「人を許す」。

言葉で言うのは簡単ですが実行しようと思うと、こんなに難しいものもまたありません。

人間は生きてから死んでいくまで、実に様々な出来事があります。

出会いがあり別れがある。

そして無数の信頼と裏切りもあります。

では「許す」、という行為は自身の気持ちの持ち方次第でどうにでもなるような簡単な事なのでしょうか?

「許す」という事を様々な角度から考えてみましょう。

許すとはどういうことか

ではまず「許す」という事を考えてみましょう。

一口に「許す、許さない」と簡単に口にすることが多い言葉ですが、ではどういった部分でその境界線が張られているのでしょうか?

「許す」という事の概念を簡単にみてみましょう。

相手の行動を認めること


「許す」という事は相手のとった行動を自分の損得勘定を一切に抜きにして認める、という事になるのでしょう。

そもそも、人を許せなくなるのはその人と自身とにある種の約束のようなものや法律上の契約関係ほどではないが心を通わせ合っていた何らかの関係が根本に存在している必要があります。

それは相手の事が好きであり、尊敬しているからであり、師として全てを投げ出してまでも信じているからこそ起こってくる感情なのです。

その感情を何らかの理由で放棄されたり裏切られたりした時に、人は怒りの感情と共に相手の事を許し難き存在、という意識に捉われてしまい、その後、簡単にはその感情は消し去れないような状態に陥ってしまう事を指して言うのでしょう。

だから、自分を裏切って相手の行動を認める、というのはそう簡単に出来る芸当ではないのです。

相手の事を思う気持ちが強かった分だけ、「許せない」と思う気持ちも比例して強くなるのですよね。

こういった感情をとにもかくにも綺麗さっぱり脱ぎ捨てて相手の存在を今一度、真っ白な状態に戻す事を「許す」と言うのでしょう。

許せないことを肯定的な考え方に変えること

人が人を「許す」ためにはあなた自身のモノの考え方を常に「オール肯定」の立場に切り替えれば比較的楽に許すという考え方をすることができます。

「許す」「許さない」という事の境界には自身の主観が大きく関わってきます。

自分以外の第三者から見たらどうってことのないような問題でも当人にしてみたら命にかかわるくらいの大問題かも分かりません。

ここが難しいところなのですが、一つでもそういった自分自身のこだわりを持っていると、それに反したり裏切った行動を取る相手に対しては永遠に心を許せる対象にならない、という事に陥ってしまいます。

これではいつまでたっても自分にとって損な生き方であることは誰の目から見ても明らかでしょう。

人生は長いようであって短くもあります。

こだわりは時として相手の事を「敵」に思ってしまう事もあり得ます。

生きていく上で自分の周りに敵を作るのは得策ではありません。

ならば、なるべくそういった不利な状況を作らないためにも相手の事を許せない、と思ってしまう条件を極力、自ら削除する努力を行うことなのです。

それが許せないと思う事でも肯定的に考えて許せる範囲に落とし込んでしまう、「オール肯定」という発想なのです。

「許さない」という気持ちを持ち続けることは不利益


結局、人間、生きているうちには敵は作りたくないものです。

出来るならば味方というか同志や仲間で身を固めていた方がはるかに生きやすいですし、楽です。

楽な生き方を見つけるためにも不利益を被りやすい「許さない」という発想は極力、カットする事が望ましいのですよね。

許す事が出来る守備範囲が広がれば、自身にもたらされるであろう情報や利益はその分、広がっていきます。

逆に「許さない」範囲を広げてしまえば交友関係も狭くなりそれだけ有益な情報が入ってきにくい状況を作ります。

許さない、という考え方は自分にとっていかに損であり不利益を被るか。

冷静になって考えてみたいところですね。

人を許すための9個の考え方

それではここからは、相手の事を許す事ができるようになる方法を考えていきましょう。

許すという発想に切り替えるとあなたには巨万の富と同等のいいことが起こってきますからね。

1.相手を自分の解釈で決めつけない

人を許すための9個の考え方の1つ目は「自分の解釈で決めつけない」という事です。

人間は主観の生き物です。

物事の基準や判断点を決めるポイントはあくまで自分自身のこだわりであったり勘であったり。

要するに自分自身という事です。

決して相手の気持ちで物事を判断しようとはしません。

ここに人を許すか許さないかの分岐点が生まれてくる訳なのですよね。

つまり自分の気に入った事ならば許すし、逆に気に入らない事をされたなら許さない。

それをとことんまでやられると怒りが憎しみになってしまい、もはや修復不可能な状態になってしまう訳です。

相手にとったら自分にも許せない部分がある

ここでちょっと考えて欲しいのは、誰に、あるいは何を最優先にして物事を考えるか、という事です。

この優先順位がもし自分にいっているのなら、何時まで経っても許す、許さない、の現象は置き続けるでしょう。

ここで気持ちを一旦、違うところに置いてみましょう。

主観を自分以外のところに置くようにするのです。

つまり優先順位のランクを1段か2段、下げるのです。

こうする事によってあなたは許せる範囲がグッと増えてくるはずですし、相手の気持ちに立って、物事を見極める事も可能になってくるはずです。

要は相手の立場を思いやる、という心が芽生える、という事ですね。

あなたが自己中心的な考え方で相手の人と接するように、相手の人も同じ考え方であなたと接しているのが通常でしょう。

と、言うことは相手の人もあなたの事を許していない事になりますね。

これでは双方にとっていい人間関係が築けるはずがありません。

まずは自身の解釈だけで物事を決めつけない、この練習からやってみましょうね。

2.相手に期待しすぎない

人を許すための9個の考え方の2つ目は「相手に期待し過ぎない」です。

人間は何故なのか、相手の事を好きになる人とそうでない人とに分かれてしまいます。

このうち好きでも何ともない人には例え裏切られたり酷い事を言われたりしても「許さないぞ!」という気持ちにまでは中々いきません。

ところが普段から親しくしている気の合う友人や仲間から、裏切りを受けたり悪口を吹聴されたりしたら烈火の如く怒りがほとばしり、挙句は「絶対に許さないぞ!」という憎悪に満ちた感情になってしまいます。

何故、こうもはっきりと相手によってこちらの態度が変わってしまうのでしょうか?

裏切られると許せなくなる

人は信頼関係が何よりも重要ですよね。

だから、お互いの秘密や重要な情報を共有し合う事も出来る訳です。

それは相手が自分の秘密やプライバシーを絶対に公表しないだろうという暗黙の了解が成り立っているからです。

ところがこの了解を一方的に破られてしまったらどうでしょう?そしてその後もあなたに対していろいろな攻撃が加えられたりしたらあなたはどうされますか?

人の我慢も3度まででしょうか。

1度くらいの裏切りならば相手も悪意を持ってやったことではない、と思えるかもしれませんね。

しかし2度も3度もやられたらさすがに堪忍袋の緒も切れる事でしょう。

しかもその時には恨みまで生まれてくるでしょう。

このように人は双方が信頼関係の上に成り立っていると思うからヤバい情報も共有し合ったり出来る訳です。

そこには勿論、お互いの利益が絡んでもきますが。

それを破壊されてしまったら怒るのも無理はありませんし、自分の利益を台無しにさせられた事に一層の怒りを覚え、許すことができなくなってしまうのです。

許すということに慣れる

信じていた人から裏切られて、平常心でいられるはずはないでしょう。

泣きたい気持ちと情けない気持ちが交錯し、やがて憎しみ、恨みの感情に走ってしまう。

これが一般的な人の心の感情だと思うのですが、この時に嘘でもいいですから、相手の事を恨まずに許してやろう、という気持ちをもてるかどうか、なのです。

「カッ!」となった感情を諫めて何とか平常心を保つ。

この行いが出来るようになるかどうかは1度や2度の経験では身につきません

少しずつ許す体験を積み重ねる

よって、今後は裏切られたり自分の思った通りに事が運ばなかったりしたとき、今までのようにすぐに頭に血が上って、「あいつ!絶対許さんからな!」という激情感覚にいかにしてならずに済むか、これを練習していくのです。

人が人に対して「裏切られた!」とか「絶対に許さん!」などという感情に陥ってしまうのは、それだけあなたが使命感に燃えてなにか、目標に向かって達成しようと必死になっているからでしょう。

この必死になっている熱い思いを少々、工夫してみるのです。

つまりあなたは最初から熱くなっており、周囲の状況がよく見えていないのかも分かりません。

あなたの気持ちを一歩下げて、ハイテンションな気持ちをもう一段か二段、落とすだけでだいぶ気持ちが楽になるはずです。

楽にさえなれば、仕事の進行も余裕を持って迎えられるでしょう。

あなたは自分のキャパを大幅にオーバーした状態で走っていたのかもしれません。

安全速度でゆっくり進行しても仕事の速さはさほど、変わらないものですよ。

3.誰でも傷つけてしまうことはある

人を許すための9個の考え方の3つ目は「誰でも相手を傷つけてしまうことはある」です。

あなたが他者から何らかの攻撃や言動を受けて心が傷ついた。

だから、私はその者を恨むし、許すことができない、というのが人を許さない時の発端となる行為でしょうか。

しかし、あなたがそう思うと同様に相手の人もあなたに対して同じ思いをしている事も大いに考えられますよね。

人を許すようになるためには、まず、自分自身が相手に対してどのような風に思われているのか、よく考えてみる必要がありそうです。

自分にも相手を傷つけてしまうことがある

人が人を許せない気持ちになる時は、あなたが一方的に自分の事を被害者、相手の事を加害者、というように決めつけてかかっていないでしょうか?

恐らく多くの人がこの考え方に支配されているような気が致します。

「悪いのはあっち。

私な何も悪くない!」と、半ば興奮気味に発言されている方を私も結構、見てきました。

この辺りが人間関係の難しいところであり、口で言われても中々納得できない部分でもあるでしょう。

人間は感情の生き物。

一度、自分の心に火がついてしまったら、どのような説得や弁明を聞いても頑なに相手の非ばかりを責め立てるものですからね。

しかしながら、しばらく時間をかけてからもう一度振り返ってみてください。

果たして一方的に相手に非があったかどうか。

自分には何の落ち度もなかったか、をです。

案外、あなた自身が騒動の種となって相手を傷つけていた可能性も高いからです。

傷つけてしまったときの自分の気持ちを思い出す

あなたは決して、他者を弄んで傷つける事に快感を覚える人間ではないはずです。

だから、普段のあなたの言動が相手の人を傷つけている可能性があるなどとは夢にも思わないでしょう。

だからこそ、冷静になれた時にじっくりと自身の過去の言動や最近の自分の考え方や仕事への取り組み方、コミュニケーションの取り方などを振り返ってみる必要があるのです。

どこかで他者に対して嫌な思いをさせていなかったか、自分の言動が相手に対して攻撃的でなかったか、あるいは誹謗・中傷・悪口・批判めいた言い方になっていなかったか、などをです。

相手を許せない気持ちになってしまうのは、一種の悲劇です。

それと同じ思いを違う人に対して思わせていたとしたら、あなたの許せないという気持ちは永遠に解消されないのかも知れませんよ。

まずは冷静になって相手の気持ちを汲んでみましょうね。

4.相手の良いところを見つける

人を許すための9個の考え方の4つ目は「相手の良いところを見つける」です。

要は自分の気持ちをポジティブ思考に変えるという事ですね。

ポジティブ思考にしてしまえば、人を許せない、という気持ちになる以前の段階で自己の心をコントロールすることが出来ます。

つまりマインドコントロール、相手の人の事を最初から肯定してかかれば、少々の嫌な事や気に入らない事があっても、何とか乗り切れるという事になるからです。

許せないという気持ちが減る

相手の良いところを積極的に見つけてそれをあなたの頭の中にインプットしてしまいましょう。

相手の人が何故、このような行動を取るのか、相手の心理状態を逆手にとって自分なりに分析・研究してみるのです。

すると、おかしいくらい今までの自分の狭量の狭さが分かってきますよ。

人は誰もがその人なりの価値観で存在しています。

あなたの会社に仮に100人の社員がいるとしたら、それだけで100通りの価値観があるという事です。

その100通りの価値観全てがあなたの価値観と丸々一致するでしょうか?ある一部分は一致するでしょうけどもそれ以外の大多数は一致しない事の方が多いはずです。

だから、自分の価値観を最優先にして生きていくと他者との衝突がこれでもか、というくらい起こり続けるのが当たり前なのです。

これでは疲れるばかりでいい事など何もありません。

許さない事案が増えるばかりであなたの心はパンクしてしまいます。

ポジティブ思考に立って、相手のいいところだけを見るように練習してみましょう。

きっとあなたの心の負担度が大幅に減るはずですよ。

5.許せないと考えている時間は勿体無いと考える

人を許すための9個の考え方の5つ目は「許せないと考えている時間は勿体ない」という事です。

これは前回のポジティブ思考の真逆を行く「ネガティブ発想」の危険性を考えれば納得いただけることだと思いますね。

人間には自律神経というものが備わっています。

脳で考えた事が現実に起こってしまう現象です。

しかし、ほんのちょっと考えたり思ったりした程度では自律神経は機能しないようです。

願いや思いが強ければ強いほど叶うようになっているのが自律神経なのです。

人を許さないという発想は強烈な思念の塊です。

諺に「念ずれば花開く」というものがありますが人を許さない、という思念は念ずる以上の強烈な思いを脳に送ってしまうようですね。

だから、その思いが恨み骨髄となっていつまでも強い思念に捉われるのです。

しかし、このように考えながら生きる事は、誠にあなたにとって、いい事のない人生となってしまうのですよ。

マイナスの感情を抱えて過ごす時間である

人を許さない、という発想は強烈なマイナス発想です。

マイナス発想は自律神経もそのように捉えますので許さない相手の事をとことん、嫌い、憎みます。

しかしながら、自律神経は強く願った事を現実化しようとする機能です。

それによって嫌われたり憎まれたりする対象があなたとなって具現化するのですよね。

これでは何にためにある人を許していないのか分かりませんよね。

よって、私からも言いたいのは、人を許す、許さないの発想で考えるのはやめましょう、という事です。

許さない発想は結局、ネガティブ思考となりあなたに対してろくな結果をもたらせてくれません。

本当に時間の無駄という事です。

人間、生きていくならいい運気をもらいたいですよね。

損をするより得をした方がいいに決まっています。

運気が悪くなるマイナス発想よりもプラス発想で毎日を過ごした方が楽しいと思いませんか?

6.ゴールを決める

人を許すための9個の考え方の6個目は「ゴールを決める」という事です。

これはどういう意味かといいますと、いつまでも許さない、という呪縛に心を左右されず、例えば1ヶ月経ったら許さない、という気持ちとは綺麗さっぱりおさらばして次のステップを目指していく、という考え方です。

誰かを許さない、という発想自体があなたの心をネガティブにしていきます。

これではそう考えている期間のうちは、いいことが全てあなたにやってこないかも分かりません。

そういう事をしないためにも「ゴール」という着地点を決めてしまったネガティブな発想からサヨナラするようにするのです。

終わりがあると心の整理ができる

何度も言いますが、人の自律神経は強く思っている事を、そう思っている人に対して実現させてしまう効果を持っています。

だから、いつまでも恨み、憎み、怒りの気持ちを心に抱えていたら、それらの負のパワーが全てあなたに襲い掛かってきてしまうのです。

しかし、いきなり許せない人間を許してしまえるほど人の器量は大きくないかも分かりませんね。

なので、少しの間は「許せない」、という感情を抱えておいてもいいでしょう。

無理して忘れようと思うよりまだストレスを抱えないはずです。

しかし、ある期間が過ぎたら綺麗に忘れ去りましょう。

忘れるという終わりを作っておけば後々、心の整理も簡単にできるので楽ですよ。

7.許せないことが自分の幸せかどうかを考える

人を許すための9個の考え方の7個目は「許せない事が自分の幸せかどうか考える」です。

ハッキリ言いますと、人を許さない、という考えをずっと心の中にしまいながら生きていくのは幸福ではありません。

むしろ不幸なことです。

何故なら、人を許せない気持ちでいる時のあなたの心は間違いなくネガティブな発想に憑りつかれるからです。

ネガティブ発想になってしまうと人生、ろくな事がありません。

運気は逃げていきますし悪い事ばかり起きてきます。

それもこれも原因の全ては「許さない」という負のエネルギーをたっぷり発散してくれるネガティブ思考があなたの心を充満しているからなのです。

変えられない過去より未来を考える

一度起こってしまった過去の出来事は、もうどうしようもありません。

変える事など、いかなる人間の知恵、能力を駆使しても出来ないのです。

それよりもこれから先の未来ならばいくらでも変えられます。

あなたの思惑通りの未来を創ることもできるのです。

それは未来に希望や夢を託すことができるからです。

そこには人が幸せを掴むためのささやかな願望が込められているからです。

だから、あなたも人生は切り開けていくのです。

どうでしょうか?いつまでもうじうじと恨み、つらみを募らせて特定の人物の事を許せない、というスタンスで生きていた方がいいでしょうか?

勿論、それを決めるのはあなた自身の判断なのですよ。

8.許せない気持ちを相手に伝える

人を許すための9個の考え方の8個目は「許せない気持ちを相手に伝える」という事です。

直接、伝える事によって今まで心に閉まっていたモヤモヤやウジウジした気持ちとすっぱり別れられる効果を期待するためにも、この方法は正攻法かつ最後の砦のような方法でもあります。

しかしながらこの方法を実行するためには少し必要なものがあります。

それは「勇気」です。

「許せない相手」というのはハッキリ言って話をするのも嫌なほど、また顔を合わすのも嫌なくらい敬遠したいはずだからです。

それを面と向かって「あなたの事が許せない」と言うのですかその勇気たるやなかなかのものでしょう。

それにこれだけ勇気を振り絞らなければならないくらいなら、許せないという感情を持つこと事態、あほらしくも思えてくるでしょうね。

しかし、勇気を出して直接、腹の内を吐露するこの方法は今までのどの方法よりも大きな成果を期待できるのですよ。

伝えると楽になることがある

直接伝えて、例え期待した応えを相手からもらえなかったとしても、あなたには計り知れない大きなものを手に入れる事ができます。

それは「気持ちが楽になる」という事です。

こんな気楽な気持ちっていつ以来?と思えるほど、心の重りが一気にどこかへ吹き飛んで言ってくれたような爽快感を味わえるでしょう。

勇気を振り絞って言ってみた甲斐があったというものです。

恐らく伝えてもらえる迄、相手もあなたから「許せない」と思われていたなど、露とも思っていなかったかも知れません。

または、反対に一向に反省の色を見せないかも分かりません。

でも、それはそれでいいのです。

心のつかえが取れただけで大成功なのです。

あなたはやっと閉ざされた心から解放されたのですからね。

9.相手と距離をとる

人を許すための9個の考え方の最後は「相手と距離をとる」です。

これが正真正銘、最後の手段です。

あなたがいくらここまで紹介してきた方法を用いて事の解決を図ろうとしても、当の相手が尚もあなたに対して許せないような言動や行動をとり続けて来るのであれば仕様がありません。

「三十六計逃げるが勝ち」という諺もありますが対話や言葉で事を図っているのに、一向に解決できないのならやむをえません。

早々に退散しましょう。

相手が反省していなかったらいっそのこと関わらない

恐らく相手は、何故あなたが自分の事に対して怒っているのか、許せないと思っているのか、まるで理解できていないか、故意に理解しないようにしているか、でしょう。

人間の性格は千差万別です。

あなたの思っていることを理解してくれる人間ばかりとは限りません。

感受性が恐ろしく鈍感、俗に言う「無神経」な人間も結構います。

こういったタイプの人にいくら口で言っても事の解決には程遠いでしょう。

よって、そういう時は自らそのような人と関わらないという選択肢を選ぶべきです。

その人とその後も仕事や他の事で関係が続くのなら、必要最低限の範囲内で付き合うだけに留めておきましょう。

お互いがこれ以上、深く傷つきあう必要もないのですから。

最後に成りますがこの方法は本当に最後の手段です。

ちょっと冷たい方法かも分かりませんが仕方がないと思って踏ん切りをつける事が肝要ですよ。

許せないのはどんなときか

では次に、人が相手の事を許せなくなるのはどのような時なのか、また、その時の心理状態はどうなのか、について考えてみましょう。

信頼している人に傷つけられた

人が人の事を許せなくなる時のシチュエーションで最も多いのがこの原因ではないでしょうか?「信頼していた人から心を傷つけられた時」です。

自分にとって信頼していた人、両親、兄弟、親友、教師、職場の上司、学校や職場の先輩
などなど信頼に値すると思われる人は一生涯のうちで実にたくさんいらっしゃるものです。

信頼とはすなわち、自分の気持ちも心もその人の事を悪い人とは識別せず、多少の損得勘定が発生する事態になっても、その人の為ならば身を投げうってでも奉仕することが出来る人、とでもなるでしょうか?

まあ、もっとざっくばらんに言ってしまえば、単純に「好きな人」の事になります。

好きだからこそその人の行為に対していちいち目くじらを立てて怒りを露わにする、などという心理状態にはならないはずです。

しかし、そのような人から今までの関係を根底から覆されるような行為を受けてしまったら、どうでしょうか?

結婚間際の人に一方的に婚約を破棄された。

自分の仕事の成功を汚い手を使って奪われた。

恋人を誘惑されて寝取られた。

このような行為を起こした挙句、開き直られてその後の人間関係の修復の見込みがなくなった時が決定的な「許せない」瞬間となるのでしょう。

人を信頼することは、人間が組織や世の中を渡っていくためには重要な事です。

それを踏みにじられてしまったら、相手の事を許せない気持ちになるのも致し方ないでしょうね。

考えが合わない行動をされた

例えば一緒に仕事でチームを組んで取り掛かっていたとします。

立場的にはあなたがリーダー格。

指示・命令を与える立場です。

今まではその関係性が非常に円滑で素晴らしい成果を挙げ続けてきていました。

ところが、ある時、急にその相棒が今までのような動きをやってくれません。

逆に事あるごとに反発してくるようになり、遂には宣戦布告にも似た暴挙に出て自分の前から立ち去った…。

現状の仕事を放棄して…。

あなたは怒りの感情を抑える事もできず、一方的に職場放棄したその相棒の事を恨み、そして許せないと思うようになるでしょう。

これも世の中ではよくあるパターンです。

お互いのどちらかに考え方や主義主張の隔たりが出るようになったからでしょう。

これはお互いの成長という部分で見れば仕方ない事かも分かりません。

これも世の実情。

甘んじて受け入れるしかないでしょう。

侮辱された

「侮辱」も有力な人を許せなくなる要因の一つとなります。

人間、誰でも自己を持っています。

ソレはプライドとも呼べますし自尊心とも呼べます。

つまりそこだけは他人に対して譲れないギリギリ最低の自己を保護する砦。

それを破壊されて心を人まで丸裸にされてしまったら、ほとんどの人間が怒りに震えるのではないでしょうか?そして、そのような行為を仮に行った人間に対しては、一生「許さない」という意識が働くでしょう。

「名誉棄損」という罪もあるくらいなのですから、人間のプライバシーの内側は暴いてはいけないのです。

「侮辱」とは牢屋に入れられるくらい、罪なものなのです。

相手の事を許せなくなるのも当然でしょう。

許すことは簡単なことではない

ここまで、人を許せなくなる原因と、その時の心理面について紹介して参りました。

それでは、反対に「相手の事を許してやってもいい」、という心境になるものなのでしょうか?ちょっとその部分について考えてみましょうね。

過去を変えることはできない

まず、一度起こってしまった出来事は、もうどうしようもありません。

過去は変えられないのです。

そのことをどこまで割り切って考えられるか、です。

しかし、一旦、相手の事を憎く思い許せない、と思ってしまった気持ちはそう簡単には変わりません。

起こってしまった過去は変えようがないだけに尚更、許すという事は難しいでしょう。

勇気を出すと許すことができる

しかし、勇気を出してこちらから一歩、前を向けば解決できるかも分かりません。

しかし、口で言うのは簡単ですが当の本人にとったら、そんな生易しい問題ではありません。

人間の感情のもつれは一旦、もつれると修復するのに相当の時間がかかります。

酷い時はその人の人生が終わろうとしても許すことができない、という事もあり得ます。

それほど一旦失った信頼を取り戻すのは難しいのです。

あなたの勇気がどこまで本物なのか。

それはあなたにも結論が出せない問題でしょう。

許すことは自分も楽になること

ただ、自分の心を殺して、言いたいことも全てしまい込んで一切、この問題についてもう振り返らない、という強い信念を持つことが出来るのなら、相手の事を許せるかも分かりません。

やはり、相手の事を許さない、という気持ちは憎悪の気持ちを含んでいますから自身のこれからの人生にとって、全く邪魔な感情であるわけです。

出来ればそんな邪悪な感情は早く捨て去った方がよっぽど楽なはずです。

一旦、「許さない!」と決めた心を再び元に戻すことができるかどうか。

心の葛藤があなたを苦しめるでしょう。

しかし、葛藤はあなたの人生において非常に役立ってくれる事だけは確かですけれどもね。

まとめ

如何だったでしょうか?人を許すための心がけを中心に「許せない」という事について紹介して参りました。

何度も申し上げますように、人間は「信頼し合う」事によって健全な社会生活を営んでいます。

そこには他の生き物には存在しない「感情」という人間独特のものがあるからです。

「感情」は「理性」とも絡んできます。

もし理性がなかったら、裏切られたり侮辱されたりした人間は相手に対して怒りに任せた暴力をふるうかも分かりません。

それをこらえる代わりに「許さない」という気持ちになってしまうのでしょうね。

いずれにしても約束ごとを破らない、裏切らない生き方を目指したいものです。

もし、約束を破ってしまったら、すぐに「ごめんなさい」が言える人間でありたいものです。

「感謝の気持ち」さえ忘れていなかったら、どういうシーンであっても言えるはずだと信じたいものですね。