涙腺が弱い人は、感受性豊かで心優しい、とても素直な人のイメージがありますよね。
でも当の本人は、涙腺が弱くて困ることもしばしば…。
感情に揺さぶられて涙を流すのは、人間の生理現象のひとつ。
自然なことではあるのですが、時に泣いてはいけない場面というのもあります。
そんな時、涙が溢れて止まらないと、ちょっと恥ずかしい思いをしてしまいますよね。
そもそも、涙腺の弱さは人によって違います。
同じ映画を見ても、泣く人もいれば泣かない人もいます。
そこには感情の動きの差もありますが、同じように感動しても、涙を我慢できる人もいます。
では、涙腺が弱い人にはどのような特徴があるのでしょうか?
今回は、『涙腺が弱い人の特徴』をご紹介します。
泣いてしまう理由や特徴を知れば、我慢のツボもわかるかもしれません。
今回はさらに、『泣いてはいけない場面で我慢する方法』にも触れていくので、涙腺の弱さに困っている人は、ぜひ参考にしてください。
泣いてしまう理由
涙には、3つのタイプがあります。
ひとつは基礎分泌。
瞬きをするときに出る微量の涙で、誰もに起こる現象です。
2つ目は反射性分泌。
目にゴミが入ったときなど、外部からの刺激を受けて涙が出る現象です。
そして3つ目が情動性分泌で「人が泣く」と言い表される現象です。
感情による涙のことで、涙腺の弱さにも大きく関わるのが情動性分泌。
涙腺が弱い人が泣いてしまう理由の多くは、感情が影響したものなのです。
では、涙腺が弱い人は、どんな感情をもったときに泣いてしまうのでしょうか?ここではまず、泣いてしまう5つの理由をご紹介します。
涙腺が弱い人なら共感できる部分が多いと思いますが、中には意外な原因が泣いてしまう理由になっていることも…。
まずは自分の涙腺ポイントを自覚していきましょう。
気持ちが不安定
泣いてしまう理由には、気持ちが不安定であることが挙げられます。
気持ちが不安定な状態とは、自律神経のバランスが崩れている状態でもあります。
そして自律神経は、涙とも密接に関わっているのです。
感情による涙は、自律神経のうち、特に交感神経との結びつきが強いと考えられています。
感情は扁桃体で作られると言われていますが、扁桃体のすぐ隣にある視床下部から伸びているのが自律神経です。
自律神経は自分の意思でコントロールできない神経と言われており、意思とは関係なく体の内臓機能を調整する役割があります。
この自律神経のバランスが崩れると、体に不調をきたしたり、気持ちが不安定になったりするのです。
そうなってしまう原因は主にストレスです。
ストレス過多の状態が続くと交感神経が働き続けることになり、副交感神経が働く隙を与えません。
つまり、リラックスモードになれないということです。
そして、感情の動きから交感神経が優位になり、自律神経から刺激が伝わるのが抹消にあるまぶたです。
気持ちが不安定なときは自律神経のバランスも乱れており、上手にストレスとリラックスの切り替えができないから、涙がでるというわけですね。
他人に感情移入をした
他人に感情移入をするというのも、泣いてしまう理由のひとつです。
他人に感情移入している状態とは、それを自分のことに置き換えて、まるで自分のことのように物事を感じ取るということです。
ですから、他人のことであっても同じように感情が動きます。
感情が動けば…前項でご説明した通り。
感情への刺激により交感神経が優位になり、それが自律神経を伝わり涙腺を刺激するから泣いてしまうのです。
交感神経が優位になるときというのは、言わば興奮状態です。
これは悪いことばかりではなく、仕事をするなど外で活動するときに役立っています。
ただ、いつでもすぐに動けるよう、戦闘モードになっているとも表現できますよね。
つまり交感神経が優位なときは、刺激や感情に敏感な状態でもあるんです。
他人への感情移入も、結局は感情に刺激を受け、ストレスとも似た状態が作られます。
だから涙腺が刺激され、涙がでるというわけです。
感動をした
泣いてしまう理由には、感動することも挙げられますね。
映画やドラマを見て感動したり、自分に起きた嬉しい出来事によって感動したり…。
人は様々な場面で感動し、涙を流します。
感動するというのも、実は交感神経が優位に働いている状態です。
一般的なストレスとは少し違いますが、興奮状態であることは間違いありません。
そして興奮状態というのも、長く続けば体にとってストレスになり得ます。
そんな状態を解消してくれるのも涙なのです。
泣いたらスッキリした!という経験、誰もが一度はあるのではないでしょうか。
辛いことがあって泣いても、嬉しくて泣いても、泣いた後は妙に晴れやかな気持ちになりますよね。
なぜかというと、涙にはストレス発散効果があるからです。
嫌なことがあったときほど泣くとスッキリするのは、このストレス発散効果が良い影響を与えてくれたからと言えるでしょう。
また、人はさまざまな事柄に期待感を持ち、それが実現したり、裏切られたりして感情が刺激されることが多いそうです。
期待と現実とのギャップに感情が刺激され、興奮状態になるから涙も流れるというわけですね。
興奮するから泣き、泣くことで興奮状態からリラックス状態にしようとするのが涙の役割。
感動して泣いてしまうのも、自然の原理と言えます。
気持ちが大きく動かされた
感動したり、他人に感情移入したり…。
人は気持ちが大きく動かされたとき、泣いてしまいます。
その理由は、これまでにもご説明した通り。
感情が自律神経へ伝わり、涙腺を刺激するからです。
気持ちが大きく動かされるシーンは、実にたくさんありますよね。
嬉しいとき、悲しいとき、悔しいとき、辛いとき。
日常に起きるたくさんの出来事で、常に気持ちが動かされています。
そんなとき、いずれも自律神経の状態は交感神経が優位な状態。
つまり、気持ちが揺れ動きやすい人ほど交感神経が優位になりやすく、泣くことも多くなるということですね。
ここに、涙腺の弱さの原因があると言えます。
涙腺が弱い人は、感情の動きが激しい人。
感情への刺激に弱い人なのです。
気持ちの動きは、人によって違います。
同じ事柄を体験したとしても、誰もが同じように気持ちが動くわけではありません。
そこにはもともと持っている性格や性質、価値観などが関わっていると考えられます。
後ほどご紹介する『涙腺が弱い人の特徴』では、どんな人が感情の刺激に弱いのかを解説しています。
自分がなぜ涙腺が弱いのか、その根本原因が分かるでしょう。
ホルモンバランスが乱れている
泣いてしまう理由には、ホルモンバランスの乱れもあります。
ホルモンバランスもまた、自律神経のバランスと密接に関係しているのです。
ホルモンが分泌される場所は、自律神経をコントロールする脳の部位と近い位置にあります。
ですから感情と自律神経が密接な関係にあるのと同じく、ホルモンの分泌も自律神経に影響しやすいのだそうです。
ホルモンバランスが乱れれば自律神経のバランスに影響を及ぼし、自律神経のバランスが乱れるとホルモンバランスも乱れやすくなる…。
となれば、気持ちは不安定になりやすいということ。
交感神経が優位になれば、涙腺に刺激を与えることになりますよね。
ホルモンバランスが乱れる原因は、ストレスや生活リズムの乱れ、睡眠不足などです。
ストレス過多の現代、私たちは泣きやすい状態にあるのかもしれません。
また、ホルモンには男性ホルモンと女性ホルモンがありますが、涙は女性ホルモンが関係しているそう。
男性より女性が涙もろいというのも、女性ホルモンのひとつ、プロラクチンというホルモンが涙腺にあるのが原因だと考えられています。
プラクチンは男性にもあるそうですが、成長期以降、女性のプラクチンは男性の1.5倍に増加します。
このプロラクチンに刺激されるから、女性は泣きやすいということです。
涙腺が弱い人の4つの特徴
さて、ここまでは泣いてしまう理由を解説してきました。
人は色んな理由によって、涙腺が刺激されることが分かりましたね。
ではここからは、『涙腺が弱い人の特徴』について解説していきます。
先ほどからご説明しているように、涙は感情が高ぶる、交感神経が優位の状態のときに流れやすくなります。
感情の高ぶりは、気持ちが大きく動くときの現象ですが、誰もが同じように感情が高ぶるわけではありません。
人によって、気持ちの動き方も興奮度合いも違うのです。
その大きな要因となるのが、その人のもつ性格や性質、価値観などです。
ご紹介する『涙腺が弱い人の特徴』は、まさにこの部分。
涙腺が弱い人には、共通する性格や性質があるのです。
自分に同じようなところがあると感じた場合は、それが涙腺の弱い人になってしまう原因になっていると考えられます。
いつもの自分を振り返りながら、涙腺が弱い根本的な原因を探ってみましょう。
1.共感力が高い
涙腺が弱い人の特徴1つ目は、『共感力が高い』ことです。
あなたにも、人に共感しやすい部分がありませんか?
共感力が高い人は、他人に感情移入しやすいですよね。
他人のことでも自分のことのように、気持ちが大きく動かされやすいのがこのタイプの人です。
自分のこと以外でも気持ちが動くので、泣いてしまうシーンも人より多くなりがち。
だから、「共感力が高い人は涙腺が弱い」という印象になってしまうのです。
他人のことを自分のことのように考える
他人のことを自分のことのように考えられるのは、悪いことではありません。
人を思いやれる、優しい心の持ち主なのです。
だからこそ、涙もろい人は「情に熱い」「優しい人」など、良い人柄として捉えられているのです。
ただ、あまりに泣くことが多いと、それも困りものですよね。
自分でも泣いてばかりで疲れるし、周囲の人も、泣きすぎる人に対しては賛否両論。
他人のことで泣いてばかりいると、その共感力も度が過ぎていると思われてしまいます。
それに、他人のことで泣いてばかりいる人は、自分のことのように考えているというより他人の状況を自分に置き換えてしまっているだけの場合も…。
まるで自分に起きた事柄のように感情が動かされ、疑似体験をしているような感覚になってしまうのです。
だからこそ涙腺も刺激されやすいのですが、それが情に熱い人かどうかは別の話。
人の話を自分の話として捉えている場合は、その人に寄り添っているのとはわけが違うのです。
優しくいつも他人の気持ちに寄り添える
優しく、いつも他人の気持ちに寄り添える人は、感情移入するというよりもその人のために泣きます。
その人が嬉しかったこと、辛かった気持ちを推し量り、共感するから涙が流れるのです。
この場合は、その事柄が自分に起きたと思って泣くのではなく、その人のために泣くということ。
こういう人の場合は、情に熱い人ということになりますね。
共感力も難しいもので、人によって涙の意味も違います。
他人に起きた出来事を自分に起きたこととして泣いてしまう場合はとくに、泣いてしまう回数も多くなりがちでしょう。
自分が流す涙の意味。
それを今一度、振り返ってみると良いかもしれませんね。
2.騙されやすい
涙腺が弱い人の特徴2つ目は、『騙されやすい』ことです。
みなさんは、騙されやすい人にどんなイメージを持っていますか?きっと、「純粋な人」というイメージがあるのではないでしょうか。
騙されやすいということは、人を疑わないということです。
そして、人を信じている人でもありますよね。
そんな人は、心のキレイな目の澄んだ人という印象になります。
とても良い人柄と言えますよね。
ただ、純粋さゆえに人に騙されてしまうということは、自分の性格のせいで嫌な思いをしているということにもなります。
純粋な人はそれでも人を信じてしまうようなところもありますが、大人になると多少は疑いの目を持つようになるのが私たちですよね。
そして涙腺が弱いのも、その純粋な性格が影響しています。
騙されやすいほど人が良い人は、総じて共感力も高いし、素直に感情表現できる人。
だから涙腺も弱くなりがちなのです。
純粋な気持ちで物事を見ている
大人になっても純粋さを忘れないでいることは、誰もが理想とすることですよね。
子供のように純粋な気持ちを持ち続けていたいと願うものだし、純粋な人は周囲の人にも好かれます。
そんな純粋な気持ちで物事を見られる人は、心の赴くままに感情を受け取ります。
悲しいときは悲しい、嬉しいときは嬉しいと、感情を素直に表に出すので泣きたいときは泣いてしまいます。
泣きたいのを我慢して、感情を抑制してしまう人が多い中にあっては、大人になってもそれだけ素直に泣けるのは良いことでもありますよね。
疑う事をせずに信じてしまう
純粋に、自分の気持ちに正直に泣けるのは、恥ずかしいことではありません。
ただ、涙腺が弱いのと素直に泣くのとでは、ちょっと様子が違うときもあるかもしれませんね。
自分の感情に素直になるのはとても良いこと。
ですが、疑うことをせずに人を信じてしまい、結果騙されて泣いてばかりなのであれば、純粋な涙とは言い切れません。
この場合はどちらかと言えば、「人を信じたい」という期待感が強い人。
私を騙すはずがないという思いが強いから、疑うことをせずに信じてしまうのでしょう。
涙は、期待感と現実とのギャップで感情が動き、涙腺が刺激されて出るものだとお話ししましたよね。
つまり、騙されやすく涙腺が弱い人は、自分の感情に素直というより、相手への期待感の大きさゆえに涙を流していることになります。
涙腺が弱いことに悩んでいる人の場合は、どちらかというとこのタイプの人が多いのかもしれません。
純粋な涙を流せる人は、泣いてしまうことに罪悪感も感じないはずです。