平成生まれの平成育ちの若者にとったら、かつての日本にあったものが物凄い文化の大発見かのような錯覚を覚えることは大いにあり得るかも分かりませんね。

今回ご紹介致します「火鉢」。

これって一体何をするための道具?と思うのはいとも当然の疑問かもしれませんね。

まさかこの「火鉢」が当時の暖房器具であって、それも高額所得者にしかなかなか持てなかった代物であるとは誰も思わないでしょう。

それでは「火鉢」を代表にしてこの古き良き時代の日本の文化というものの一端を触れていきましょう。

昔ながらの日本文化をのぞいてみませんか?


皆さんはドライブや日帰り旅行で里山や民族文化館のような昔の人々の暮らしぶりを展示している施設を見学したことはありませんか?

昔といってもほんの50~60年前の話です。

日本が戦争に負ける前後の頃合いの話しです。

電化製品が当たり前ではなかった時代の事です。

例えば電気炊飯器。

ものすごく便利ですよね。

さっとお米をといで本体にセットしてスイッチを入れるだけで美味しいご飯が炊きあがります。

ところがそんな便利なものが出来る前まではご飯を美味しく炊くのも一苦労だったのです。

土間に大きな釜を用意し薪や石炭を熾して火を起こしご飯をせっせと炊いていました。

火の加減次第ではご飯を炊くのは失敗します。

当時のお母さんたちにとったら男尊女卑の中、懸命に時間をかけてご飯炊きに勤しんだのです。

そのような日本の習わしや風習を知る人は今や少数派になってしまったでしょう。

しかし、そのようにして手間暇かけて炊きあがったご飯はおこげがあったりして格段に「美味かった」のは間違いないのです。

これが「おふくろの味」と呼ばれる所以でもあったのです。

このような古来から守られ踏襲されてきた日本の文化。

今からのぞいていってみましょうね。

歴史を知ることは大切なこと

古来から受け継がれてきたもの、つまり歴史を知る、ということは人間が正しく生きていく上において非常に大切であり重要な事になるのです。

よく「歴史は繰り返す」などと言いますよね。

これなどはいかに人間が歴史から学んでこなかったか、あるいは時間の経過と共に過去の痛い教訓を全く生かしていないか、がよくわかる出来事です。

歴史を知り、それを今の生活に生かしていく。

これは今後も綿々と受け継がれていかなければいけない私たちの義務でもあり人生訓でもあるでしょう。

先人から学ぶことがある

私たちの先人は過去に愚かな「戦争」という行為を働きました。

戦後、当時の人達はもう二度とこの悲惨な毎日を繰り返さないために懸命になって働き驚異的な経済成長を遂げてきました。

ここで私たちは学ばなければならないのです。

戦争を起こしたのも私たちの先人。

驚異的な経済発展を遂げてきた時代の人達も先人。

この両者から良い面、悪い面を客観的にかつ偏った思想を排斥しながら明日の日常のために生かしていななければいけないのです。

よってその気になれば過去の歴史をひも解いて学んで行ける教材がゴロゴロあるという訳なのですよ。

私たちの祖先を知れる

また私たちの祖先について研究していくのも歴史を知る上で大いなる起点となるでしょう。

そもそも祖先の方たちが存在しなかったら、今現在の「私」という人間はこの世に誕生しmなかったわけですからね。

だから先祖のルーツを知り、それを思いやって感謝する気持ちを持つことは今後のあなたの人生を考えるに当たって、決して無駄なことではないでしょう。

ただ、だからといって無理下りに先祖を奉ったり神格化する必要もないと私は思います。

それは現代社会がかつてのような大家族構成ではなくなり「個人」が尊重される時代になったからでもあります。

先人たちの時代背景をそっくりそのまま今の時代に当てはめたら大混乱を起こしてしまいそれこそどっちが正しくてどっちが悪い、などという次元の低い論争になってしまいますからね。

要するに歴史に脈々と受け継がれてきた、生きていくための「知恵」というものを先人の歴史から感じ取ることだと思っています。

身の回りのものに感謝できる

先祖を知り、先人から学ぶ姿勢を身につければ自ずと身の回りのものに感謝できる考え方が育まれてきます。

それは家族以外の人達の生き様や人柄、人間性などに接することによって自然と芽生えてくる人間誰もが持っている「感受性」というものが働いてくるからです。

人は発育段階における環境がその人の人格形成に大きな影響を与えることは周知の事実です。

周囲の人が人懐こく、笑顔で優しく接してきてくれる環境ならばその通りの性格が成長していってくれます。

反対に人の悪口や愚痴、文句、嘘、暴力を幼い頃から受けて育てば、それが当たり前なんだ、と大脳に学習され刷り込まれてしまうのも必然の行動様式なのです。

大人になってから周囲の人に感謝し、労を惜しまず働ける人。

反対に児童虐待やDVDに訴えるしか生きる術を持たない人。

皆、育ってきた周囲の環境が大きな要因を持つことを誰も否定できないでしょう。

昔から「蛙の子は蛙」といいますね。

見習うべき人(両親)がどのような生き様を自分の子供に見せてゆくか。

ここにその子供が将来、周囲のものに感謝できる人間になれるかどうかのカギを握っているでしょうね。

海外ばかりじゃなくて日本にも興味を持ってみよう

日本は敗戦後、すっかり西洋かぶれの国になってしまいましたね。

別にそれがいい事だとか悪い事だ、とかは言いません。

海外に広く目を向けることは、それまでの凝り固まった生活様式を見直し、新しい未来に向かってゆく希望と活力を植え付けてくれたのですからね。

ただ、だからと言って日本の文化が全く役に立たないものばかりか、と言えば全然そうではありません。

むしろ、忘れてしまった日本の良き伝統、文化・風習は山のようにあるのです。

電卓やパソコンが当たり前の今の時代。

なのにどうして「算盤」は絶滅しなかったのでしょうか?

そこには人間の脳を合理的に鍛える素晴らしいメソッドがたくさん、盛り込まれていたからです。

写経と呼ばれる般若心経を書き写す教室が静かなブームのようです。

これも一点に集中して物事に取り組む脳のある部分を磨くのにうってつけだからでしょう。

日本人の賢さは「読み書き算盤」にあったのは密かな大発明であったかもしれません。

読んで書いて指ではじいて計算する。

人間の五感を合理的に駆使して脳力を磨いていたのです。

だから今の時代になっても廃れないのでしょう。

いいものは文句なしにいい。

これがいつの時代になっても受け継がれる日本の素晴らしき伝統文化の一端なのでしょうね。

一度、海外にばかり目を向けないで日本のものにもじっくりと目を向けてゆきませんか?

火鉢って知ってる?

さて、ようやく今回の本題にたどり着きましたね。

皆さんは「火鉢」というものをご存じでしょうか?

当然ながら今の時代、畳から椅子、テーブルに生活様式が変わってしまったのですから火鉢を持っている家庭というのはほぼないのではないでしょうか?

特に都心部においてはほぼゼロというのが実情でしょうね。

それではじっくりと「火鉢」についてご紹介して参りましょう。

博物館や郷土資料館で見たことがあるかも

「火鉢」の解説に入る前に、身近なところで見たことはないでしょうか?

昭和の頃のホームドラマや時代劇を見ている人ならば何気なく見ている事があるかも分かりませんね。

またはドライブや日帰り旅行でその地域の博物館や郷土資料館などに入った時に目にはいったかもわかりませんね。

形的には大亀のずんぐりしたような形です。

地面の接点は小さく上に行くにつれて開放部が大きくなります。

そしてその中にはたくさんの量の灰があります。

これが基本的な火鉢の外見ですね。

博物館や郷土資料館、テレビなどで見かけるチャンスがあったなら是非ともじっくりとご覧になってくださいね。

まずは何に使うものか想像してみよう

じっくりご覧になったなら、まずこの物体、いったいどういう使い道をするのか。

それについて考えてみましょう。

平成生まれの方たちならば恐らく今まで見た事もない置物でしょう。

しかし置物にしては丈夫で頑丈で重いです。

そりゃそうです。

この置物は「暖」を取るために危険を最大限に防止する事と、暖かさを追求するための相反する特徴を一挙に備えているのですからね。

実際、機会があったなら「火鉢」に近寄って手を当ててみることです。

何とも言えないあの暖かさ。

何か下の方からじわっと優しく暖めてくれているかのような錯覚を起こさせてくれる感じがします。

そして火鉢のヘリにはお餅やスルメなどを焼き上げるのに絶好の場所があるのです。

そこは結構熱く、子供が触ろうとしたら大人から怒られるのです。

それは火傷をするから。

それくらい「火鉢」の勢いは強力なのです。

しかし「火鉢」が一つあれば家族が集う茶の間程度の広さなら十分な暖房能力がありました。

寒い冬の家の中は思った以上に震えるもの。

でも「火鉢」があったらそれだけで家族の心が一度に暖かくなったかのような不思議な感覚があったのです。

それは「火鉢」の火の特徴にもあったからでしょう。

では、そのような「火鉢」の特徴について以下の章でみていきますね。

火鉢についての説明

それではいよいよ、待望の「火鉢」についてみていく事に致しましょう。

日本人の生活の中からいつの間にか消えていった「火鉢」。

その概要と実力の程を確認していきましょう。

火鉢は昔の暖房器具


「火鉢」は昔の日本家屋のどこにでも結構あった暖房器具です。

器具といっても電気やガスを使うような軽くて持ち運びに便利な代物ではありません。

火鉢でお馴染みの材質は瀬戸物です。

表面はピカピカに磨かれた大亀のような姿をしています。

丁度、素焼きの植木鉢の大型版といったところでしょうか。

あなたが時代劇ファンだったならドラマのワンシーンによく登場していたのをイメージできると思いますよ。

大抵、身分の上の人間が暖を取るために当たっていたシーンがあったと思います。

そしてその現物は結構、頑丈で重いです。

女性が「ヨイショ!」と言って持ち上げるには少々、骨が折れる重さです。

それもそうですよね。

もしこの火鉢が簡単に転倒して家の中をゴロゴロしてしまったらあっという間に火事騒ぎになってしまいます。

何せ本物の火が何の保護版もなにもない状態で炭という形で燃えているのですからね。

炭火の焼き肉屋さんに行った事のある方ならば想像しやすいと思います。

コンロの中の炭って一旦火が付くと猛烈な勢いで火が起こりますよね。

もしこの火が火鉢ごと転んでしまったらそれこそ一大事です。

だから火鉢は倒れないようにガッチリと作られているのです。

とにかく、火鉢はガスも電気も灯油も石炭もなかった時代の暖房器具です。

そして光熱費のかからなかった超経済的な暖房器具でもあったのです。

炭を用いて使用する

「火鉢」の燃料は炭です。

これが唯一の燃料です。

この炭を灰の上に乗せ、火を起こして暖を取るのが火鉢の使い方になります。

さてではどうやって「火鉢」に火のついた炭を乗せたらいいのでしょうか?

皆さんも屋外で七輪を使って焼き肉をやった経験がおありならば分ると思います。

炭は下から空気を送り込んで火をつけないとなかなか燃えてくれません。

上からいくら火のついた新聞紙をかぶせても炭に火は燃え移らないのです。

そこで炭に火を起こすための道具が登場します。

片手のフライパンのような形をした鉄製の道具です。

底の部分は適度に穴があいていてこれに炭を乗せてガスコンロであぶって火をつけるのです。

そしてこの火のついた炭を火鉢の灰の上に置けば完了です。

一旦、火の起こった炭ならばあとで別の炭を追加していけば大丈夫。

空気を汚さない快適な炎があなたのお部屋を暖かい空間に包んでくれるでしょう。

炭は薪などのように燃やしても煙は出ません。

よって室内はいつもキレイな空気の状態が保たれる、という事になりますね。

という事で、昔の人たちは火鉢を使うために絶えず「炭」を確保しなければなりませんでした。

と言っても今と違い当時は街中であってもちょっと足を伸ばせば野山は近かったでしょう。

天然の資源が常に身近にあった環境下でしたから確かに光熱費のようなものは今の時代のようにはかからなかったはずなのですよね。

ただ、炭というものは材木をそのまま使えるわけではありませんからね。

ちゃんとした火鉢用の炭となるとやはり炭問屋などが商いとして手堅く取り扱っていたのでしょう。」

火鉢の歴史

それでは次に「火鉢」の歴史についてみていく事に致しましょう。

「火鉢」というものは一体、いつ頃から使われるようになったのでしょうね。

奈良時代に生まれた火鉢

「火鉢」がいつ頃から暖房器具として使われだしたのか、という正確な資料は残念ながら確認できていないようです。

ただ、炭というものを燃やしていたことは史実に認められています。

奈良の大仏様を建立する際に、大仏様の原料となる銅を燃やして溶かすために炭を使っていたのは間違いがないようです。

このおかげで炭が暖房器具用の燃料になったという事が当時の人たちの間でも十分、認識できたであろう事は容易に想像できます。

燃やしても煙が出ない炭は室内で使う暖房器具用としては、これ以上ない「もってこい」の発見だったに違いなかったでしょうね。

そもそもは上流階級で使われていた

「火鉢」の使われ始めは専ら、上流階級が中心になって使われていました。

これは致し方ない時代背景がありますので、止むを得ない事でしょう。

仮に奈良時代から火鉢が使われ始めたとしましょう。

当時の支配階級は天皇を頂点とした貴族階級です。

当時は今の時代と違い完璧な君主性の国家です。

庶民、つまり農民は土地の有力者に年貢を納めるのが精一杯。

とても「火鉢」などという「贅沢品」に手を出す事は出来なかったのです。

その後、鎌倉時代になって武家社会となってからも農民の身分は一切、変化はありません。

それから江戸時代になってようやく「士農工商」という身分制度が出来、一部の庶民の間ではようやく「火鉢」を入手して使う、という事が可能となったようですね。

ただ、それが出来たのはあくまで「町人」たち。

要するに商いや職人として一定上の所得があった者だけです。

大多数を占める「農民」達にはとても火鉢など手が届くものではなかったのです。

こうやって「火鉢」は上流階級を主体にしてその後も使われていく事になったのです。

次第に庶民の間にも普及される

しかしながら時代が明治を迎えるころになって庶民の間にもようやく火鉢が普及されるようになっていきます。

身分制度に変化が起こり、農民を半奴隷のように扱う武家社会もようやく終わりを迎えます。

それでも貧富の差がなくなったわけでもなく、全ての庶民の元に「火鉢」が行き渡ったわけではありません。

しかし、全てとはいかなくてもようやく庶民の元にも「火鉢」が普及し始めた事は間違いありません。

始めて火鉢を使えた時の喜びようといったら、なかったでしょうね。

まあ、今の火鉢でもリビング全体を暖めるまでは行きませんが、手を近づけたりすれば暖は十分取れます。

薪を燃やして囲炉裏で暖を取っていた時とは大きく生活様式が変わったでしょうね。

インテリアとしても使われる

「火鉢」を形づくる材料は陶磁器や木材、石、鉄がメインです。

その中でも特に陶磁器や木製のものはデザインや色柄に凝ったものも多く、今の住宅事情の中では暖を取る道具としてではなく、お部屋のインテリアという側面で使用されるケースも増えてきているようですね。

まあ、ワンルームマンションのような間取りでは結構場所を取る「火鉢」を置くことは無理があるでしょうが、それなりの広さのリビングを持つご家庭ならばインテリアの一環としてお部屋の中に置くことでグッと雰囲気を日本の良き時代に引き戻す事も出来るでしょうね。

デザインや配色が美しい

現代のインテリア向きの火鉢は陶磁器が主体です。

陶磁器は様々な配色・デザインが作り手の意思によって思うがままのものを作りだせるメリットがあります。

また木製の火鉢も和室の雰囲気にピッタリはまる道徳のテイストを醸し出してくれます。

昔の時代劇を見たら、大名の部屋や有力商人の屋敷の主の気屋には決まって長型の火鉢がセットされていましたよね。

そしてキセルの灰を器用に火鉢の灰の中に捨てるシーンもありました。

まさに「火鉢」は日本の和室に合う、とっておきの「家具」のような位置づけなのでしょう。

昭和初期までは半炊事用としても使われる

また「火鉢」には暖を取るための目的とは違う用途もあったのです。

それはお茶を沸かしたりお餅を焼いたりする「半炊事」としての役割です。

火鉢にはお湯を沸かせるように「五徳」と呼ばれる金属製の足を持つ道具があります。

これを灰の中に差し込めばやかんをその上に置いて、お湯を沸かせる事が可能でした。

お湯を沸かす時の蒸気が部屋に流れてゆくので適度な乾燥対策にもなります。

かなりエコな生活を送れる訳です。

更に火鉢の上に金網のメッシュを置けば簡単なものなら焼く事も出来ます。

下に脂が垂れないものなら何でも焼くことができますが、やはり定番といえばお餅でしょう。

お正月、皆で火鉢を囲んで銘々のお餅を網の上で焼きます。

時間が経てば「プクー」と膨らんでゆくお餅を見る事ができます。

日本に昔からあった家族団らんの時間といえますね。

さらにお酒好きの人にとったらやかんの中で熱燗をセットすることもできますし、網の上でスルメを焼くこともできます。

昭和の頃のお父さんたちの至極の晩酌タイムが復活するという訳ですね。

ストーブが普及され始めて火鉢の姿は減った

日本の古き良き時代を思い起こさせてくれる「火鉢」。

しかし、時代の推移と共にその姿はどんどん私たちの目の前から消えていってしまいました。

そこには先進国となっていった我が国の住環境の変化が大きく影響してくるのです。

手間がかかる・一酸化炭素中毒の恐れ

その生活環境の変化というのは「ガス・電気」の普及です。

それプラス「灯油」を使ったストーブの出現が火鉢の運命を大きく変えてしまいました。

火鉢のウイークポイントは何といっても火を熾すまでの手間です。

現代ならば炭の上からバーナーで火をかけて火を熾す事も可能ですが当時の家庭にはそのような便利なものはありません。

よってお母さんたちが表に出て炭を別の場所で熾しそれを火鉢に移していたのです。

更に炭の後始末にも神経を使いました。

消えていると表もまだ内部で火が残っている可能性があります。

炭を燃やしている時に最も怖いのが一酸化炭素が発生するという事なのです。

だから定期的に部屋の空気の喚起を行わなければなりませんでした。

そうしないと最悪、一酸化炭素中毒で睡眠中に死亡してしまうという悲劇もあり得たのです。

ところが灯油やガス・電気の出現はこれらの手間や一酸化炭素中毒の恐怖から解放してく
れました。

点火したい時に簡単にそれが出来、消したい時も指一本で消火できます。

これでは手間がかかって一酸化炭素中毒の危険性のある火鉢が消えてしまうのも無理はありませんね。

こうやって昭和の後期に至る段階において家庭から火鉢が消えていった、という事になるわけなのです。

「簡単・便利」のキャッチフレーズの前にはさしもの火鉢もひっそりと消えてゆくしかなかったのですね。

火鉢の種類あれこれ

それでは次に火鉢の種類についてみていきましょう。

長火鉢

火鉢の種類の最初の1つ目は「長火鉢」です。

これは時代劇やドラマでお馴染みの火鉢ですね。

サイズ的にも横の長さは1メートルくらいはあるでしょう。

どっしりとしたいかにも貫禄たっぷりの火鉢です。

時代劇では悪玉の親分がキセル片手に長火鉢の向こうに座してこちらに睨みをきかせる風景が目に浮かんできます。

この長火鉢、外部は木製になっていて内部には鉄が使われています。

今の時代だったら和室に1つあったらいかにも純日本風という演出をやってくれることでしょう。

外部の木目肌の美しさが何より部屋のインテリア感を引き立ててくれるでしょうね。

角火鉢

火鉢の種類の2つ目は「角火鉢」です。

これは古民家などに行けば今でも使っているところがありそうな出で立ちをしています。

文字通り外観は角型、ほぼ正方形です。

そして長火鉢と違う点はその4面全てから暖を取ったりお餅を焼いたりできるという事です。

言うならばダイニングのテーブルの形をした火鉢、といったところでしょうか。

とにかくこちらの「角火鉢」もインテリア感たっぷりです。

またこの「角火鉢」はお部屋のタイプを選びません。

和室にも洋室にも合うのが最大の特徴ですね。

外観は長火鉢同様、木製。

内部は鉄製です。

家族団らんの場にはこの「角火鉢」、もってこいの存在となるでしょうね。

丸火鉢

火鉢の種類の3つ目は「丸火鉢」です。

もうこれはお馴染みの形をした火鉢ですね。

火鉢といえば皆さん、このタイプを連想するのではないでしょうか?

外観はキレイな大型の釜、そのものです。

外観は陶磁器製。

信楽焼がシェアのほとんどを占めているようですね。

この丸火鉢の特徴は材質が陶磁器だけあって本体全体がいい感じ暖かくなってくれることです。

上部の熱と周囲の暖かさ。

これこそが皆が求めている火鉢のメリット面でしょう。

勿論、形が円形なので丸火鉢の周囲のどこからでも暖を取りに行けます。

また陶磁器の特性を生かして色柄やデザインは品揃えが物凄く充実しています。

一家に一つ、用意するならば何と言ってもこの「丸火鉢」になるでしょう。

六角火鉢

火鉢の種類の4つ目は「六角火鉢」です。

この火鉢の最大の特徴はその外観が見事に六角形に作られている事でしょう。

見た目にも非常に小ぎれいでおしゃれ感も満点。

さしほど六角形のテーブル、といった風情ですね。

材質は木製がほとんどです。

形状的に陶磁器でこれを作るのは物理的にいってちょっと無理がありそうですからね。

そういう事でこの「六角火鉢」骨董品的な価値が相当あるようです。

恐らく作るにしても熟練の職人さんの腕が必要でしょう。

それほど綺麗なこの六角形はプロの腕がないと納得いく仕上がりになりそうにないくらいの重厚感を感じさせてくれるのです。

大名火鉢

火鉢の種類の5つ目は「大名火鉢」です。

こちらの火鉢はかなりな高級感があります。

外観的には四つの足を持っている低めのテーブル、といった感じですね。

高さ的には丁度、炬燵程度の高さ。

そして中央部に丸型か角型の金属製の火鉢が備え付けられています。

いかにも大名様が優雅に使用していた、というシーンを想像させてくれる一品というイメージです。

さらに大名火鉢のもう一つの特徴は本体を支える足の部分が様々な模様や彫刻等で彩られている点です。

さすがは大名火鉢。

権力者のために作られた贅を極めた逸品、というところでしょうか。

小型火鉢

火鉢の種類の7つ目は「小型火鉢」です。

書いて字の如く、卓上に置ける程度の小型の火鉢です。

ダイニングのテーブルの上やご自身の机の上に置いて暖をとったりちょっとした料理やお湯を沸かしたりするのには重宝できるでしょう。

大きさ的にはちょっと大きめの花瓶くらいでしょうか?まあパーソナルユーズで使われるなら何の問題もない大きさでしょう。

材質は陶磁器製が多いですが、丹念に探せば木製や鉄製のものにもお目にかかれるでしょう。

大きな火鉢を置きたい事は置きたいがスペース的に無理がある場合ならうってつけの火鉢でしょう。

手さげ火鉢

火鉢の種類の8つ目は「手さげ火鉢」です。

こちらも文字通り、手に持って移動させることができる携帯タイプの火鉢といえるでしょう。

手さげ火鉢も基本的に個人向けのです。

それも持ち運びを頻繁に行う人向け、といった火鉢でしょう。

ただ、世の中に出回った量でいえば、先に紹介致しました、まる火鉢や長火鉢には遠く及びません。

火鉢を個人用に使える人というのは限られていた時代です。

よって今現在でも「手さげ火鉢」という商品は探しにくいというのが現実となりそうですね。

昔の日本の生活に興味が湧いてきた!

如何だったでしょうか?

「火鉢」は日本人の知恵と汎用性が生み出した画期的な「暖房器具」と言えるでしょう。

それは火鉢の燃料が「炭」であるところが、国土の過半数以上を森林で覆われている我が国の特性を生かした応用と言えると思うからです。

と、同時に「火鉢」には実用的な部分と観賞用に適した両方の特性を合わせ持っています。

これなども日本人の器用さと風流さを楽しもうという「和」の心を感じずにはいられません
ね。

「火鉢」は現代の日本にも十分、価値のある商品力を発揮してくれています。

田舎住まいや古民家暮らしに憧れる人にとっては「薪ストーブ」に匹敵するくらいの貴重品となる事でしょう。

私たち、日本人の昔の暮らし方に少しでも興味が湧いてくるならば、思い切って「火鉢」を購入してみて古き良き時代の日本のたたずまいの一端を覗いてみるのも悪くはないでしょう。