当に相手のことを思うのであれば、まずは相手の意見を尊重するでしょう。
それをせずにあれこれと口を出すということは、干渉以外の何物でもありません。
2. 自分の思い通りにさせようとする
干渉する側の人間は、いつでも干渉の対象となる相手を自分の思う通りにさせようとします。
しかしそれは、本当に相手のことを考えての行動ではありません。
あくまでも「自分がそうさせたいから」という自分勝手な感情からきています。
例えば、ある裕福な家庭があるとします。
夫は大手企業で活躍し、地位も名誉も手にしている立場にあります。
一方の妻は、そんな自分の家柄に恥じないような生活を送ろうとして、専業主婦として家庭を支えています。
そしてそんな家庭に生まれた子どもに対し、両親もしくは母親は、父親と同じような道を歩ませようとします。
幼い頃から子どもに英才教育を施し、将来は一流企業への就職をさせようとします。
もし、子どもがその状態を素直に受け入れていれば、何の問題もありません。
しかし、成長するに連れて、子どもがもし自分の将来を「動物園で働きたい」「介護の仕事で人の役に立ちたい」などと、親の希望とは違うところで考えていたとしたら・・・。
父親のように就職して欲しいと考えている母親もしくは両親と、子どもの意見が対立するでしょう。
この場合、本当に子どものことを考えているのなら、「あなたの行きたい進路へ進みなさい」と両親は快く応援してくれることでしょう。
しかしここで、「とんでもない、あなたは絶対に一流企業へ勤めなければダメ!」と子どもの意見を無視する。