激昂とは、一般にひどく感情が高ぶること、ひどく怒ることを指します。

激怒、憤怒、逆鱗に触れるなどとならび、怒りの感情を表す表現の中でも、もっとも上位のグループに入ります。

実生活のなかでは、歓迎されない、できれば追い出してしまいたい負の感情です。

いつも激昂しているように見えるアメリカのトランプ大統領は、実際のところどうなのでしょうか。

マスコミ報道によると、いつも誰かとやりあっています。

敵を作りそれを非難することで、目的を達しようとする手法は外からでもわかります。

しかしどこまで計算をしているのかは全くわかりません。

マスコミをはじめ、多くの人が戸惑っているようですし、ひょっとすると本人も戸惑っているのかも知れません。

彼は、激昂さえも政治手法としてしまう類まれな政治家なのでしょうか。

やっぱり公職経験のないただの政治素人なのでしょうか。

いずれにしろ目の離せない人ではあります。

ここでは家族などのドメスティックな範囲に限定せず、アメリカ大統領とまではいかずとも、もう少しパブリックなシーンまで検討する範囲を拡げて、激昂しやすい人の特徴とその対策について考察してみたいと思います。

激昂しやすい人の12個の特徴

よく怒りまくる人は、その他の手段では他人に影響を及ぼす、つまり人動かすことができないと見られています。

本人もそのことがわかっていて、いつもそういう不安を抱えながら生きているように見えます。

組織のなかでは権限を持っていても、部下が本当に指示通り動いてくれるのか、どうにも確信を持てない人です。

その種の自信のない上司は本当によく見かけます。

こういう人たちは、不安を怒りで打ち消しているイメージです。

それで精神の平衡を保っているのです。

そこには頼りにされるリーダーの風格は、どこを探しても見当たりません。

能力以上のポジションについてしまい戸惑っているのかも知れません。

以下、ビジネスシーンだけに限らず、いろいろ考えられるケースを示してみます。

1. 自分の感情をコントロールできない


いったい喜怒哀楽の感情はどう扱うのが正解なのでしょうか。

解放した方がいいのでしょうか。

それとも抑制した方がいいのでしょうか。

喜や楽そして哀は、解放しても構わないでしょう。

もちろん人を不快にさせない範囲内でという制約はついて回ります。

コントロールすべきなのはやはり「怒」できまりです。

信頼される上司と呼ばれる人々は、これを出したり引っ込めたり、巧みに部下をコントロールするためのツールに利用できています。

こういうとき本当に激昂してしまっては、まったく台無しになってしまいます。

感情をコントロールできる人とできない人では、やがて大きな差がついてしまうでしょう。

2. 自分が絶対正しいと思っている

ビジネスシーンにおいては、少々の批判や雑音にびくともしないメンタルの強靭さは必須です。

いちいち批判に細かく反応していては、身も心も頭も持たないからです。

ぶれない人と評価されるか、頑迷固陋な人と非難されるかは、本人のパーソナリティーとシチュエーション次第で大きく変化します。

それはともかく自分は絶対正しい、という信念を持つことは大切なことです。

ただし自分が常に正しいと思い込むのはNGです。

信念にも適宜に変更は加えていくべきです。

人間は一神教の神様のように絶対的存在にはなれません。

人間なのですから人間らしいたたずまいでかまわないと思います。

正義や悪で割り切るのではなく、多少どっちつかずで、輪郭のぼやけているた方が、周囲の人たちにとって安心できるからです。

3. 熱しやすく冷めやすい


すぐに激昂する人に対しては、感情の起伏が激しい、熱しやすく冷めやすい人、ということで周囲の評価は一致しているのに違いありません。

そしてこれは高い評価とは言えないでしょう。

内外の人たちが、あの人に仕事を頼もうかと考慮しているとき、こういう性格は人を躊躇させます。

これはいい仕事が回ってこない大きな原因となります。

仕事においては、安定して高いテンションを保てる人には、かなわなでしょう。

こうした温度差の大きいという評判は、少しずつ修正していきましょう。

【熱しやすく冷めやすい人については、こちらの記事もチェック!】

4. ナルシストである

すぐに激昂してしまう人は、ナルシスト的な傾向も強く持っていそうです。

ナルシズムは鏡に映った自らの姿にうっとりと酔いしれてしまう、古代ギリシャの美青年ナルキッソスに由来する有名な症状です。

ところが美青年とは見た目では対極にある、大相撲の横綱、大関たちもこの傾向があるといいます。

出番前に自らの姿を大鏡に映し、ほれぼれと陶酔しているらしいのです。

しかしこれには、こんなに立派で強そうなオレが負けるわけがない、と自らを暗示にかけている意味もあります。

言うならば、ナルシズムを積極的に、正のエネルギーに転化し、うまく利用しているのです。

ただし実力の伴わない人の場合、身を飾っている装飾品を確認するだけの意味しか持ちません。

5. 非常にプライドが高い

激昂しやすい人は、あちこちに譲れない一線を張りめぐらせています。

たいていの人はすぐどこかに引っかかってしまい、怒らせてしまうことでしょう。

古くから周囲にいる馴染みの人たちでも、すべてを避けきることはできないでと思います。

そして網にかかる度に、いちいち文句を言われることになります。

やがてプライドが高すぎる人、と誰もが感じるようになり、他人は次第に寄って来なくなります。

高すぎるプライドは孤立への道へ通じています。

プラスの要素は何もありません。

高すぎるものは、少しずつ削っていくべきです。

6. 臨機応変さが無い

激昂しやすい人は、動きにキレのあるキビキビしたイメージはありません。

臨機応変さが足りないと言い換えてよいでしょう。

またこういう人には、たいていの場合ユーモアのセンスも備わっていません。

誰も聞いていないのに、長々と話をするタイプが多いようです。

話の内容も冗長、散漫であることが普通で、KYで、話の出し入れがうまくいきません。

しかし話の腰を折ると、すぐに激昂されてしまうため、それもままなりません。

周囲の感性と自分のそれをシンクロさせることができないでいるのです。

面倒で困った人という評価で固まっているに違いありません。

7. 几帳面で細かい事が気になる

激昂しやすい人は、目先の出来事にこだわって、大局を見失っているイメージが強いものです。

木を見て森を見ずなどの言葉は、ビジネスではよく反省を込めて語られます。

几帳面で細かいのも長所には違いないが、度を超すとマイナスですよ、と戒めているのです。

筆者の経験では、例えば書類の修正カ所が2カ所以上になるともうがまんできず、最初からやり直さずにはいられない、というこまった人がいました。

このケースでは当の本人より、周囲の方が怒りっぽくなっていました。

うっとうしくて蹴とばしてやりたくなるのです。

彼がやり直している間、チームとしての仕事が途切れ、しばらくの間、停滞してしまうからです。

8. 実は小心者である

激昂しやすい人は、実は小心者であることが多いものです。

組織の中で威張り散らしている人たちは、みな例外なく小心者です。

これは地位が高くなればなるほどひどくなることも多いのです。

実際に責任を取らされたり、引きずり降ろされたりする可能性は増すからです。

小心さは社長になってさえ変わりません。

取締役で解任される恐れは常につきまといます。

そして部下が意に沿わない案件を持ち込むとすぐに激昂します。

能力ではなく、敵が少ないなどのバランスによって選ばれたトップに付きまとう病いです。

諫める人もなく、こうした会社の将来は危なくなります。

9. 一般常識や価値観を無視する

激昂しやすい人は、一般常識を持ち出され反論されるのをいやがります。

決してそれらに疎いわけでも、守る気がないわけでもありません。

それよりも自分を優先してくれ、と言外ににおわせているのです。

つまり正論をたたかわせる気はないのですから、ここでは一般常識や標準的な価値観は用を為しません。

それを意識的に無視しているからです。

意識を変えてそれらを重視することもできるはずです。

10. 自己顕示欲が非常に強い

激昂しやすい人は、人一倍強い自己顕示欲を持っています。

それを一定の期間発現できないでいると、ストレスがたまり始めます。

それがマグマとなってエネルギーを蓄積し、小爆発や大爆発を繰り返します。

活火山と同じです。

適当にガス抜きをしておけば、大爆発つまり激昂するまで至らずにすみます。

周囲の人たちである程度調整できれば理想的です。

しかし普通はなかなかそこまでは気が回らないでしょうし、そこまでする義理はありません。

手間のかかる人間です。

11. 周りの世話を焼くのが好き

激昂しやすい人は、意外と家庭的であることも多いものです。

実際の家族ではなく、周囲を自分の疑似家族として取り込んでいたいという欲求です。

そしてその中では主導的立場でいたいようです。

一見すると人のよい世話焼きのようにも見えます。

筆者の知っている例を一つ紹介します。

中国・上海にある日系工場での逸話です。

そこには4人の日本人が赴任していました。

20代の女性1人と後の3人は男性です。

ところが困ったことに、責任者の社長は毎晩、日本人4人そろって食事することを強要するというのです。

他の3人が嘆くことしきりでした。

社長の考えは、海外で暮らしているわれら4人は家族である、ということのようです。

しっかり部下の面倒を見ているつもりなのです。

男性たちはまだ仕方ないとしても、とくに20代の女性にとっては地獄だったことでしょう。

業界からはしきりに同情を集めていました。

7~8年くらい前の話ですが、今ならパワハラとされるかも知れません。

12. 客観性がない

激昂しやすい人は、自分優先の行動が多く、とても客観性があるようには見えません。

しかし実際は、意識的に自分勝手な行動していることも多いものです。

自分の考えや、威厳が通用するのか、または誰が自分に反抗的など確認している意味もあるでしょう。

もともと客観性が欠如しているわけではなくフタをしているのです。

何らかの意図を持ってやっていることが多く、したがって目的を見抜くことも十分可能だと思います。

激昂しやすい人と接する時の注意点

アンガーマネージメントという怒りの研究があるそうです。

怒りを抑える体操など日本ではすでに18万人が指導を受けているといいます。

その考え方によると怒りとは、不快感と攻撃性の2つに大きく関わっています。

しかしその2つが沸点となって持続するのは、たった6秒ほどということです。

つまりその6秒をうまくマネージメントできれば、激昂にまで達することはないというです。

これは激昂しやすい人とうまく付き合うためのよいヒントになりそうです。

それらもふまえて、以下に注意点をまとめてみましょう。

1. スイッチが入りやすい状況をリサーチしておく

激昂しやすい人といっても人それぞれ、個人によって大きな差があります。

結果として激昂するのは同じでもプロセスはいちいち違います。

そのプロセスを分析し、激昂スイッチの入りやすいポイントを把握しておくと対応しやすくなります。

まったく面倒くさい限りですが、アンガーマネージメントによれば、大切なのはわずか6秒ほどです。

我慢すべき場面はそれほど長く続きません。

周囲で危険なポイントの認識を共有できてしまえば、あとの対応は楽になりそうです。

2. 話す時は必要最小限の会話だけにする

激昂しやすい人との会話は、必要最小限にとどめておきましょう。

それが賢明なリスク管理というものです。

揚げ足をとられたり、言質をとられたりするようなリスクは、できるだけ遠ざけましょう。

激昂しやすい相手のペースにはまらないようにすることが大切です。

それには自分からべらべらしゃべって情報を与えないようにすることです。

また会話の主導権をとられないように、よく注意をしておきましょう。

3. 相手の感情に振り回される必要はない

激昂しやすい人は、もともと感情量を豊富に持っています。

長く周囲にいる人なら、本当に怒っているのか、単なるパフォーマンスなのかかなりの確立でわかるでしょう。

それに応じて対処すれば波風はたちません。

しかしあまりにも相手の感情を汲み取りすぎると、子どもの機嫌を取っているのと変わらなくなります。

そもそも相手の感情にいちいち振り回される必要はないわけです。

ときには毅然とした態度で臨みましょう。

4. 相手に強い口調で言い返すのはNG

激昂しやすい人に対して、突っかかっていくのは、愚の骨頂でしょう。

あまりにも結果が見えているからです。

アンガーマネージメントの最後の6秒に思い切り働きかけてしまいます。

これではダイナマイトの導火線に点火するようなものです。

たとえ我慢できないようなやり取りがあったとしても、強い口調で言い返すようなことは避けましょう。

相手のペースにはまってしまいます。

それでは激昂しやすい人と周囲との関係は、相変わらず改善しないでしょう。

5. 相手が興奮していても決して動じないこと

激昂しやすい人が激昂しても、周囲にとってはそれほどの事件にはなっていないと思われます。

慣れっこになっている人たちにとっては、特にそうでしょう。

いちいち動じることはありません。

動じてしまうと、かえって激昂している人と共鳴していることになってしまいます。

アンガーマネジメントの研究では、前かがみの姿勢でいると攻撃性は増していきますが、寝転んでいると攻撃性は弱まるそうです。

そうしてある程度聞き流せるようになり、怒りのレベルは明らかに下がるということです。

今まで以上に落ち着いて、じっくり構えましょう。

6. 相手が興奮したらひたすら相槌を打ってあげる

激昂しやすい人が興奮しているのを見ると、どうやら沸点の近いことがわかります。

アンガーマネジメントの考え方によれば、極限状態の続くのは、わずか6秒だけです。

つまりここをどう乗り切るかにかかっています。

どうやら今回は乗り切れそうだと見通しが着くまで、ひたすら相槌を打って調子を合わせるようにましょう。

これはうまく行きそうな気がします。

激昂しても何のプラスも生まない

本当に激昂してしまっては、何のプラスも生じないことを周囲の人間ともども理解するように努めましょう。

激昂する人は周囲を巻き込んで、一緒にマイナスばかりの負の連鎖に陥ってしまいます。

周囲に与える影響は、心理的なものだけにとどまりません。

必ず実害を及ぼしていきます。

1. 激昂とは?

筆者の家に昭和50年発行の、角川「国語辞典」新版134版、久松潜一、佐藤謙三編という古い辞書がありました。

当時の学生が使っていたサイズで、収録語数7万5000語とあります。

それによると「げっこう」は「激昂」で出ています。

意味は、いきりたつこと、感情が高ぶること、とあります。

「げきこう」は調べて見ても記載がなく、また「激高」も載っていません。

どうやら昭和のオリジナルは、げっこうで、漢字は激昂のようです。

2. 激高との違いは?

それから40年以上経ち、現代のネット辞書を見ると、読みは「げきこう」となっています。

そして「激昂/激高」とひとくくりにされています、意味は、感情がひどく高ぶること、ひどく怒ること。

げっこう「-して机をたたく」 とあります。

また当用漢字による書き替えが妥当という国語表記法の立場から、激高が望ましいという意見があります。

それと40年前にはなかった「ひどく」という語が付いているのは印象的です。

以上のことから「げっこう激昂」から「げきこう激高」へ向かう流れということのようです。

次の40年後には激昂はなくなる運命でしょうか。

3. 激昂が周囲に与える影響

激昂している人の回りは、きっとうまく組織の機能していないテンションの低いチームではないでしょうか。

企業であればきっと効率の悪い組織に違いありません。

それには次に挙げるような点から考えても確かでしょう。

1. 周囲の人に恐れられる

激昂を繰り返している人は、当然周囲に恐れられています。

恐れに親しみをミックスした存在、つまり親分肌、というのならいいのですが、今どきそういう人にはなかなかお目にかかれません。

東芝では、社長自ら、絶対とか必達という強い言葉によって、部下を恐怖支配していました。

現実を認めようとはしませんでした。

その結果は粉飾決算まで招いてしまいました。

いかにもこっけいですが、こちらのパターンの方が現代的な表れ方なのでしょう。

2. 話し合いができない人と認識される

すぐに激昂する人は、聞く耳を持たない人というイメージがあります。

とくに都合の悪い情報は耳をふさぎ、聞こうとはしません。

これでは話し合いが成立しません。

ビジネスにおいては、上司にすると、部下に責任をなすりつけるタイプです。

やがて誰も情報を上げようとはしなくなり、裸の王様化が進んでいきます。

3. 正常な話し合いが途切れる

激昂している人とは、正常な話し合いは成立しません。

話が何回も途切れるからです。

そうした中では、もちろん本音の話し合いなどできません。

そうこうしているうちに大事な話ができない人、と評価が定着してしまうでしょう。

周囲からのランク付けは徐々に下がり、重要人物ではなくなっていきます。

4. 人格障害を持っている可能性も

激昂しやすい人は、精神的に問題を抱えている可能性もないとはいえません。

パーソナリティ障害も考えられます。

以前は人格障害という訳語を当てていましたが、少し強すぎる、烙印を押してしまうイメージがあり、現在はパーソナリティ障害が使われるようです。

文化的に著しく偏った行動様式 を取る、適応的でない、ということを表しています。

激昂ばかりしている人を見ると、確かにこれに当てはまるようにも思えてきます。

ただし診断も治療も難しいものです。

やはり周囲とのやりとりのなかで、落ち着かせていくのがベストでしょう。

5. ストレスが原因となることも多い

激昂しやすい人は、見た目に寄らず、ストレスに弱いということは、十分に考えられます。

もしそうなら比較的話ははやく、別の発散方法を探せば済むことになるでしょう。

ただしそう簡単に行くようなものでもなさそうです。

怒りやすい原因ストレスとに割り切って、適度に発散できていれば、激昂しやす人という評判はとっていないはずです。

ストレスコントロールの下手な人だということは言えると思います。

6. モラハラやパワハラで訴えられることも

激昂しやすい人は、管理職ならすぐパワハラ問題になってしまうでしょう。

もっともこれは企業風土によるところも大きく、古い名門大企業では、表面化せず葬られます。

売上至上主義の行きつくところとして、粉飾決算に手を染めた、東芝や富士ゼロックスなどでは、日常だったことは間違いないと思います。

深夜残業当たり前の電通もそうです。

古い企業は権威主義が蔓延していることで、表面化するリスクから免れています。

新しい企業では、それほどひどい慣習には毒されていることはないはずです。

新しく成功している企業は、勤務形態も服装も高い自由度を持っているところが多いようです。

そうした会社を中心に、不必要な権威主義を追い出し、モラハラ、パワハラから自由な社会に向かっていってほしいものです。