言葉はどんどん進化もしますし、新しいものが生まれてきます。

よく「死語」と言いますが、その逆はおそらく「新語」ではなく「生語」と言えるでしょう。

通常ならば、生まれた言葉は進化・成長はしません。

その「意味」を持ったまま、拡がることはあっても、大きくなることはありません。

世間に同じかたちで定着したまま、つまり意味は変わりません。

ですが、進化・成長する言葉も中にはあるのです。

それがここでご紹介するワンチャンです。

この言葉、この言葉の意味を知っていますか?

知らない人はもちろん、知っている人ももしかしたら使い方、解釈の仕方を間違っている場合があります。

なぜなら上記で話したように、「ワンチャン」は、進化・成長し、様々なかたちを見せる、そんな言葉だからです。

言い換えればとても使い勝手が良く、様々な場面において、たくさんの意味で使用できるのです。

最近よく聞く「ワンチャン」って何?

「ワンチャンあるかな」
「それ、ワンチャンあるね」
「ガチ飛ばせばワンチャン行けるかも」
「ワンチャンからリア充」

などの使われ方をするワンチャン。

ネットで検索すると、「今更訊きづらいんですけどワンチャンって何ですか?」と質問している人が数多く見られます。

この問いを分析すれば、「よくは分かっていないけれど、何となく使っている」という発言にも取れます。

「この記事を読んだら、ワンチャン、ワンチャン、分かるの?」

という言葉の使い方が(問いの使い方)が正しいか正しくないかは、記事を読み進め、ワンチャンの意味を把握した後、判断してみてください。

たかが言葉、されど言葉です。

使う、使わないは別にして、それは知識なのですから、知っていて損になることは決してありません。

1. 言葉自体の意味

そもそもこのワンチャンですが「One Chance」の略語です。

使い方は、すなわち意味や捉え方は、このワンチャンの特質的部分で、つまり暴動でお書きした通りに進化・成長しているため、

「こうだ!」と一言で表すのは難しいのです。

ですが一般的には、別な言い方をするのなら生まれた当初の意味は、

「可能性はなくはない!」

「微々たるものだけれどチャンス(機会・好機)はある!」

というものです。

まあ、ワンチャンス、をそのまま訳したかたちに近いです。

この最初の意味から、様々なかたちで進化・成長を遂げ、使用されているのが、このワンチャンです。

ひいてはワンチャンの面白さ、使い勝手の良さ、と言えるのです。

そして幅広く使えるが故に、よく分かっていない人がとりあえず、「ワンチャン」と使用することにより、

その言葉を受けた人が内心で苦笑しているという事態も考えられということは想像つくことでしょう。

なので是非、「ワンチャンってこういうもので、こういう使い方が正しい」ということを知ってください。

2. 言葉の由来

ワンチャンは誰が言い始めたのか、そもそも造語ではないため、この辺りは分かっておりません。

ただ、みんなが知っているであろう英単語を、それぞれの解釈のもと、それぞれが思いのまま成長させたと言っていいでしょう。

そして発信源が不明のこのワンチャンですが、古くから多用されていた場所なら実はあります。

それは卓を囲んで行なう、「麻雀」という舞台です。

3. 元々は麻雀用語


元々というより、麻雀をするという場所において、この言葉が使い勝手が良かった、という理由が大きいでしょう。

なぜなら麻雀は中国が発祥なのですから、そこに英語が入るのは違和があるからです。

なので、卓を囲む人々が、比較的意味がすぐに分かる言葉を使用し、それが仲間同士の中で広まっていったと考えるのが妥当でしょう。

(「用語」というより、会話の中で生まれ、それが一般化されたという解釈です)

ではその麻雀においてのワンチャンの意味ですが、

『3枚カベのカベ下のこと。比較的安全だが、相手が4枚目を持っている場合は当たり牌になるし、シャンポン待ちや単騎待ちには通用しない』

というように「安全牌」の考え方が由来であり、それに基づき、麻雀を楽しむ人たちの中で使用されていました。

と言われても麻雀をやる人は、「ふむふむ」といった感じでしょうが、やらない人にとっては意味不明なのは分かります。

ここで細かく説明すると、「麻雀とは」や「麻雀のルール」という話になってしまいますので、

詳しく知りたい人はネットで調べてくださいということで、その部分はカットし、単純に、

「(切羽詰まった状態において)大丈夫!」といった意味だと理解してください。

可能性は低いけれど絶対平気! という、暗示というか、自分に言い聞かせるようにする、自身に発破を掛けるような意味合いです。

麻雀は勝負の世界なので、おそらく麻雀を知らない人であれば、

一発逆転という意味だったり、1回の機会・好機(ワンチャンス)で起死回生、巻き返せるできる、と連想しがちですが、そうではないです。

「大丈夫」

それが麻雀の世界でのワンチャンの意味です。

安全だ、と。

安全のはずだ、と。

――ということから2つ分かることがあります。

例えば同じ勝負の世界にある、格闘ゲームやカードゲームにおいての「ワンチャン」は、

麻雀用語の「大丈夫」や「安全」という意味より、一発逆転であり、起死回生であり、そういった意味で多用します。

「勝利や成功を得るための事象」という使われ方が一般的でしょう。

何が言いたいかと言いますと、

① ゲームマニアの間で、まずは「ワンチャン」が意味を変えた・成長させた

これは推測としては正しい見解なのではないでしょうか。

発信源が麻雀だとしたら、やはり若者も麻雀をやるわけですからそれから最初の言葉の拡がりを見せ、

その若者が麻雀以外の勝負の世界においては、「ワンチャン」を別の意味を使って用いた、ということです。

② どちらにしろ英語から少し離れた感じで使われていた

麻雀にしろ格闘ゲーム・カードゲームにしろ、本来の英語から少し離れた感じで使われていた、ということが分かります。

つまりこの時点で言葉の自由度が高かったということが分かります。

「こんな使い方もある」というよりは、「こんな場所においても相手に通じる」といったところです。

4. 新語トップ10に選ばれた

国語辞典編集者の飯間浩明氏が選ぶ、「新語トップテン」においてワンチャンは1位を取りました。

ちなみにその年のランキングはこちらです。

1位 ワンチャン
2位 それな
3位 あーねー
4位 安定の
5位 自撮り
6位 プロジェクションマッピング
7位 NISA
8位 危険ドラッグ
9位 ~み
10位 ぽんこつ
次点 壁ドン

なぜランキングを全て発表したかというと、おそらく「2位 それな」「5位 自撮り」「8位 危険ドラッグ」「次点 壁ドン」

でお分かり頂けるように、このランキングは近年のものではありません。

2014年12月のものなのです。古いです。

つまりだいぶ前から、「ワンチャン」は幅広く使われていたということになります。(正確に言えば2013年です)

加えて言えばこういった新語で1位に輝いた場合、どちらかと言えば「一発屋」になる要素が非常に強く、

すぐに廃れたりするのですが(死語になる)、ご存知の通り、「ワンチャン」は今も数多く使用されています。

未だに力を持ち、使用されています。

そこに、言葉自体の「進化・成長」が大きな関わりがあるのです。

使いやすく成長するため、時間が経っても廃れない、ということです。

5. どういう人達が使っている言葉?


これは新しい言葉の発掘者というべき人たちです。

高校生や大学生、すなわち若い世代で使用され、LINE、会話などにおいて用いられています。

若い世代――だからこそ、なのでしょう。

若さという頭の柔軟性、そしてSNSという環境から、「こういう使い方もあるよね」といった部分が言葉の進化、ワンチャンの成長を促したのでしょう。

2年前より昨年、昨年より今年、といった具合で、ワンチャンの使い方が多種多様になっているのです。

それ故に、一見して分からない状態になっているとも言えます。

「ガチ飛ばせばワンチャン行けるかも」
「ワンチャンからリア充」